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ティール組織が難しい理由をドラクエで考えてみた


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記事:Maki (ライティングゼミ4月コース)
 
 
それってドラクエだよね。
 
ティール組織実現の難しさについて議論中、そんなことがふと頭の中によぎった。ティール組織は2014年にフレデリック・ラルーによって提唱された組織論の一つで、簡単に言うと上司の指示がなくてもメンバー1人1人が主体性をもって意思決定をし、目標実現に向かってひとつの生命体として進むことができる、そんな組織の在り方だとされている。
 
これだけを見るとメンバーが自走して目標達成してくれる理想的な組織のように見えるかもしれない。しかし実は落とし穴がある。個人が主体性を持ちながらチームとして機能するには当然「個」にそれなりの成熟が求められる。
 
だからこそ、意図をキチンと持って誰をどのタイミングでどのように育て、メンバーごとの成熟度に合わせた役割を与えつつ、レベル上げを促すための関わりも持ち続ける。そんな丁寧なプロセスを踏まえてようやく目標である魔王退治に向かえる。そんなドラクエを彷彿とさせたのだ。
 
ちなみに、そういえばドラクエには組織論や人材育成論の要素がふんだんに詰まっているな。とググってみたら、同じようなことを考える人はいるもので、沢渡あまねさんという方が書かれた「ドラクエが教えてくれたチームマネジメント」なる本があった。
 
正直なところこの本を読んだことがないので、もしかすると重複する箇所もあるかもしれないが、私が実際にティールっぽい「自走するチーム作り」に取り組んでいる上でドラクエだわ。と感じたことについて忘備録の意味も込めて書いてみようと思う。
 
ドラクエことドラゴンクエストは、家庭用ゲーム機の先駆けである任天堂のファミリーコンピューターで登場以来、プラットフォームの進化に屈することなく不動の人気を保ち続けている国民的ゲームと言っても過言でないから、多くの人が名前だけは聞いたことがあると想像する。
 
ザックリ説明すると、選ばれし勇者が仲間と一緒に冒険をしながら、世界を滅ぼそうと企む魔王退治に向かうのだが、その道中、モンスター退治、宝物探し、特別ミッション、サブイベントなど、たくさんの挑戦と試練が立ちはだかる。魔王退治に向けてそれらの試練を通して経験とスキルを上げていくわけだが、この過程がティール組織実現のハウツーに通じるものがある。
 
目標=魔王を退治して世界に平和を取り戻す
現状=主人公は勇者に選ばれ王様から魔王退治の業務命令が下るが、自分の村を出たことすらない
戦略=仲間を募りながら冒険し、戦力をあげながら情報の精度を高め、生産性を向上していく(アジャイル方式)
タスク=モンスター退治、宝物獲得、特別イベント対応
 
基本的に冒険は勇者一人で始まる。そこから魔法使い、僧侶、踊り子、戦士、時にはモンスターなど、さまざまな背景や属性を持つメンバーが仲間になっていく。ちなみに道中、一度に戦える仲間は最大で4人。ステージが上がるにつれて対峙するモンスターの種類や攻撃ポイントが変わってくるから、適材適所で仲間を入れ替えながら進んでいかなくてはいけない。これがなかなかの曲者なのだ。
 
例えば戦士であれば一撃で倒せる相手も、後のステージに向けて特定の魔法を持つ僧侶のレベル上げが必要な場合、戦士を休ませて僧侶をチームに加え戦いに挑む。そうなると残りの3人が僧侶を庇いながら戦うため大変不利だ。しかし僧侶のレベルアップのためには彼に高級防具を着用させ、残りのできるメンバーでできることをやって凌ぐしかない。
 
チームにとって辛い状況ではあるが、件のステージに進めばこの僧侶は大活躍するわけで、そうなると目標達成のための教育と投資として当然の施策である。そんな感じでメンバーごとに特性に合わせて能力と経験を得てもらいながら、冒険のステージ上昇に伴ったチームとしてのクオリティも担保しなければならないため、それなりの時間がかかる。
 
ちなみにこうしたレベルアップはメンバーのためだけではない。主人公である勇者が戦いに破れることもある。その時に残り3人のメンバーでバトルに勝ち残り、勇者蘇生のために教会まで歩を進める。それだけの能力と経験を担保させておかなければチーム全体が崩壊してゲーム終了となってしまう。チームメンバーの底上げを疎かにした結果、マネージャーが離職した途端に業務が立ち行かなくなった。なんてことを経験したり聞いたりしたことはないだろうか。
 
ティール組織は個人が自律していることが前提となっており「個」の成熟なしには成立困難だ。成人発達理論によると発達や成長には段階があり、段階に応じて自己と他者との捉え方が変化すると言う。初期段階では他者の立場でものごとを理解するのが難しいが、後期になると他者を柔軟に受け入れながら自分軸の確保と変容が流動的にできるようになるそうだ。
 
ドラクエではせっかく成長させたメンバーが、休息の地で結婚するから。などと冒険を途中離脱してしまうことがある。そんな時、他者理解が難しい段階にあるメンバーがいると、おそらく「恩知らずなヤツだ」など不満を持ち、アイツも勝手なことをしているのだからと自己利益の追求に走りチームに不協和音をもたらすことになるだろう。
 
主体性の促進や決裁権付与のみでなく、丁寧な人と人とのコミュニケーションなくしては組織としての目標達成は困難だし、冒険途中で迷子になるだろうことは想像に難くない。目標と主体性を持って行動すればうまくいくだろうなんて、そもそも人間はそんなに単純ではないと思う。勇者だって魔王に「世界を半分やるから」と誘われて闇堕ちしたこともあるのだから。
 
 
 
 
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2023-06-21 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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