メディアグランプリ

入園2ヶ月で不登園になった我が子が転園する話


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記事:樋口鈴恵(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
5月。ゴールデンウィークも終わった。この時期と言えば? そう! 5月病だよね!
我が家の子供が幼稚園に行きたがらなくなったのも去年のこの頃だったよ。結論から言うと、12月に公立幼稚園から認可外保育施設に転園したの。
今日はそんなお話をしていくね。
 
まずは我が子が未就園児の頃、どんな子だったかを話すね。
一言で言うと、自由人。市の健診では、他の多数の子が座って待っている間、ふらふらと保健センターの中を探検する。母子参加の講演では、他の親子や先生にちょっかいを出しに行く。
別に悩んではいなかったよ。むしろ、他の子たちに対して、子供のうちからそんな飼い慣らされた羊の群れのようでいいの? なんで大人しく従順に座ってるの? と不思議だったくらい。
他の点でも、特に発達の遅れもなかったし、よく喋るし、心配はなかった。(体力はなかったけど。)公園で他のお友達が遊んでいると嫌がるものの、しばらくしたら一緒に遊んでいたし。ただまあ、日本の公教育には合わないんじゃないかな、とは思ってた。
私自身ニュースを見聞きして、日本の教育制度に不信感もあった。だから幼稚園は迷ったけど、特にここ! というところもなく、通園バスに長々と乗るのも嫌がりそうだし、私は車の運転をしないし、一番近いところも自由な雰囲気があるし、と結局は最寄りの公立幼稚園に入園。
最初は楽しそうに行ってたの。体力がない子だったから、なかなか週5は行けなかったけど、行く! 行きたい! と進んで通っていた。GWが明けて初めて5日連続で行けた、と思った矢先、満足したのか行きたいという熱意がなくなった。
お昼寝がやだ、あの子がやだ、と不満が出るようになった。もちろんそれらは本当に嫌なことではあったのだろうけど、きっとそれ以上に幼稚園が魅力的でないのだろうなと思った。
絶対に今日は行かないと泣いて休む日が増えた。時間が解決してくれるかなと思っていたけど、夏休みが明けても状況は変わらなかった。
私も夫もそんなに行きたくないなら行かなくてもいいと考えていたので休ませてはいた。でもできるなら行ってほしかった。家で過ごしていてもテレビを見ることが多かったし、私もつきっきりで遊ぶのはつらかった。
 
その頃の私は自分の人生について考えていて、どうやって生きたらいいのか、どのように生きたいのかを模索して、講座を受けたり色々と調べたりしていた。そのなかでわかったのは、とにかく「環境」が大事だってこと。自分の理想の環境に身を置く。今の環境が違うなら移る。
その教えが身についた私は、当然我が子にも同じことを考えた。
今の幼稚園はこの子に合う「環境」ではない。どこかにこの子に合う「環境」があるはず。そこに移るべきだ。そう考えてはいたものの、その「環境」がどこにあるのかさっぱりわからなかった。
近場の幼稚園では同じことになるだろうし、専業主婦だから保育園には通えないし……。
ひとまず自主保育グループに連絡してみた。
自主保育ってわかるかな? 保護者主導の保育で外遊びがメイン。みんなでみんなの子供を見守るの。我が家の地域では、月水金の10時から16時まで活動しているグループがあった。
1日体験した結果、めちゃくちゃ良かった。基本的に親は見ないふり。子供たちの自由にさせる。本当にダメなときは止めに入る。その基準も明確に決まっていた。私の教育方針と合っていたし、本人も楽しそうに遊んでいたから、ここにする? と思ったら、我が子NGがはいった。もう行かないと。
私としても、車を運転しないから毎回変わる活動場所への移動手段と、朝から晩(とまではいかないけど結局17時くらいまで遊んでいた)まで週3の拘束時間がネックだった。
ちょうど幼稚園では嫌いなお昼寝タイムがなくなって喜んでいたので、また状況が変わるかも? とひとまず様子見に。
結果、もっとひどくなった。体力のない我が子が寝ないまでもゴロゴロすることで、体力気力を回復させていた貴重な時間だったのだと判明。お友達を噛む頻度が増え、お迎えに行くと手をつけられないほど泣くこともあった。
限界だった。子供も私も。早急に幼稚園を移らないといけない。でも、どうする?
ある日「インクルーシブ保育」というキーワードが飛び込んできた。障害のあるなしに関わらず分け隔てなく行われる保育。実施する園があった。少し通うには遠いものの、通える。いける。11月の下旬に体験入園して、12月には保育園児になっていた。
計画ではキリよく1月からの転園。ところが我が子の決断は早かった。私たち夫婦は、まじ? そうなの? 発表会は? そうか、そうなんだ、と急なことに驚きながら手続きをした。ほんの数日残る登園日は、風邪気味を理由に断固として行かなかった。
この機会に注文した電動自転車は半導体不足で到着が遅れ、12月中は片道50分かけてベビーカーを押して登園した。でも全然大変じゃなかった。他のお母さんたちへの鉄板ネタになったし。武勇伝武勇伝。
 
幼稚園の同じクラスに、毎朝嫌がって、職員室登園をしている子がいた。それを否定するわけじゃないの。毎日お母さんはすごいなあと尊敬していた。だって私には到底無理だもん。もう勝手にしな! とキレてしまう。そんな嫌な思いをお互いしてまで通う必要性も見出せなかった。
それぞれ事情はあるし、どういう生き方を選ぶのかは自分次第だし、何を大事にするかも、みんな違う。
ただ、偶然の環境が合わなかっただけなのに、そこに無理に自分を押し込める必要はないと私は思う。だってやっぱり人生楽しい方が良い。私たちはからくり人形ではない。自分で自分の好きな環境を探せる。そこに移ることができる。必要なのは情報と行動。
年中になった我が子は、GW最終日に「明日から地獄だー」と冗談混じりに言った。まだまだ最高に楽しい環境ではないんだよね。でも、今のところ、これ以上の策は見つかっていないし、毎日通ってくれているので、卒園まで通うことになると思う。何より私も夫も今の園が気に入っている。保育園に行きたくないと言う我が子も、穏やかになった。転園の選択は正しかったと自信をもって言える。
今後も、自分たちの環境をより良いものとするため、できる限りのことはしていく。そう、次なる大問題、小学校について目下検討中の我が家なのです。
 
 
 
 
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2023-05-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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