fbpx
メディアグランプリ

「人生のあみだくじ」


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:今津眞一(ライティング・ゼミ8月コース)
 
 
「人の運命って、どこで決まるん?」
子どもながら疑問に思えば、大人にすぐ訊ねる子だった。
「それはな、神様が決められるんよ。この子はどこの家の子にしようか、って」
 
小さい頃から不思議に思っていた。
両親がいて、兄弟がいて、当たり前のように暮らしていた。気付くと、友達にも同じように家族があるのだが、どこか我が家と違っていた。休みになると、いつも家族で旅行に行く友達がいて、不公平感すら感じたこともあった。
しかし世の中には、そんなことは沢山あると気付くのに、時間は掛からなかった。
 
中学生の頃、占いに興味を持ち自分の人生を占うようになった。
既にすべてが決まっているとしたら、どこで終わりになるのか早く知りたかった。西洋占星術から四柱推命まで、いろいろ試してみたが、結論から言うと、よく解らなかった。占星術のチャートにせよ、四柱推命の命式表にせよ、作ることは出来たがそれを読み解く経験が自分には無かった。自分でやっても、大して役に立つものではないと諦めてしまった。
 
高校生の頃は宗教や人生論に興味を持ち、大学では哲学書を好んで読むようになった。
 
「運命って既に決まってるんやろうか?」
「命を運ぶっていうことは、いろいろ変わるんやろうか?」
友達と議論する内容はそんなことが多かった。
 
そんな中、「人間万事塞翁が馬」という中国の故事に出会った。
「人生における幸不幸は予測しがたいということ。幸せが不幸に、不幸が幸せにいつ転じるかわからないのだから、安易に喜んだり悲しんだりするべきではない」という意味である。
 
そんなことって、あったかな? と振り返ってみると、私にもいくつか思い当たる節があった。
娘が3歳の頃、風邪でも引いたのか調子が悪く、ぐったりしてたので脈を調べると40ぐらいしかなかった。休日にもかかわらず直ぐ病院へ行ったのだが、検査が終わった時に心臓発作が起き、丁度その場にたまたま東京から来られていた小児科の心臓専門の先生がいらっしゃっていて、緊急手術でペースメーカーを入れてもらった。それで一命を取り留めることが出来た。家で発作が起きていたら、多分助かっていなかったと思う。
この子の将来はどうなるかと心配したが、おかげさまで普通の人と変わらず成長し、今年、女の子を出産し元気でいる。一級の身障者手帳はいろいろな特典があるようだが、上手に活用しているようだ。
 
またもう一つ、家内の場合は、4年ほど前に死にそうになった。友人とハイキングで熊野古道を訪れた夜、入った坪湯で高血圧から来た? 心臓発作を起こし、救急搬送。幸い一緒にいた友人が医者だったこともあり、搬送先へも同行しサポートしてくれた。この日を境に、薬嫌いの家内が薬を飲むようになり、高血圧で倒れる心配が減った。そして、何よりも私自身が、目の前で死ぬかもしれないという場面を経験したことで、家内を大切にするようになった。
私をよく知る人には信じてもらえないかもしれないが、その後の生活は一変(笑)、二人で一緒に過ごす時間が増えた。
 
いずれもその時は、将来への不安で一杯だったが、いつの間にか好転したと思える出来事だった。(思えると書いたのは、少なくとも今までは良好だが、この先それが元でどうなるか判らないから。でも心配しだすとキリがない。どっちが良かったのか悪かったのか、自分では判るはずもなく、起こることを素直に受け止めるだけだ) そして同時に、人の命って不思議だなと思ってしまった。偶然が重なり、死んでしまう人と生き残る人がいる。まだ生きているってことは、「生かされている」と考えるようになった。自殺でもしない限り、勝手に死ねないのだ。
 
「運命って、どうなってんの?」
人の命には限りがある。必ずどんな人も死ぬと決まっている。その意味において運命は決まっていると言える。
否、死ぬことは運命というより宿命と言った方が良さそうだ。広辞苑には「運命とは人の意思にかかわらず、身の上にめぐりくる善悪・吉凶のこと」と書いてあった。つまり、宿命は変えられないが、運命は自分の意思の結果として変わるものと捉えることが出来た。
 
現在、少なくとも私たちは朝起きてから夜寝るまで、意思決定を繰り返し、自分の命を運んでいる。朝何を食べようか、何を着て、どこの道を通って外出しようか、等々自分の意思で選んで生きている。その結果が良いのか悪いのかまではコントロールできないにせよ、自分の思う方向へ進むことは出来る世の中だ。
自分の可能性を信じ、どこまで自分の目指したゴールにたどり着けるか、そんなゲームのような人生だ。スタート地点が違っても、未来への可能性が同じようにあると考えれば、人生楽しくないだろうか?
 
自分が生かされている目的を考え、目の前で起こる選択の意思決定をする。まさに「人生のあみだくじ」に、線を一本一本と足していくことと同じだ。結果がどう出たとしても、後悔することなかれ。次の新たな挑戦が出来ることを楽しむことだ。諦めない限り「挑戦中」であり、決して失敗はないのだ。
私自身、幾つになっても、このワクワク感を忘れず、「人生のあみだくじ」を楽しんでいきたいと思っている。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

お問い合わせ


■メールでのお問い合わせ:お問い合せフォーム

■各店舗へのお問い合わせ
*天狼院公式Facebookページでは様々な情報を配信しております。下のボックス内で「いいね!」をしていただくだけでイベント情報や記事更新の情報、Facebookページオリジナルコンテンツがご覧いただけるようになります。


■天狼院書店「東京天狼院」

〒171-0022 東京都豊島区南池袋3-24-16 2F
TEL:03-6914-3618/FAX:03-6914-0168
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00
*定休日:木曜日(イベント時臨時営業)


■天狼院書店「福岡天狼院」

〒810-0021 福岡県福岡市中央区今泉1-9-12 ハイツ三笠2階
TEL:092-518-7435/FAX:092-518-4149
営業時間:
平日 12:00〜22:00/土日祝 10:00〜22:00


■天狼院書店「京都天狼院」

〒605-0805 京都府京都市東山区博多町112-5
TEL:075-708-3930/FAX:075-708-3931
営業時間:10:00〜22:00


■天狼院書店「Esola池袋店 STYLE for Biz」

〒171-0021 東京都豊島区西池袋1-12-1 Esola池袋2F
営業時間:10:30〜21:30
TEL:03-6914-0167/FAX:03-6914-0168


■天狼院書店「プレイアトレ土浦店」

〒300-0035 茨城県土浦市有明町1-30 プレイアトレ土浦2F
営業時間:9:00~22:00
TEL:029-897-3325



2022-12-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

関連記事