メディアグランプリ

業者の言うことを鵜呑みにして保育園のみなさんに顔向けできなくなりそうになった話


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:樋口鈴恵(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
新年度、無事年中にあがった我が子。
母は保護者会の役員になった。
最初のお仕事は、給食室の浄水器のカートリッジの購入。保護者会からの寄付ということで毎年購入しているらしい。
近くのお店に行っていたそうだ。しかし、近くといってもわざわざ行かなければならない場所。車を運転しない、自転車移動の私にはちと遠い。
ネットで探してみるとお安く購入できるところを見つけたのでポチリと注文した。
 
やってきたカートリッジに同封されていたチラシ。
「開封前に必ずご確認ください」
 
なんだなんだ?
 
「新品の高性能浄水器を激安にて購入出来る最後の大チャンス!」「最高にお得な交換制度」「極限まで広告費を削減する事で驚愕の販売価格を実現」
 
お得なことに弱い私にとって魅力的な言葉が踊る。むくむくと興味がわく。
 
「内部洗浄などされてますか?」「5年以上経過している場合、ホースの交換や掃除は絶対した方がいい」「さすがに7年間同じホースは辞めた方がいい」「本体の交換を検討された方がいい」
 
今度はこちらをソワソワさせてきた。出かけてから窓の鍵を閉めたか気になり始める、あの不安感。
確かに、我が家の浄水器も5年以上はメンテナンス時。そこからさらに数年経つと浄水器本体の交換時期である。言っていることはおかしくない。
 
うまく踊らされているという自覚はある。
でも、お安く新しい浄水器が買えるなら良いよね。ちょうど前回の購入から7年ほど経っている。買い替えた方が良いという気がどんどんしてくる。
動物占いではチーターの私。思ったらすぐ行動。前にしか進めない。
 
他の役員や給食さんに聞いてみて、本体ごと買い換えよう! ということになった。
(反対する人がいなかった、という方が正しいかもしれない)
さあ注文、という段階で、冷静な私の声がようやく届く。
 
さすがに交換対象の機種を調べないまま買うのはまずくない?
 
本当はもっと前から聞こえていたが、そのまま右から左に聞き流していた。
そうね、言われるままなのは賢い消費者とは言えないよね、うんうん。
 
……あれ? これは、性能が一段階低いモデルだね……。
 
あぶないあぶない。ありがとう冷静な私。じゃあどれなら良いの?
現在給食室で使っている浄水器の後継機種もこのお店には売っている。でも生産終了品。
掛け合えばこれを買えるかもしれないけど、今から買って交換用カートリッジがなくなるってことはないのかしら……。というかこのチラシやっぱり……。
もやもやとした気持ちが広がっていく。
こんな時はメーカーに聞いてみよう。
 
電話対応してくれたメーカーの方。
「担当の樋口です」
私もです、と言いかけたけど黙っておいた。
 
こちらの機種の交換用カートリッジはいつ頃まで作られる予定ですか?
現在使っている機種と業者のチラシに載っていた性能が低い機種、それと業者が売っている後継機種の3つについて尋ねる。
 
「なるほど、いつまでお使いになれるか、ご心配ということですね。はっきり申し上げると生産停止の予定はございません。というか、これらの商品ありがたいことに、大変売れた製品でして、なかなか作るのをやめられない、という実情です」
 
なるほどなるほど。
 
「ただ、この商品は一番古いため、このなかでは一番早く生産を停止する可能性が高いです」
 
どの機種かお分かりだろうか?
 
そう、業者のチラシに載っていたモデルである。完全にアウトである。
 
私と同じ苗字の担当者さんは、他の疑問にもスラスラと答えてくれる。
ホースは6、7年で換えるのがベターだが、換えなくても問題があるかというとそうではない。その場合、内部の水垢が浮遊物として出てくることがある。本体は樹脂でできているため10年くらいすると劣化してくる。
電話が終わる頃には懇切丁寧な回答によって、すっかりメーカーのファンになっていた。
我が家はすでに別の浄水器を使用しているが、もし変えることがあったなら、こちらのメーカーにしようと思うのであった。
 
さて、問い合わせの結果、本体交換は10年、ホースの掃除や交換はするに越したことはないが、まあしなくても問題はなし、という結論を導き出した。
よかったー! ちゃんと確認してよかったー!!
他の役員や給食さんに訂正のお知らせをする。
ついでに夫にも話をする。
「水回りは悪質業者が多いっていうからね」
 
マグネット型広告を使っている業者は悪徳である可能性があるから連絡しないこと。
 
以前社宅に住んでいた際、会社からされた注意。
あったあった、その話。すっかり忘れていた。
マンションに住む今は管理会社に連絡すれば良いけど、一軒家の人はどこに連絡すれば良いのだろう?
疑問に思って調べてみると、水道局指定店であること、複数の業者から見積もりを取ることなどが大事らしい。
困った時にどこに連絡するか考えておくべきってことね。備えあれば憂いなし。
住宅リフォームでも悪質業者の存在を聞くし、住居周りは油断ならない世界なのだろうか。
 
焦って冷静な判断ができなかったり、視野が狭くなったりするといけない、と当たり前の教訓を得たのであった。
今後も同じようなことは何度も起こるのだろう。冷静な私の声を聞き逃さないようにしないと。よろしく私。
 
 
 
 
***
 
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2023-04-19 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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