昆虫食が地球を救う!?
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記事:戸田そのこ(ライティング・ゼミ2月コース)
最近ちまたの話題を席捲している昆虫食。日経トレンディが選んだ「2021年ヒット予測ランキング」にも「コオロギフード」がランクインしているし、無印良品でも2020年に「コオロギせんべい」、2021年に「コオロギチョコ」を販売するなど、今や昆虫食は今後の食糧危機をふまえた究極のタンパク源、サステナブルフードとして見逃せない食材になりつつある。けれどその一方で、ひろゆき氏が自身のTwitterアカウントで昆虫食の批判をしたり、欧州諸国が昆虫由来のタンパク質を含む食品に規制を設ける、など否定派が一定数存在することも事実だ。
昆虫はある一定以上の年齢層にとっては夏休みに採集するものであり、食するものではないと考えられている(んじゃないかなあ)。興味はあるが、自分で買って調理してまで食べる人は多くはないだろう。私は実は数年前に昆虫食のイベントに参加したことがある。昆虫が食べてみたかったというよりも、友人に食べたことをネタとして披露したくて自らの身を投じたというのが本当のところ。
昆虫食イベントの主催者は20代の講師Sさん。Sさんと昆虫食との出会いは4歳の頃。公園の桜の木に住む毛虫を食べ、「桜餅の味」と感じたのだという。この話を聴いて正直ドン引きした。毛がもしゃもしゃ生えている毛虫はシッシッと追い払ったことはあれど、口に入れようと思ったことは一度もないからだ。そういえば、タレントの香取慎吾氏が道端を歩いている蟻を食べて「レモンの味」と話していたことを思い出した。
Sさんが昆虫食を世に広めようと思ったきっかけは、2013年に発表された国連食糧農業機関(FAO)の昆虫食を推奨する報告書だった。報告書には、昆虫食のメリットとして、栄養価が高いこと、飼育しやすいこと、誰でも入手可能なことが書かれていたという。
けれど、Sさんは栄養価が高いから昆虫食を広めたかったわけではない。原始人が生き抜くために肉を食べ始めたように、「おいしい」タンパク質の選択肢を広げてほしいからこの機会を催したのだそう。
イベントで用意された昆虫は3種類。昆虫食へのハードルを低くするために食べやすいメニューにしたそうだ。
食材として調理前にお披露目された、うねうねと動く芋虫(ミールワーム)やワシャワシャと小刻みに手足を動かす生きたコオロギやバッタは観察の対象としては見れるが、まさかこの後、自分の口に入るとは正直想像しづらかった。
メニューは以下の4品。
・コオロギとミールワームの素揚げ
・コオロギとミールワームの素揚げwithクリームチーズon theクラッカー
・コオロギの佃煮入りおにぎり
・トノサマバッタのパンナコッタ
1つずつ紹介していきたい。
まずは「コオロギとミールワームの素揚げ」。生きたコオロギとミールワームがむんずとつかまれ、煮えたぎる天ぷら油の中に投入される。あっという間に素揚げは完了。味付けは塩のみ。
形状は生きた時と同じ。生が死に変わっただけである。口の中で歯に挟まるかと思われたコオロギの手足は川海老の唐揚げのように口の中ではシャリシャリと美味しい食感。ミールワームは口の中で薄皮がはじけて、体液が口の中でほとばしる。一般的な食材で一番近いものだと白子か。ナッツのような香ばしさもあり、ピーナツバターのような味わい。臭みもクセも全くない。いくらでも食べられそう。酒のつまみにも合いそうだった。
続いて、「コオロギとミールワームの素揚げwithクリームチーズon theクラッカー」丸いクラッカーの上にトマトのみじん切りとクリームチーズと共に盛り付けられたコオロギとミールワームは彩りも美しく、インスタに掲載されていたら確実にイイねをつけてしまうと思われるほどおしゃれなフードに変身。サルサソースとアボカドソースが添えられていることもあり、全く抵抗感はなく、美味しいカナッペであった。
3品目の「コオロギの佃煮入りおにぎり」はしっかり頭、胴体、足とはっきりわかる形状でおにぎりの中にコオロギがインしており、ビジュアル的にはかなり「これ、食べるの? 大丈夫かな」 状態だったが、イナゴの佃煮のように甘辛く煮付けられており、口に入れてしまえば抵抗なく美味しくいただけた。
最後のデザートはトノサマバッタが粉末状になって混ぜ込まれていた「トノサマバッタのパンナコッタ」。バニラビーンズと思われた粒々はトノサマバッタとの種明かし。見た目は全く昆虫食とは思えなかった。洋菓子店に並んでいても遜色はなかっただろう。味はほんのり抹茶に近い風味。洋菓子なのに和菓子を食べているような気分になった。
4品をいただいた食後の感想は、私含め昆虫食初体験のイベント参加者全員が「美味しかった」 であった。食べる前は正直、ゲテモノ食い感が否めなく、食後も口直しが必要だよね、になると考えていたが、全くそうではなかった。むしろ新たな食材の可能性を感じることができた。
日本人は昔からイナゴの佃煮を食べる習慣があるにも関わらず、昆虫食に関してはおよび腰なのはなぜだろう。「気持ち悪い、雑菌だらけ」という食わず嫌いの偏見で昆虫食を一刀両断する前に、今後の食糧危機を踏まえて政府が先導して、すべての人が自分の意志で食べる・食べないを判断できる公平な機会を提供する必要があるのではないだろうか。
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