メディアグランプリ

中国ドラマを見ていたら人生について考えてしまった


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記事:あこ (ライティング実践教室)
 
 
私は約20年前に訪れた韓流ブームに乗った1人だが、最近では中国ドラマの魅力にもとりつかれている。我が家のレコーダーは毎日律儀に、韓国ドラマと中国ドラマを録画し続けている。
 
私が見たいくつかの中国ドラマは、皇帝が国を治めている、いわゆる「歴史もの」だった。今から1,000年以上も前の時代を舞台に描かれたフィクションだ。そこで描かれる皇帝は大抵、権力を振りかざしわがままで、仕える人たちを人間と思わないようなキャラクターで描かれていた。
 
使用人が出したお茶を「ぬるい!」と言って湯呑ごと投げつけたり(もちろんすぐにクビ)、着物の刺繍の柄を「縁起が悪い!」と言って刺繍をした職人をクビしたり(運が悪いと死刑)、「口答えした!」と言って板打ちの刑に処して結局殺してしまったり、やりたい放題なのである。ブラック企業甚だしい。
 
世の中のほとんどの人は、このドラマをあくまでもドラマとして、過去の事実として見るのではないかと思う。しかし私は、今から1,000年以上も前の時代のこととして描かれているこれらを、遠い昔のことだと思えなかったのだ。
 
なんと、現在を生きる我が社の偉い人たちが、その皇帝とタブるのだ。
この前、毎日偉い人の机を拭いている秘書が、電話のコードの向きが違うと怒られていたっけ。
 
もちろん我が社はブラック企業ではないし、お茶がぬるいだけで湯呑を投げつけられることもないし、突然クビを言い渡されることもない。
偉い人からの指示に意見することもできるし、もちろん、意見をしたからといって処刑されたりもしない。
 
しかし私の意見で指示が覆ることは、まずない。
私に一番近い偉い人は、部下が反論すればするほど頑なに自分の意見を通すのである。ドラマの皇帝にもさまざまなキャラがあるが、我が社の皇帝はゾーンに入ってしまうと、部下がどんなに正論を言っても無駄なキャラなのである。
私ごときの意見で前言撤回するのは、彼のプライドが許さないのかもしれない。
 
私が歴史の教科書で学んだ時代と同じようなことが今も繰り広げられていることに、ドラマを見ながら少々げんなりしてしまった。
1,000年経っても人間は大して変わらないんだな、と。
この大発見を自分一人では抱えきれず友人に話してみたところ、意外な返事が返ってきた。
 
「あんたの会社だけじゃないし、今気づくようなことでもない。ずっとそうだったじゃん」
 
確かに。ずっとそうだったような気もする。
時代は変わっても、人の欲(特に権力への欲)は今も昔も変わらないのかもしれない。
 
しかし、変わらない事ばかりではない。
 
中国ドラマを見ていると、侯爵家の人間だの商人の家系だの、正妻だの庶子だのと肩書ばかり気にしている。結婚するのも家のランクを気にして、妥当な相手を親が選び、双方の親が納得すれば結婚成立である。
 
男性は試験に落ちれば、「先祖の名まで汚した」と罵られ、女性は男性と二人で話しているところを見られただけで「名節を汚した。嫁にいけない」と怒られるのである。
 
なんと生きづらい時代だろうかと、こちらは本気で今の時代に生まれてよかったと思うのであった。
今の時代も、女性として風当たりが強いこともあるが、自分が「これでいいんだ」と思っていれば生きていけるのだから、やはりこの中国ドラマの時代よりも生きやすい世の中と言えるだろう。
 
「これでいいんだ」と思えれば、の話だが。
 
今見ている中国ドラマの主役の女性は、側室の娘で幼い頃に母親が病死し、虐げられながら育ったという境遇の持ち主である。普通なら、それなりのランクの相手と結婚させられて、それなりに幸せな人生を送るのだろうが、その女性は逆境に負けず、持ち前の賢さと才能で人生を切り開き、素敵な男性と出会い、幸せに暮らすのである。
 
これを見て、結局は自分次第なのだなと思ったのである。
もちろん、ノリで死刑にしてしまうような皇帝に仕えてしまったら、自分次第でどうにかなることでもないが、「「これでいいんだ」と思える人生を送りたい」と思うことが大事なのかもしれないなと思うのである。
 
人生は一度きり。
私は、今の時代に日本に生まれたこと自体がラッキーだと思っている。
生まれ変わりがあるかどうかはわからないが、人間に生まれることはとっても大変なことで、次また人間に生まれ変われると思ったら大間違いだと、どこかで聞いたことがある。
 
であれば、この幸運を無駄にしてはもったいない。
「これでいいんだ」と思える人生を送ろうではないか。
 
と、休日にハードディスクを空けるために見ていた中国ドラマをきっかけに、人生について考えてしまったのである。
 
 
 
 
***
 
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2023-08-02 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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