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冬におすすめ柳川の旅~熱々の鰻せいろ蒸しとホカホカ川下り編~


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:パナ子(ライティング実践教室)
 
 
私の中の常識というか長年の思い込みを一気に覆したのは、昨年の暮れ近くに夫が放った言葉だった。
「鰻の旬って、いつか知ってる?」
 
そりゃあ我が家の最寄りのスーパーでも夏真っ盛りの土用丑の日付近には、もう何が何でも食べさせる勢いで「鰻祭り!」「鰻祭り!」「鰻祭り!」とのぼりから壁面の装飾から鰻についての真っ赤な広告で染め上げるんですから。
 
夏でしょう。夏一択でしょう。
 
すると夫は隠し切れないドヤ顔を品性の中からチラ見せさせながらこう言った。
「実は、冬なんだ」
 
へ? そうなの? あんだけ騒いどいて??
 
聞けば、冬眠に入る前に脂を蓄える鰻の旬は10月から12月という。
まあこれは厳密な事を言えば「天然」と「養殖」の違いは多少あるというものの、養殖の鰻も、天然の鰻の子供である「シラスウナギ」から育てている事を考慮すると、やはり冬にこそ美味しい鰻にはありつけそうである。
 
善は急げということでそのまま、福岡は柳川市の鰻屋を予約した。水郷・柳川は古くから鰻の名産地として知られているのである。
福岡市内にある我が家から高速を飛ばせば一時間強のドライブ旅だ。
 
全国的に鰻といえば、うな重のイメージが強いが、柳川の名物は何と言っても「鰻のせいろ蒸し」である。
若い時に一度食べたきりだったせいろ蒸し「どんなだったかな」と思いを馳せるうちに車は鰻屋に到着した。
 
予約しといてよかったと思えるほどの車の数。開店と同時の時間帯で予約をしたが敷地内の駐車場はほぼ満車である。
 
座敷に通されてしばらくすると、せいろ蒸しが運ばれてきた。
完全に蓋をされたその中身はまだベールに包まれている。
早速器の蓋を開けると、大袈裟でなくモアモアーッとした濃霧のような濃いめの湯気が立ちのぼる。あぁせいろの木の匂い、癒される。そうそう、これこれ。このせいろの香りが一般的なうな重にはない点なのである。
 
柳川のせいろ蒸しはまず堅めに炊いたご飯にタレをまぶして蒸し、焼いた鰻の蒲焼を錦糸卵と共に飯に乗せて再度蒸しあげて作る。
 
箸で一口分を掬い上げてみる。
すき間と聞けば出てくる勢いでそこからもモアッと湯気がさらに立ちのぼる。これは間違いない熱さだろう。しかし私の空腹がせいろ蒸しを呼んでいる。
 
思い切って一気に口に頬張った。
思った以上に! 熱い!!!!!
 
ハッフ! ハッフ! ハッフ!
口から少しずつ湯気を逃がしてやらないと口の中がてんてこまい状態である。
なんとかほとぼりが冷めるのを待ちながら口の中でハッフしながら転がす。
甘辛く炊いたご飯に香ばしい鰻、ふわっと優しい錦糸玉子の相性は最高だ。
君、そんなにうまかったんか。感動すら覚える味である。
 
甘辛い鰻のご飯を口に放り込みつつ、セットで出てくる塩気のある肝吸いをすする。そうなればもうお口とお腹はエンドレス状態でいくらでもいけるのである。
 
なんと言っても最高なのは、二度に渡って蒸しあげられたせいろ蒸しがそんな簡単に冷めるわけもなく、最後の一口まで熱々なことである。
これを冬に食べずにいつ食べようか。
 
夫のドヤ顔チラリズムは気になったものの、やはり言う事を聞いてよかった。冬の鰻、間違いなしである。満腹のお腹をさすりながら鰻屋を後にした私たちを更なるお楽しみが待っていた。
 
柳川名物「川下り」である。
どんこ舟というモーターも何もついてない超絶シンプルな舟に乗り込んで、城下町ならではの風情漂う柳川の町並みを堪能できるアトラクションだ。
 
冬に観光客が舟に乗って散策だなんて寒いでしょと思った方に朗報である。なんと冬限定で舟にこたつが搭載されるのだ!
 
木枠で囲んだ安全な火鉢が、舟上のテーブル下の数か所に設置される。可愛いパッチワーク風のこたつ布団に足を入れれば想像以上の温かさに思わずうっとり目を瞑りたくなる。
 
冬の冷たく心地よい風が頬を撫でているというのに、体はポカポカ。もうこれは移動型露天風呂と言ってもいいくらいの気持ちよさである。
 
そして、川下りに欠かせないのは船頭さんのお話である。元漁師さんが船頭さんになっているパターンも多いらしく、観光名所の説明に加え、海の雑学やちょっとした唄を披露してくれたりする。
 
ディズニーランドのジャングルクルーズほどの軽快さはないし、ジャングルに生息するデカい生き物が急に出てきて度肝を抜くなんてこともない。しかし、そののんびりとした空気感のなか船頭さんのタメになるうんちくや歴史話、はたまた伸びやかな唄声に耳を傾ければあれよあれよとα波が襲ってきて、もうなんだかちょっと眠くなるではないか。
柳川の川下りはそれほどにリラックスできるのである。
 
「さあ、誰一人欠けることなく、もうすぐ舟場に到着します」
そんな船頭ジョークを聞きながら約一時間の舟旅は幕を閉じた。
 
奇しくも我々が柳川を訪れたのはクリスマスイブの日であった。
世間一般的には飾り付けたツリーを眺めたり、イルミネーションを観に行ったり、はたまたお家でパーティなんて人もたくさんいたであろう。
そんな中我々は、熱々の鰻をハフハフし、温かいこたつ舟でユラユラと揺れる柳の木を眺めていたのである。それはそれでまたおつなものであった。
 
諸説あるが、夏の土用丑の日に鰻を食べる習慣を作ったのは江戸時代を代表する蘭学者の平賀源内とも言われている。一般市民になかなか浸透しない鰻をいかに食べてもらうかのマーケティングとして「バテやすい夏に精のつく鰻を」と推したらそれが当たったというわけである。
 
くー、源内のせいで危うく旬の鰻を見過ごすところであった。危ない危ない。
 
というわけで、福岡にお立ち寄りの際は、是非柳川まで足を延ばしていただきたい。季節はやはり冬がおすすめ! 鰻のせいろ蒸しとこたつ搭載舟での川下りが、貴方を身も心も温めるハートフルな世界へと誘ってくれることだろう。
 
 
 
 
***
 
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2024-01-12 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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