メディアグランプリ

制約の中でヒトは進化し、そして自信を取り戻す。


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:信行一宏(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「困った。何も思いつかない……」
「また、この状態で月曜日の夜を迎えてしまった……」
現在、月曜日の22時30分。提出期限の23時59分まで、1時間30分を切ってしまった。一日働いた体に鞭打って、パソコンのキーボードを叩いている。かなり必死だ。毎週のことながら、憂鬱な月曜日だ。自分で決めて始めたことだが、正直こんなにも大変だとは思ってもいなかった。想像ではあるが、私と同じようにパソコンの前で、眉間にシワを寄せながら必死になって、2,000文字を紡ぎ出している仲間たちがいるのだろう。まったく、お互いに物好きなものだ。
 
私は2月から天狼院書店のライティングゼミを受講している。今回で7回目の課題投稿だ。全部で16回の課題投稿のうち、もうすぐ折返しといったところだ。正直に言おう。もう、書くネタが、無い。大げさかもしれないが、こんなにも自分には中身がなかったのかと、少し落胆している。しかしながら、そんなことでめげる訳にはいかない。ネタがなければ、ネタを作ればいいのだ。毎週2,000文字を作り出すという、今までの人生でやってこなかったことをやっているのだから、そもそも習慣を変えなければいけなかったのだ。
 
そこで私は、まずはインプットの量を増やした。まずは、映画を観る習慣をつけた。今まで時間がないと思いこんで敬遠していた映画鑑賞だが、週に1本は観ることを目標とした。現在においては、動画配信サービスが非常に優秀なので、映画鑑賞のハードルは低くなっている。逆に言うと、そのハードルの低さが故に、「いつでも観ることができるから、今はいいや」というマインドになっていたかもしれない。たった今逃した『今』はもう二度とやってこないのに。とりあえず、毎週土曜日の夜は映画の日と決めた。3月の第1週から始めているので、完全に習慣化できたわけではないが、やってみると毎週土曜日が楽しみになってきた。そして、ライティングゼミで学んだ視点を通して映画を観ていると、漫然と観るよりも、深いところまで観ようとする、自分の意識に気付かされた。
 
読書も意識的に行うようにした。思い返せば、社会人になってから、読書をする習慣が殆どなくなっていた。ただ、学生の時と比べてお金は持っているから、いわゆる『積ん読』はどんどん溜まっていく。それが、胸焼けのように、心に引っかかっていた。しばらく読書習慣から離れていたため、こちらの習慣化はなかなかしんどいものがあるが、積ん読を1冊1冊消化していくにつれて、自分の心が晴れていくのがわかった。
 
こうしてインプットの量は格段に上昇した。ライティングゼミの受講を開始する2月以前と比べてみると次のようになる。映画は年2本から年48本ペース。読書は年1冊から年12冊ペース。数字に表してみると、その差は歴然である。2,000文字の課題という制約を自分に課したことで、人生が変わりつつある。毎週2,000文字の課題を16回すべて提出できたとして、その総文字数は32,000字。原稿用紙にして80枚。この積み重ねが、自信にならないはずがない。私のように漫然と生きていた人間にとって、「2,000文字の文章を月曜日の23時59分までに投稿する」という制約は、自分の中の能力と意識を活性化させ、そのミッション達成のため、枝葉を伸ばすように様々なことに再挑戦させてくれる機会を与えてくれたのだ。
 
考えてみれば、面白いもの・受け継がれてきたものには制約がつきものだ。5・7・5・7・7の文字数から作られる短歌の美しさは、その制約があってこそ輝くものだ。新型コロナウイルス感染症の感染拡大によって、多くのことが制限されたが、ITツールが飛躍的に進歩し、誰もが使うことができるように、社会全体も大きく変わってきたし、新たなエンタメも生まれてきた。そして、思い出してほしい。人間を含む生物にとって、もっとも強固で逃れられない「命」という制約があることを。誰もが、命のタイムリミットを持って日々を過ごしているのだから、漫然と過ごすことがどれほど怖く、どれほど自己肯定感を下げてしまっているかを。現代の子どもたちは、自己肯定感が低い子どもが多いという。日々のタスクに追われるままで、自ら何かを生み出すことが少ないことがその一因だと言われている。可愛そうなことだが、そもそも大人たちもなにかに追われ続ける生活をしているから、子どもがその様になってしまうのも無理はない。そんな生活を送っていたら、あっという間に大人になってしまい、その大人たちが同じような子どもたちを作り出してしまう。そんな悪循環に陥っているように思えてならない。
 
まだ、大丈夫だ。今からでも遅くない。自らに制約を課して、人生を取り戻そう。
現在、23時50分。今回もギリギリセーフ。少しだけ自信を取り戻した。
 
 
 
 
***
 
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2023-04-06 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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