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「夢はなんですか?」と聞かれて困ってしまうあなたへ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:赤羽かなえ(ライティング実践教室)
 
 
「私、夢がなくて……夢がある人が羨ましかったんですよね」
 
友達から聞いた言葉がひっかかった。ふと昔の自分のことを思い出した。私も、将来の夢がなかったと思い出したのだ。
 
小学校の卒業式、手渡された卒業アルバムがずっしりと重くて嫌だったなあ。
 
立派に装丁されているけど、ちっとも開きたくなかった。
無理やりな笑顔で撮られた写真もかわいくなくて嫌い、クラスのみんなで投票して決めたクラスの何でもベスト3も嫌だった。スポーツができる人とかは華やかなのに、私が選ばれた姿勢がよさそうな人って何それ……しかも3位とか中途半端だし。一人ひとつはランキングに入るように配慮されているのが気持ち悪かった。
 
そして一番嫌だったのが、文集のページ。「将来の夢」というテーマで一人ひとりが作文を書いた。歌手、サッカー選手、野球選手、お店屋さん……。その大半はいつの間にか置き去りにされているのに、なんであんなの書かせるんだろう。
 
自分が何を書いたかなんてほとんど覚えていないけど、とにかく書いている間がとても嫌で、もらって自分のページの文章を読み返してもう一度うんざりした。夢らしい夢がなかったから、母に相談して「大学にいって、銀行員になって、銀行の人と結婚したらお金に困らない人生を過ごせるわよ」と言われたのを書いたんじゃないかと思う。
 
夢ってそんなに語る必要があるのかな? そんな風に思いながら大人になってしまった。夢にいい印象を持てなかった。
 
そんな折に出会ったのが植松努さんだ。植松さんは、ドラマ化した小説『下町ロケット』のモデルになった人で、日本版TEDでも話を聞くことができる。植松さん自身は、子どもの頃からロケットを作りたいと言う夢を持っていた。けれど、先生や周りの人から、
 
「どうせ無理」
 
と言われてくじけそうになる。けれど、どうせ無理だというのは、やったことがない人が言っているだけで、やったことがある人に聞くと「だったらこうしてみたら?」と教えてくれるんだということに気づいたという。植松さんは、自分の技術を磨き続けることで、ついには、宇宙事業に携わることができるようになった。
 
植松さんはこの経験を活かして、この世の中から、「どうせ無理」をなくして、「だったらこうしてみたら?」とアイデアを出し合える世界を作りたいという思いで講演活動をされている。
 
その他に、植松さんの話を聞いて印象的だったことが2つある。
 
1つ目は、
「医者になりたい、という夢だと医者になれなかったら、失敗したかのように思えてしまう。でも、医者になりたい理由が人の命を助けたいのなら、医者じゃなくても消防士さんでもいいし、医者が使う医療器具や薬を作る会社に就職したって目的は果たせるんだよ」
 
という話。そして、2つ目が、
 
「夢を見つけたら、沢山の人に言うといいよ。そうしたら、もしかすると誰かが力を貸してくれるよ」
 
ということ。
 
昔は夢がなかった私だけど、今は人の心を揺らすような文章を書く作家になりたい、という夢がある。昔から文章を書くことは好きだったけど、作家になるなんて「どうせ無理」だと思って、夢の候補としても上がっていなかった。
 
でも、文章を書きたい、と言い続けていたら、ライターの仕事がもらえるようになった。芥川賞を取ったり、ドラマ化したりというわけではないけれど、書く仕事には携わることができている。
 
そして、最近気づいたことがある。作家になりたい、なんていうのも恥ずかしい、と思ってきたけれど、実際に口にしてみると、周りの人達が沢山応援してくれる。実は、「そんなの無理だよ」と心のどこかで思っているのは、自分だけで、誰も私の夢を馬鹿にはしないのだ。
 
植松さんにサインをお願いすると、ロケットの絵と星と「思うは招く」という言葉を書いてくださる。植松さんによると、ロケットは、自分自身で、小さな星は夢や目標だそうだ。
自分の理想に向かって努力をしはじめると、身の周りの人達に理解されなくてさみしいこともある。けれど、負けないで飛び続けたら、星に届くよ。その星には、寂しさに負けないで飛び続けた仲間が待っているから、ひとりぼっちに負けないで、飛び続けてね、というメッセージが込めてられている。
 
「思うは招く」という言葉は、植松さんのお母さんが植松さんに教えてくれた言葉で、思い描いたことは、現実になるということ。
 
2023年の始まりに、植松さんのサインに描かれた星を見ながら、もう一度自分の夢を思い描いて、がんばろう、と決意を新たにした。
 
皆さんの夢は何ですか?
教えてくれたら、心の底から応援するよ。
 
 
 
 
***
 
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