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読書感想文ラプソディ


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Three Corners(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
私は幼少期から活字を追うのが好きな方だ。
 
何事もケチケチだった両親も、読書の教育的価値を認めていたためか、私や姉に積極的に本を与えてくれた。大学時代は、古本屋や図書館を使いまわし、乱読で毎日のように本を読み漁ったものだ。
 
しかし、その陰で高校を卒業するまでの間、かなり悩まされたものがある。
それが「読書感想文」。
 
本を読んで感想を書く。
海外では類をみない、日本独特の文章ジャンルが「読書感想文」。
誰でも、少なくとも、中学生までは「読書感想文」を書いた経験があるのではないだろうか。
 
小学生の頃は、クラス全員ワンパターンで
 
タイトル:ホゲホゲを読んで
 
「ボク(ワタシ)は、ホゲホゲを読んで云々……」
 
ㅤ 
で書き始めていて、今思うと抱腹絶倒モノだ。
 
一般に「読書感想文」書き方については、文体、構成、テーマ、特にこれといった指示はなく
 
「思ったことをそのまま書きなさい」
 
とだけ。
 
それはそうだろう、感想なのだから。同じ本を読んだとしても、どう感じるかは人それぞれだ。
そのはず……
 
しかし、実際には
 
「感想文とはこうあるべき」
 
という「暗黙のルール」があるので、思ったことをそのまま書いてしまうと、ダメ出しを喰らうことになる。
 
これこそが、私が最後の最後まで「読書感想文」によいイメージをもてなかった最大の原因といっていい。
 
多少ひねくれた考え方をすれば、不条理な社会のしきたりを知るいい機会だったといえるかもしれない。
 
 
欧米の学校教育で実施されているBook Report、いわゆる「書評」はその名の通り、自分が読んだ本を紹介したり、作者の主張に関連して批評したりすることが目的だが、ㅤ日本独自の(=奇妙な)「読書感想文」では、「子どもなら、かく感じるべきなのだというガイドライン」からはずれた「率直な思いや考え」は自由に書けない。
 
まあ、書いてもいいのだけど、結局は書き直しをさせられることになる。それが面倒だから、敢えて「暗黙のルール」に反した内容は書かない。
極論すれば不毛といっても差し支えないだろう。
 
 
一時期真剣に考えたことがあるのだが、子どもに「読書感想文」を書かせる狙いは何なのだろうか。
 
課題図書、すなわち本まで指定し、その上で担任(先生)の意に沿うように、「とても感想とはいえない」感想文を書くことに、一体どれだけの意味があるというのだろう。
 
学生時代、塾講師だった友人が、国語の記述式問題の採点作業で、模範解答と比較して「大体合ってれば〇」「違いがあれば×」をつける場面を見たことがあるが、「読書感想文」を評価する側の視点は、所詮これと同じではないのか。
 
 
私が考える「読書感想文」とは至って単純で、本を読んだ感想を文章として書くこと。そもそも読書というのは読む側が本を選ぶもので、押しつけがましい「読書感想文」を書くための読書など本末転倒だ。それが一貫して「書くのが嫌い」「読むのが嫌い」を拡大再生産してきたのではないのか。
 
 
確かに、仕事をする上で文章力は必ずといってよいほど求められるもの。
学校教育で、強制的にでも「書かせる訓練」は必要だろう。ㅤしかし、だからと言って、それがこんな「読書感想文」というのはどうなんだろう・・・
昭和の時代、「阿Q正伝」の感想文を書かされた身としては切に感じることだ。
 
 
国内で開催されている読書感想文のコンクールの中で最大の「青少年読書感想文全国コンクール」の「開催趣旨」を見ると
 
①読書の習慣化
②豊かな人間性や考える力、自分の考えを正しい日本語で表現する力の養成
 
が「読書感想文」の狙いになっていることがわかる。
 
聞くところによれば、どうやら数年前改訂されたばかりの新しい学習指導要領の影響らしい。国としても今後は欧米流の「自分の考えを表現する力」を重視するようだ。
 
これと関連して、私が少年時代辛酸を舐めさせられてきた「読書感想文」も、今や過去のものになっているということだ。現代の「読書感想文」が読書本来の楽しみを味わえ、今後ますます重要になる自己表現力を鍛える手段になっているのであれば非常に嬉しく思う。
 
 
「阿Q正伝」を筆頭に嫌々、ストレスを感じながらであったとはいえ、駄文でも文章を書けるようになったのは「読書感想文」を書かされたことも影響していることは否定できない。
 
「文章は筋トレ」の一面はあると思う。それは、できれば楽しめる、モチベーションが上がる「筋トレ」でありたいものだ。
 
高校時代「更級日記」も読んだ。
菅原孝標は「源氏物語」を読んでいた娘には「読書感想文を書け」とは一言も言わなかった。だからこそ、彼女はひねもすよもすがら、一心に読みふけることができたのだ。読書の楽しみとはかくあるものだと思う。
 
 
 
 
***
 
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2024-01-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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