メディアグランプリ

友人の受賞 ―喜びあり、嫉妬あり。そして夢あり-


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:平井理心(ライティング実践教室)
 
 
「最終選考に残ったんだって!」
目の前の友人の喜々とした顔。私は、半分嬉しくて、半分嫉妬した。人間って複雑。
 
副業ライターを目指す私たちは、就業前の小一時間、週1回のペースでカフェに集まり「ライティング・クラブ」というものを運営している。といっても、2人きりだが。2人とも天狼院書店の「ライティング・ゼミ」や「ライティング実践教室」等を受講しているので、そこで学んだ内容をシェアしたり、課題となる2000字の記事を見せ合ったり。最初は、そんな感じで顔を合わせ、おしゃべりをしていた。
 
そのうち、「どうせ書くなら、稼ぎたいね~」と、欲がでる。そこで、エッセイのコンテストに応募してみた。いろんなコンテストに応募したが、撃沈。でも、楽しんで書いていた。書いて、お互いに読み合って、何度か推敲して、応募。「賞金がもらえますように」と手を合わす。そして、次のコンテストに応募する。これを繰り返していると、以前、応募したものは忘却の彼方へいってしまう。そんなときに、友人の携帯電話が鳴ったらしい。
 
「京都からだったのよ。前に、京都のお香屋さん主催の『香』のエッセイコンテストに応募したよね。……思い出した? 私も応募したの、忘れてて。どこからかな? って思いながら、電話とったら『最終選考に残りました』って。すごくない?」
友人の満面の笑みが、その喜びの大きさを表していた。私も、一緒に嬉しくなった。でも、100%喜ぶことができない。なぜなら、「私も、それ応募したけど、私には連絡なかったなぁ」という言葉は飲み込んだから。
 
後で、携帯電話の履歴やメールの受信歴をさかのぼったが、私には届いていなかった。良い作品だと思ったのになぁ~と、大きく肩を落とした。一応、応募した原稿の控えを読み返してみた。……唖然とした。半年前に書いた私のエッセイは、散々たるものだった。「珈琲の香りから思い出したのは、プロポーズまがいなことをされたけど、うまく答えられず未だ独り身の私」といった内容。暗いし、私の経験をつづっただけだし、リーダビリティー弱い、コンテンツ弱い。と、今ならわかる。この半年間、ライティング実践教室で毎週2000字の記事を書き、丁寧なフィードバックをいただき、他の受講生の記事も読ませていただいた。その経験が、過去の自分のエッセイと客観的に向かい合わせてくれる。
「まだまだだなぁ」と、思いながら、「今ならもっといいのが書けるなぁ」という妙な自信も沸いた。
 
そこで、友人の作品を思い出してみた。友人は、子どもの頃に金木犀の木に潜り、頭から金木犀の香りを浴びた思い出を書いていた。どことなく、自分の子ども時代にも重なることがあった。その金木犀の色があざやかに目に浮かび、金木犀の香りが漂ってくるような文章であった。読み終えて、心がほわっとしたことを思い出した。このことは、友人に対する私の嫉妬をきれいに拭い去ってくれた。やっぱり、読み手の共感を引き出してくれるのは、良い文章なんだなぁ。読後感も良かったな。素直に、友人の作品のすばらしさを感じられた。
 
それ以降も、友人とは毎週顔を合わせ、ライティングについて、また、自分たちが書いた文章の発信方法について情報共有している。といえば、真面目っぽく聞こえるが、傍から見れば、女ふたりが朝からきゃっきゃとおしゃべりしているだけに映るだろう。
 
「レターパックは、喜びを運んでくるのよ」
ある朝、友人が唐突に言った。
「昨日、レターパックが届いてたの。あの最終選考結果が届いたの!」
「えっ、どうだった?」
「金賞!!」
「すごーい! おめでとう!! 賞金は?」
「30万!!」
この日は、2人で大いに盛り上がったのだった。
 
昨日から、友人は表彰式のために京都へ行った。LINEには、京都仏閣の写真がおくられてくる。授賞式の前に、京都観光を楽しんでいるようだ。その写真をみながら、私も良い文章を書こう! という気持ちがもくもくと湧いてくる。子どものころから文章を書くのは好きだった。大人になって、仕事で時間がなくても、こうやって文章を書くことはやめられない。誰か有名な作家さんが「書くことは悦びだ」と言っていたような気がする。そして「読む者の人生を豊かにし、同時に書くものの人生も豊かにする」とも。私も、いつかそんな文章が書きたい。人も自分も幸せになるような文章が、書きたい。
 
そんな夢を再認識した私に1通のメールが届いた。
「〇〇コンクールについて」
前述のコンテストより数か月後に応募したものだった。
「最終審査の結果、平井理心さまの作品が入賞しました。おめでとうございます!」
やったーーー!!
 
 
 
 
***
 
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2023-05-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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