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『人生を楽しみたいから走ることにした』


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:のもちゃん(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
運動は得意でなく、学生時代は走るのも遅いほうだった。
たまに思い立ってランニングを始めてみても、いつも三日坊主で続いたためしがない。
 
ある時、ネットで知り合った仲間がランニンググループを作った。
「ふぅん」
私には関係ないと最初の頃はスルーしていた。
でもランニングブームなのか、ランニングを始めました! ランニングを始めてから前向きになりました!
みたいな話があちこちから聞こえてくるようになった。
長距離を走ることができない私には、ランニングは「酸っぱい葡萄」に思えた。
 
10年ほど前、まだ子どもが小学校低学年の時に、地元のロードレース大会の親子レース1キロにエントリーしたことがある。
長距離を走っている人から見れば、1キロなんて全く大したことはない。
 
しかし、その頃10メートルも走ることがなかった私にはけっこう高いハードルだった。
ロードレース大会前に公園で1キロ走る練習を始めてみた。
遅いながらもなんとか走ることはできた。
けれど、息切れがすごい。
しかも数日走り続けているうちに腰が痛くなり、あげくの果てには腰痛から熱まで出して寝込んでしまった。
私には走るだけの体力がないんだ……と練習をやめてしまい、親子レースはぶっつけ本番でぜいぜい言いながら走った。
一緒に走った子どもにも置いて行かれるくらい遅かった。
 
小説家の村上春樹さんも何十年とランニングをされていて、いくつものマラソン大会に出ている。
『走ることについて語るときに僕の語ること』は村上春樹ファンでなくてもランナーなら知っている有名な本だ。
この本がきっかけで走り始めた人も知っている。
私もこの本を読んでランニングの魅力を感じつつも、苦い思い出があるから走るなんて無理と諦めていた。
 
けれどランニングを始めて継続している人は何だか楽しそうに過ごしている。
そのうちに私も走ってみたいと願望を抱くようになった。
 
ある時思い立って、知り合いのランニンググループに入れてもらうようお願いした。
快くグループに入れてもらい、仲間とおそろいのTシャツも購入した。
 
Tシャツが届いたときは、「これを着てマラソン大会で走ることなんてあるのかな……」と思った。
せっかく買ったから無駄にはしたくはないけれど、自分が長距離を走れるかまだ自信がなかった。
 
けれどランニンググループに入って、みんなの日々の取り組みやランニング情報などを知るうちに、
「そうか、まずストレッチをしっかりやることが大事なんだ」とか、
ランニング用のおすすめのウェアや靴、フルマラソンのための練習方法が書いている書籍などがあることも教えてもらった。
私は自分の年齢や体力も考えず、とにかくやみくもに走れば何とかなると思っていたから体を壊したのだ。
 
とにかく走ることに慣れようと自分のペースでゆっくり3キロを目標に始めた。
仕事休みの時などに走っていたので、週1、2回のペースだ。
そんなペースで走る力がつくのかわからなかったが、とにかく空いた時間にタイムを気にせず走った。
 
そして今年3年ぶりに地元のロードレース大会が開催されるのを知った。
地元の小中学生を中心に、近くの高校生や住民が参加するこじんまりとした大会である。
距離も2.5キロと普通のマラソンに比べてかなり短い。
 
私は迷った挙句、その大会にエントリーした。
2.5キロだったら、いつも走っている距離よりも短い。
ただ心配なのはこれだけの短い距離なので、参加者はハイペースで走るだろう。
私はのんびりとしか走ったことがなかったので不安だった。
 
娘も学校から同じ2.5キロレースに出るので「何分で走れる?」と尋ねたところ、「12分くらい」と答えが返ってきた。
ちなみに男子の早い子は7分台で走るらしい。
 
本番1週間前に、レースと同じ道を走ってみた。
ゴール地点に着いたとき計測時間は18分だった……。
 
うーん、これはマズイ。
その日から毎日ロードレースと同じ道を走り始めた。
少し速く走れる日もあったが、大寒波の雪の日や仕事で疲れた日などは全くタイムは縮まなかった。
 
本番の朝まで一人だけ大幅に遅れてゴールするのではないか……と、考えて棄権しようかと悩んだ。
娘に話すと「やめたら。普通速い人が参加するでしょ」と、にべもない返事だった。
 
でも、ここで諦めたら消化不良な気持ちだけが残ることになる。
とにかく走る経験を積むつもりで恥を忍んでレースに参加することにした。
 
レースのスタート時に「みなさん! 自分のペースで走ってください!」というエールを送るアナウンスに大いに励まされた。
とにかくいつものペースでいいから走ろう! とスタートした。
 
地元開催だけあって、沿道の応援に知り合いもけっこういて声援を送ってくれた。
その声援に軽く頭を下げながら前を走りすぎていく。
本当にありがたかった。
その日は気温が下がり、走っていても向かい風で雪が来るため、体は縮こまり足はつりそうな感じだった。
 
私が一番最後だろうと思ったが、反抗期なのか中学生グループが歩いていて、その子たちの少し前でゴールした。
タイムは18分37秒とやはり遅かった。
でもとにかく歩かずに走り切れたのだ。
 
レースが終わってから沿道で応援してくれた友人が、1年後自分も走るのを目標にしてみようかな、と話かけてくれた。
他の応援や声かけをしてくれた人たちもうれしそうにしていた。
2.5キロの小さなチャレンジだけど、走ることは自分だけではなく周りの人までも明るい気持ちへ動かしてくれるものなんだと感じた。
 
仲間とお揃いのTシャツを着てロードレースに出たことで、これからも走り続けたいと思った。
走り続けることで今とは違った景色が見られるのではないか、とちょっと楽しみにしている。
 
 
 
 
***
 
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2023-02-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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