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テンション上げる、練り香水のススメ


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記事:小松 鈴 (ライティングゼミ2月コース)
 
 
最近「練り香水」の魅力にドハマリして、コレクションしている。
たまたまAmazonでお買い物をしたとき、なぜかおすすめ商品として「練り香水」がヒットした。香水など検索したこともないのに、これが「運命の分かれ道」というやつだったのだろうか。
本来、私は香水の匂いが苦手だ。香水はどれだけ甘めテイストの香りでも、直線的で鋭い香りがする。アルコールが使われているからなのだろうか。私は電車に乗らないが、ギュウギュウの満員電車でキッツイ香水の香りは周囲にさぞや迷惑だろうなあ、と想像できる。本人は鼻が慣れてしまっているので、気づかないことが多いのだろう。車用の芳香剤で酔ったことも数しれず。強い香りの香水や香りのきつい柔軟剤を使用している人とすれ違うと、うわ、と思ってしまう。最近は「香害」という言葉が生まれているので、やはり私と同じような考えの人が多いということだろう。
練り香水を調べてみると、普通の香水よりも持続時間は短いものの(1〜2時間)、アルコール未使用のため強い香りがしない。例えるなら香り付きのハンドクリームのようなつけ心地だそうだ。保湿クリームとしても使えるとのことなので、お試しに、と桜の練り香水を購入したのが運の尽き。すっかり練り香水にハマり、毎朝と就寝前の「香水選び」を楽しみにしている。
 
練り香水は「ふんわり」という言葉がぴったりな、すれ違った瞬間に、「あれ、匂った?」というくらい薄い香りが特徴だ。私の家族は嗅覚がないので、どれくらい香っているのか他者の判別が難しいが、香りに敏感な猫たちもそこまで距離を置かないところを見ると、許容できる範囲の香りなのだろう。好みの問題なので人によって好き嫌いはあるだろうけれど、今まで購入した練り香水は、すべて私の好きな甘め系の香りで、耳の裏あたりにつけて香りを楽しんだり、別の練り香水の蓋を開けて匂いを嗅いだりするだけでテンションが上がる。
 
そう、この「テンションが上がる」というのが、私の「練り香水コレクション」にピタリとハマった。人間誰だって、「今日はなんだかテンションが上がらないな」「やらなくちゃいけないことはあるのに、しんどい」という日があると思う。テンションを上げる方法も、人によって様々だろう。コーヒーを飲んで気分転換をする人もいれば、軽いストレッチで息抜きをする人、スマホの写真フォルダに収めているペットや子どもの写真で元気になる人もいるだろう。私の場合は、練り香水でテンションが上がるようになった。
女性は嗅覚が敏感な生きものらしい。これは太古に食事をする際「腐っていないか、まだ食べられるか」を判別していた名残だそうだ。そういえば女性が香水を付ける理由は、誰かのためというより、「自分の楽しみのため」につけている人が多い。
 
プロの運動選手はテンションを上げるため、様々な方法で自分を高めていると聞いたことがある。ある選手はお気に入りの音楽を聞いて気分を高揚させたり、イメージトレーニングをして大成功している自分を想像したりしている選手もいる。やはり一流と呼ばれる人も、自分で自分を高める方法を模索し、試合前にテンションを上げて集中力を高めているのだろう。
私の場合、以前はテンションの上げ方というものが分からなかった。双極性障害とパニック障害を抱えているので、気圧と天気にめちゃくちゃ弱い。ちょっとのことで体力0になることも日常だし、少し遠出すれば疲れ切って、帰宅した瞬間に玄関でへたり込むこともあった。運動どころか散歩をする気にもなれないし、気分が落ち込んでいても、どうすれば良いのか分からない。かろうじて薬を飲むことはできるが、効果が出るとき、出ないときがある。不安とイライラが頂点に達して、家族に八つ当たりをしてしまい、後悔して泣くこともあった。
そんな私の不安定な気持ちを和らげるため、練り香水が私の「テンション管理役員」に就任した。比較的元気なときは実際に体につけるけれど、蓋を開けて香りを嗅ぐだけでも少し落ち着く。一日ベッドから起き上がれない日は、枕に練り香水を少量つけて寝ていると、かすかな香りでも不安感が落ち着くようなので、パニック発作も起こりにくくなった。
調べてみると、パニック障害の患者は嗅覚の検知、認知が低いらしい。私の場合は特に問題なく、香りを楽しむことでテンションの上げ方がようやく分かるようになった。やっぱりAmazonの「おすすめ」は運命だったのだ。お金は羽のように飛んでいくが(現在進行形)、その分精神の安定が図れるので、安すぎると思っている。
 
練り香水はひとつ1000円から、高くても2000円くらいで販売している(もっと高いものもあるが)。そのくらいなら、学生でもお小遣いで買える金額ではないだろうか。仕事や学校で練り香水を付けられない人も、ハンカチに少しだけつけると香りが移るので、ちょっとイライラしたとき、自分の好きな香りを嗅いでみてほしい。荒れ狂った気持ちが落ち着くはずだ。香水嫌いでも、練り香水なら大丈夫、という人も多いと思う。香りの量を調節することができるので、周囲に迷惑がかからない。別に私はアフィリエイトをしている訳ではないので、これが一番良い! などといったおすすめはないが、練り香水を購入する場合は、一度店舗で香りを嗅いでから購入することをおすすめする。
私の居住区は香水を扱っている店舗がないため、ネットサイトのレビューと星の数で判断している。ある意味チャレンジャーだと思うが、これもまた運命と言い聞かせ、ドキドキしながら到着を待つ。商品が到着して蓋を開ける瞬間が、一番テンションが上がるときだ。
 
現代を生きる日本人は大人も子どもも疲れ切っている。人間関係、近所付き合い、仕事上のトラブル、学校で友人とケンカ……。そんなとき「香り」は人を落ち着ける作用がある。
少しでも興味がある方は、まず気になった1個を購入してほしい。きっと練り香水の世界にハマるはずだ。沼に落ちると練り香水の魅力に虜になる人も多いだろう。「仲間」がたくさん増えるのを期待しつつ、筆を置く。
 
 
 
 
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2023-04-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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