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メディアグランプリ

あの日、爆買いが教えてくれたこと


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:水戸 綾香(ライティング・ゼミ12月コース)
 
 
「確かにおしゃれだけど、100円ショップに似たような商品がありそう」
 
「人気なのはわかるんだけど、消耗品にこの値段はな……」
 
普段の私は常にこんなことを考えながら買い物をしている。
だけど、その日はいつもと様子が違っていた。
 
「これ可愛いな」「あれも良いな」「そっちも素敵かもしれない」と、
私は次から次へと欲しいものを手に取っては、レジに進んで会計を済ませる。
 
ジェラピケのルームウェアと、ケイト・スペードの財布。
ALBIONの化粧水に、DECORTEのアイシャドウ。
 
通りすがりの鏡に映る私は、両手いっぱいに紙袋をぶら下げていた。
 
「いやいや、買いすぎでしょ。少しは冷静に必要なものだけ選びなさいよ」
 
いつもの私ならそんなことを考えて思い止まったかもしれないが、
なんだかその日は無性にお金を使いたかった。
 
今月の残りがいくらだとか、予算がどうとか、
そういうものを全部無視して、ぱーっと全部使い切ってしまいたかった。
 
なんでそんなことを思ったかは分からないけれど、
そうして私は美容院帰りにふらりと立ち寄ったショッピングモールで、
人生で初めての「爆買い」というものを経験した。
 
そして買い物でくたくたになりながら帰宅した私は、
自分の部屋に持ち帰られた大量の紙袋と鞄の中に散乱するレシートの山を見て、
「さすがに買いすぎた」「もっと考えれば良かった」と後悔の気持ちを抱えて眠りについた。
 
 
だが、それから数週間が経った頃には意外な結果が待っていた。
不思議とあの日に買ったものの中で、後悔するものはひとつもなかったのだ。
 
あの「爆買い」をした夜には、後悔の気持ちで溢れていたのに
今となっては後悔よりも、むしろ大きな充足感で満たされていた。
 
そこで私は気づいた。一見、衝動的で無計画に見える買い物だったが、
改めて一つ一つ思い返してみると心のどこかで「欲しい」と思ったことのあるものばかり。
 
ジェラピケのルームウェアは、柔らかな肌触りで着心地が良く、ぐっすり眠れるようになった気がするし、ケイト・スペードの財布は、機能性はもちろんのこと、サーカスをモチーフにしたデザインが、財布を使うたびにときめきを与えてくれる。
 
そしてALBIONの化粧水は、評判通りの保湿力で肌トラブルを解決してくれ、
DECORTEのアイシャドウは、なりたい顔に一歩近づけてくれたように感じた。
 
心の片隅でずっと憧れていたお気に入りのものに囲まれて、
こんなに満たされた買い物は初めてだなと感動した私は、ふと母の言葉を思い出した。
 
「お金を使える人になりなさい」
 
ずっと忘れていた、というかよく分からずに放置したままだったのだが、
社会人になって少し経った頃、母は私にこんなことを言った。
 
「貯金もいいけど、節約とケチは違うんだよ。あんたはね、はっきり言ってケチだよ」
 
毎日の収支をしっかりと家計簿にまとめ、コツコツと貯金をする私は、
お金の使い方で褒められることはあっても、怒られるとは夢にも思わなかった。
 
そんな言葉に唖然する私を母は気にも留めず、こう続ける。
 
「確かにね、お金は大事だよ。将来のことを考えたらきちんと貯金をすることも必要。
でもね、お金を使わずに生きていくことはできない。だから、使い方を覚えなさい。
今なら家族という後ろ盾があって、守るものもまだ少ない。
なんでもやり直しができるうちにたくさんのお金を使って、お金を使える人になりなさい」
 
一ヶ月分の給料をまるまる古着に使ってしまった弟には
「貯金しないと将来困るのは自分だよ」と、散々貯金の大切さを説いていたのに、
私には「お金を使え」と注意するなんて矛盾していると、当時の私は不満たっぷりだったが、
今ではそんなふうに思っていた自分を少し恥ずかしいとすら思う。
 
今までは物の良し悪しではなく、単にその商品の値段しか見ていなかった。
そんな私はきっと、心の底から満足する買い物をしたことは一度もなかったのだろう。
 
似たもので用は足りるかもしれないが、
使用感だったり、満足感だったりときっと見えない何かを失っていた。
 
微妙に使いづらいものを、無意識のうちに我慢しながら使っていたんだと思う。
 
そうした小さな不満足が蓄積された毎日に嫌気がさして、
日々の鬱憤を晴らそうと、あの日の私は爆買いをしたのかもしれない。
 
まさかそれが私のお金の使い方を見直すきっかけになるとは思ってもみなかったが、
結果的に、私の暮らしは見違えるぐらい満足度が高まった。
 
気に入ったものを買うという当たり前の価値基準を手に入れたことで、
満たされた気持ちで過ごす時間が増えたように感じている。
 
よく考えてみたら当たり前のことではあるのだが、
安い物にそれなりの安い理由があるように、
高い物にはそれ相応に高い理由があることに、私はようやく気がついた。
 
今でも安価な商品に気持ちが引っ張られしまいそうな時もあるが、
買い物で妥協することは、はるかに少なくなった。
気に入ったものだけで過ごす分、物への愛着も増したように思える。
 
あの日、「爆買い」が私に教えてくれたのは、私を幸せに導くお金の使い方。
 
24歳の私には、これからきっと人生を左右する大きな買い物が待っている。
その時に備えて、今のうちから後悔のない買い物ができる人を目指してみよう。
 
 
 
 
***
 
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2024-02-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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