メディアグランプリ

対決!ChatGPT VS. 東寺マニア


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:服池板(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
それは、東寺について記事を書こうと思った時のことだった。そもそもなぜ、私が東寺を書こうと思ったか? それは、巨人軍のホームグラウンドが東京ドームであるように、私のホームテンプル(よく行くお寺)が東寺だから。せっかくなので、記事を書く前に、米国司法試験の模擬試験で上位10%に入る成績を持つというChatGPT(有料版)が、どの程度東寺の事を知っているのか聞いてみた。
 
いくら相手が最先端のAIといえども、地元京都に住む私は、東寺について、ChatGPTには負けない自信がある。なぜならば、東寺を訪れること数百回、その度に、心ひかれるものを撮影し、お大師さんに手を合わせ、その景色を、その空気を楽しんできたからだ。自分の知識的水準を正直に言えば、京都検定3級ホルダー。はっきり言って自慢はできない。マニアを語るには1級が欲しい。しかし私は、書物やネットからの情報だけでなく、東寺にある建物はもちろんのこと、よく現れるアオサギのこと、マガモ親子のほほえましい生活、ギンナンがたくさん採れる場所、一推しの石畳、是非使って欲しいお手洗いなど、東寺に何度も行かないとわからないこと、つまりマニアックなことを知っている。だから東寺マニアなのだ。ChatGPTのように、一度も東寺に来たことがないヤツに負ける訳にはいかない。
 
早速、入力すると、わりと速く回答が出て来た。どんな説明をしてくるのか、楽しみに読んでみた。すると、驚いた。その回答をスラスラと読めないのである。その回答は、まるで入試問題のようで、間違い探しをさせる文章になっていた。ChatGPTを試したはずの自分が、逆にChatGPTに試されている。
 
回答には、正しい文言、明らかにウソとわかる文言がある。しかし、全く予想をしない文言がでてきたりする。全く知らない文言を説明された時、それが本当に東寺にあるのか無いのか、わからない。今までの揺るぎない自信が、簡単に揺らいでしまった。自称東寺マニア、ピンチ。
 
回答を読み解く時間は、正誤を見極める格闘の時間となってしまった。正面からパンチが来ると思っていたら、いきなり背中をキックされた感じ。これは違うでしょ。と思う文言であっても、堂々と言われると、そうだっけ? と考え込まざるを得ない。現場の記憶をたどる。それは無かったはず、絶対に無い。自分を信じるんだ!
 
①例えばこんな文言。
『大仏殿は、東寺で最も重要な建物の一つとされています』
東寺で大仏というなら薬師如来。薬師如来が鎮座するのは金堂。東寺の中心をなすのは講堂。そこで一番大きいのが大日如来。やっぱり大仏殿は無い。
 
②例えばこんな文言。
『阿弥陀堂は、東寺内の重要文化財で、阿弥陀如来を本尊として祀っています』
東寺に阿弥陀堂はないはず。小さい阿弥陀堂があっただろうか?少なくとも重要文化財クラスの阿弥陀堂は、東寺には無い。
 
③例えばこんな文言。
『東寺にある経塚は、石造りの塔で、重要文化財に指定されています』
東寺に、石造りの経塚は無い。
 
ここで、ふと気がついた。もしかして、ChatGPTは、「東寺」を何かの略称と考えているのではないだろうか?例えば、大仏殿のあるお寺といえば、奈良の大仏さんで有名な東大寺。東大寺、略して東寺。
 
阿弥陀堂で有名なお寺といえば、京都駅近くに存在する。東本願寺だ。東本願寺、略して東寺。
 
経塚を調べたら、茨城県土浦市に東城寺があり、その経塚から銅鋳製の経筒が発見されたとある。東城寺、略して東寺。
 
おいおいおい、東寺の事を聞かれて、東大寺と東本願寺と東城寺、その他も略して東寺の情報を全部入れてしまっている。これは、サービス精神が豊富なのかアホなのか?
 
ちょっと笑ってしまった。
 
これは蛇足どころでなく、蛇百足(ムカデ)状態になっている。知りすぎたがための過ちか。東大寺≠東寺だし、東本願寺≠東寺だし、東城寺≠東寺である。
 
まだ、このレベルをクリアできていないのだ。思わずニタっとしてしまった。なんとか、東寺マニアの面目を保ったような気がする。一般に噂されているように、歴史系のことは、ChatGPTに聞かない方が良い。かえって確認作業をするのによけいな時間が掛かる。
 
あまり本を売らない本屋の店主が言っていたが、ChatGPTは300年分くらいの文献を読んでいるらしい。かたや東寺は1200年を超える歴史を持つ。その宝物の一部である文献については、まだ調査が済んでいないものもある。そう考えると、日本の歴史の奥深さを感じざるを得ない。米国建国は1776年。現在のところ250年くらいの歴史だから、ChatGPTは、米国建国以来公開されている文献を一通り読んだことになる。
 
ChatGPTは、日本や中国の文献をあまり読んでいないと聞く。これから楽しみだ。ひとりの人間では限界があるが、ChatGPTなら、いずれすべてを読破し、スーパー池上彰先生が誕生し、親切に教えてくれるだろう。しかし、ChatGPTが中国4000年分の歴史を読み終えた時、私たち人類は、そのウソを見破ることができるのだろうか? 笑顔のスーパー池上彰先生にそれは違うと言えるのであろうか?
 
余談だが、ひょんなことから、意外な発見をした。ChatGPTと東寺の類似点を見つけてしまった。それは何か? その答えは、アイキャッチを見て頂きたい。トレードマークをみると、ChatGPTの進化系が東寺のように見える。このトレードマークが、知識を越えた、人の心を支えてきた東寺のポテンシャルを物語っているように感じる。
 
 
 
 
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2023-05-10 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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