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17歳、料理はリュウジが教えてくれた


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:鈴木結美子(ライティング・ライブ名古屋会場)
 
 
「食べたいものが食べたい。普通のご飯が食べたい」
2021年4月、高校2年生の息子がつぶやいた。
それから1年間、息子が週に2日食事をつくっていた時の話です。
 
この頃、仕事の忙しさがマックス。毎日23時に帰宅が続き、学校に持たせるお弁当づくりだけは死守していたけれど、夜ご飯のクオリティがひどかった。
このままじゃ良くないと頭ではわかっている。フルタイムと子育てを両立させている友人がSNSにあげる「つくおき(作り置き)」がまぶしい。
 
帰宅後、息子と2人でご飯を食べるのに、でき合いや冷凍食品は便利だ。ただ、あまり続くと心にも身体にも栄養がいかなくなる。
 
そんな時、息子が「普通のご飯が食べたいので僕がご飯をつくる」という。
(母を助けるためではなく「僕が食べたいものが食べたかったから」だそうだ。難しいお年頃、そう定義するのが照れ隠しだったのかもしれない)
 
2人で話し合い、運用を決めた。
 
・週に2回、晩御飯をつくる
・食品の買い出しから食器洗いまで
・月に15,000円 残ったらお小遣い
・食材は家にあるものはなんでも使って良い
・揚げ物は油の扱いが心配なためやらない
・気分が乗らない日は何か買ってきてもOK。ただし今日はつくりたくない、は困る
 
特に仕事の忙しい日曜日と月曜日につくってくれることになった。
家に帰ったらご飯がある。
しかも息子がつくってくれる。
こんなありがたい提案があるだろうか。
 
もともと息子はほとんど料理をしたことがない。
最初は「食べたいもの」というより「つくってみたいもの」が並んだ。
 
「すごいね! これ、どうやってつくったの」
「りゅうじが教えてくれた」
 
と、今までに我が家で並んだことのない男飯。
(恥ずかしながら、当時、バズレシピやレシピ本で有名なリュウジさんを存じ上げず、しょっちゅう名前があがるので、料理の得意なリュウジという友人ができたのかと思っていた)
 
きっかけはYou tubeの動画。高校生男子をこれならできると動かし、その母を幸せにしたリュウジさんはすごい。
 
旨味いっぱいの大皿チャーハンはおいしかった。だが40代後半。日付の変わる頃に食べるには少々重たい問題。
 
回を重ねるたびに腕が上がり、単品料理だったのがだんだん家庭料理になっていく。
この頃は「クラシル(料理レシピ動画サービス)」を絶賛していた。
「普通のご飯」にはバランスが大切だと気づいたのだそうだ。
 
生姜焼き、ホイコーロー、チンジャオロース、麻婆豆腐、バンバンジー。
親子丼、照り焼きチキン丼などなど。
 
副菜のバリエーションも増え、ほうれん草のおひたし、にんじんしりしり、ポテトサラダ、そして納豆や冷やっこ、汁物を添えてくれるようになった。
 
おいしいおいしいと(つくった本人も絶賛しながら)毎回完食する。
 
几帳面なところがあるから、野菜の切り方や盛り付けがきれい。息子なりの食器選びも新鮮。イヤホンで音楽を聴きながらノリノリでピカピカにお皿を洗う。
 
途中、どうしても欲しいものがあると頼まれたのが「ぶんぶんチョッパー(高速でみじん切りができるツール)」で、喜んで献上する。
 
通う高校と家の途中に大型スーパーがある。学校帰りや夕方以降にスーパーに行き、やりくりして自分の食べたいおやつを買ってくるのも楽しそうだった(おやつは私の分はない)
明らかにおやつ代のほうが高くないかという日もあったが、任せたからには本人にゆだねる。
お刺身の切れはしを半額だったとホクホク買ってきて、海鮮丼をつくってくれたり、ものの値段を知り、鶏肉を愛し、鶏肉メニューのレパートリーを増やしていった。なかなかしっかりしている。
 
あとは、私がよくつくっていたメニューや、母(息子にとってはおばあちゃん)が離婚後(当時は中学1年生)しばらくうちに泊まりにきてくれていた頃の料理もよく再現していた。
 
「母が肉料理の下につかうギザギザ葉っぱ名前なに」などとLINEがくる。(A.フリルレタス)
 
「おばあちゃんの八宝菜ってどうやってつくるの」と孫から電話がかかってくるのは、母にとっても楽しい時間だっただろう。(A.Cook Do)
「Cook Doは神」は息子談。
 
「この味は何が入っているのか」
「うちの味噌汁の野菜の切り方」
「明日のご飯なにつくろうかなぁ」など母子の会話も自然と増える。
 
今日は帰ったら【息子飯】が並んでいると思うと、帰宅時の足取りもウキウキと軽くなったし、家に帰ってからもうれしくてありがたくて気持ちがいやされた。
 
2022年の4月に私が退職し独立開業してからは、帰宅がそんなに遅くなることはなくなり、この制度は終わりになった。本人は続けても良いという。だが高校3年生で受験生となったので、今度は母が支える番である。
 
この文を書くにあたり、現在受験真っ最中の息子にあの1年振り返ってみてどうだったか聞いてみた。
なんと進学先が決まったら【息子飯】を復活させたいそうだ。
 
実際は大学生は外にベクトルが向くから難しいと思うけれど、その気持ちがありがたい。そして何よりとびきりの1年をもらったことをすごく感謝している。
料理をつくってもらえるというのは、こんなにも人の心を幸せにする。
 
だから本日も母は、今夜の献立を一生懸命考えます。
 
 
 
 
***
 
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