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逆風は神様からのプレゼント


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:赤羽かなえ(ライティング実践教室)
 
 
胸にナイフを突き立てられたかのような記事だった。
 
私はある栄養のお話会を開いている。そのテーマは女性の健康や美容、子どもの発育に関わることなので興味を持ってもらえる。しかも広島でそのお話会を始めたのは私が初めてなので沢山の方が聞きに来てくれた。その当時はまだ勉強し始めたばかりだったけれど、とても勉強になるという感想をもらえた。回数を重ねるたびに少しずつ自信がついてきた矢先のことだった。
 
あるSNSの記事を見た時に、名指しではなかったけれど明らかに私のお話会のことを批判した記事に出会ってしまった。読むだけで心拍数があがり、読み終わる頃には気落ちしていた。
 
記事の内容自体は、お話会に来て、ちゃんと話を聞いてくれれば、誤解も解けるような内容だった。お話会に参加した人が書いた記事ではないので私には落ち度はない。でも、その記事を書いた人は、過去に私と仕事でトラブルがあった人だった。彼女は、私のことを快く思っていないのでこんな記事を書いたに違いない。
 
私は暗い気持ちでSNSの記事を閉じた。
 
コメントで反論することもできたけれど、それはしなかった。正確に言うと、できなかった。記事の内容なら反論できる。でも、それ以上につっこまれたら、対応できるか自信がなかったのだ。
 
その晩は、熟睡できずに何度も目が覚めた。悔しかったけれど、面と向かってケンカを売る勇気もなかったから、モヤモヤをやり過ごすしかなかった。
 
翌朝、一つ決意をした。その記事を書いた人だけではない、誰から何を聞かれても納得してもらえる答えを返せるようになりたい。正確な知識をなるべくわかりやすい形で伝えて行きたい。そのためにはひたすら学ぶしか、ない。
 
そこから、私は、所属している協会のシニアアドバイザーの試験勉強を始めた。お話会をできる程度の知識はあるものの、その背景にある知識には、化学反応の式が出てきたりする。文系の私は、難しい話になるとまるで外国語を聞いているようで苦痛になってしまう。それでも悔しくてどうにか理解しようと頑張ったし、沢山質問をし続けた。
 
シニアアドバイザーを目指す人が最短6か月の勉強で挑戦できるところを、私は1年半かけて学び、先日ようやくシニアアドバイザーを取得することができた。
 
その1年半の間に、お話会の内容も格段にレベルアップした。シニアアドバイザーの勉強だけでなく、先輩の勉強会に参加して、お話会用の原稿を作り直し、参加してくださった方の感想を聞いて分かりづらい所を分かりやすく説明できるように内容をブラッシュアップしていった。
 
先日、お話会を開いた時に、私が初めてお話会を開いた時に参加してくださった方が2名再受講してくれた。終わった後で、
 
「初めての時よりも格段に分かりやすくなっていてよかった」
 
という感想を伝えてくれた。批判記事を書いた人には届いてないけれど、記事を読んだ時にできた傷がようやく癒えた気がした。
 
そんな時に、ものの見方を研究している作家のひすいこたろうさんが講演会で話されていたエピソードを思い出した。ひすいさんは、師匠と仰いでいた方に「あなたが成功しているのは逆風があるからですよ」と言われて驚いたそうだ。ひすいさんにとって逆風にあたるのは身内の近しい人でとても厳しい方だけど、それからその方に心から感謝できるようになったという。「逆風は向きを変えれば追い風になるんです。自分のことを支持してくれる人だけでなく、自分に批判的な人に認められるくらい広まると、本はベストセラーになるんです。だから、身内が批判的だったら、その方に届く本を書けばいい。身近な存在が逆風だと簡単に成功できるんです」と聞いて衝撃だった。
 
確かに、ひすいさんの言うように、その記事を読まなかったら、私は、自分を支持してくれる人達の言葉に満足して、今みたいに努力してシニアアドバイザーまでは取得していなかったかもしれない。
 
化学式が出てきても、話が外国語を聞いているようでも、自分のした質問がとんちんかんで失笑されたとしても、あの記事があったから私は頑張れた。
 
あの記事はまぎれもなく私にとっては逆風で、悔しくて向き合ったからこそ、そこから1年半勉強できたし、お話会もブラッシュアップできた。見事に追い風になってくれた。
 
今までお話会を聞いてくれた沢山の方への感謝と同じくらい、その記事を書いてくれた方に感謝の気持ちが湧き上がった。その人に心の中でそっとお礼を言った。
 
長い人生の中で、逆風に合う時はある。その時には、きっと苦しいだろう、でも、逆風を乗りこなせたら、自分が思ってもないような未来にたどり着けるかもしれない。
 
その逆風はきっと神様からのプレゼントだから。
 
 
 
 
***
 
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