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「ピンチはチャンス」の本当の意味


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:岩田千栄美(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
家族が寝静まった週末の夜、自分の世界に浸って録画しておいた朝ドラを一気に見るのが最近の楽しみである。
 
今回の朝ドラの主人公は、「はて?」が口癖。
自分が納得できないことには、はて?と首をかしげて考える。
多くの人が当たり前と思っていることにも疑問を抱く。親や先生がなんと言おうとも、自分の腑に落ちないことは簡単には受け入れない。周囲とぶつかることも多いが、自分にとっての答えを探して、とにかくよく考える。
そんな姿が痛快でドラマを楽しく見ているが、実際のところ、私たちは日常の中でどれくらい考えているだろうか。
 
「忙しいから、考える余裕なんてありません。目の前の仕事をこなすので精一杯です。」
 
社員教育に携わる仕事をしていると、この言葉によく出くわす。
先日も、ある会社の社員研修の打ち合わせで言われた。
正直に言うと、(またか……)と思ってしまった。
 
忙しいから考えることができない。
はて、本当にそうだろうか?と、朝ドラの主人公になった気分で考えてみる。
 
考えるということは余裕があるときにすることなのか。
時間に余裕があったら考えるのか。
う~ん、私にはどうしてもそう思えない。
 
私がそう思うのは、過去の経験が関係している。
 
社会人になって1年が経とうとしていた頃、私が働いていた職場はある問題が起きていた。新人の私はようやく仕事に少し慣れてきたとはいえ、それは通常業務においての話。非常事態に対応するだけの応用力は、まだない。しかし、とある事情で私が中心となって、そのトラブルに対処しなければならなかった。
 
「考える余裕なんてありません!」と言えたなら言っていたかもしれないが、そんなことを言っても何の解決にもならない差し迫った状況であった。
 
そこからは、脳みそフル回転である。
この窮状を脱する方法はないものかと必死に考え、何とか乗り越えることができた。
 
そして、それから数年後。
今度は仕事がうまくいきオーダーが増えて、仕事量が爆発的に増えた。
嬉しい悲鳴ではあるが、自分がちょっと残業したところで済むような話ではない。
とにかく人が足りない。時間がない。このままではせっかくの仕事も、間に合わない。
 
そこでまた、脳みそフル回転である。
 
今しなくてもいいことをしていないか。(後回しにできることはないか)
自分がしなくてもいいことをしていないか。(誰かにお願いできることはないか)
止めてしまってもいいものはないか。(合理化できるものはないか)
納期を延ばせるものはないか。(交渉の余地はないか)
 
とにかく、思いつくかぎりの手段や可能性を考えた。
 
こうした「そもそも」を見つめ直すような問いは疲れる。
頭の使い方がいつもとは違う。
筋肉と同じように、普段動かしていない部分を動かすのはしんどい。
考えなくても済むなら、こんなに疲れることをわざわざ考えなかったと思う。
(このままじゃ、もう無理~~~!)というぐらい追い込まれたからこそ、やらざるを得なかった。
 
そんな消極的理由だが、無我夢中で乗り越えた先にはアップデートされた自分がいた。
自分2.0の誕生である。
そして、このアップデートの効果が結構持続するのである。それも嬉しい発見であった。普段から、自分で工夫の余地を考え、状況を好転させることができるようになった。慣れてくれば、最初ほど苦ではなくなるものだ。
いま、ワーキングマザーとして、スラッシャー(複数の肩書きを持つ人間)として、タスクが多い日々を何とか乗りこなせているのは、この「脳トレ」で自分をバージョンアップできたおかげだと思っている。
 
成長するためには「ストレッチ目標」を持つことが望ましいと言われるのも、そういうことだろう。ストレッチ目標というのは、今の自分では届かないが少し背伸びをすれば届く目標のことを言う。少し背伸びをする、だから「ストレッチ」だそうだ。
この「背伸び」はまさに、自分をあえて余裕のないギリギリの状態に持って行くことだと思う。今のままの自分では届かないから何かを少し変えてみる、その工夫を生み出すために自分にプレッシャーをかけるのだ。
 
「ピンチはチャンス」とよく言うが、つまりピンチというのは自分2.0誕生の瞬間なんだと、自分の経験を通して思うようになった。
そう思えば(大変だ~~~!)と叫びたくなる状況でも、いったん深呼吸して落ち着けば、(自分をアップデートさせるチャンスがやってきた!)と考えることができる。
 
どうせなら、幸せに豊かな人生を送れるような考え方を身につけていきたい。
「忙しいから、考える余裕なんてありません」と言う人たちにそう伝えたくて、今これを書いている。
 
 
 
 
***
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2024-04-25 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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