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夢の国への扉は毎晩八時に開かれる

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*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:KAIDEN(ライティングゼミGW集中コース)
 
 
我が家は妻一人、高校一年生と小学六年生の息子二人の四人家族。
私と妻は共働きで二人の子どもを育てている。
 
公務員としてフルタイムで働く妻に対して、自宅近くに事務所を構えるフリーランスの私。
妻と私のうち、どちらが時間の融通が利く働き方をしているかは一目瞭然である。いつからそうなったのかよく覚えていないが、平日夕方以降の家事は私が一手に担っている。私が夕方に家にいることで、妻は安心して心置きなく残業ができるのだ。その代わり、土日は休みの妻が家事全般を担い、私は仕事に出かける。平日の朝は妻が朝食と長男の弁当を作り、妻が出かけた後に私が食事の片付けと掃除、洗濯をする。やむを得ず両親がいないときは・・・・・・息子二人でどうにかしてもらう。そのために炊事、洗濯を中心とする家事のスキルをことあるごとに息子たちに叩き込んできた。彼らは必要に迫らないと実践しないけれど、いざという時は彼らだけでどうにかできるよう仕込んである。手前味噌ではあるが、見事に家内分業制のシステムができ上っているのである。
 
私が家に帰る夕方六時頃には、小学六年生の次男も近所の公園から帰ってくる。彼は学校から帰るとまず机の下にランドセルを放り投げる。水か麦茶をごくりと飲んだら近所の公園まで遊びに出かけるのがいつものお決まりのパターンだ。
 
我が家の家訓は(とくに明文化はしていないが)「よく遊び、よく食べ、よく寝る」である。小学校で六時間も座って勉強しているのだから、小学生が家に帰ってまで勉強をする必要はないと考えている。ただし出された宿題だけはやらせる。「宿題は先生との約束」だからだ。約束を守ることは大切だと知ってほしい。私と妻は「宿題しなさい」とは言うけれど「勉強しなさい」とはけっして言わない。
 
我が家では「小学生以下は夜八時に寝る」ことをルールにしている。七時頃までに夕飯を食べ、風呂に入り、必要に応じて宿題をしたら、あとは自由。夜のタイムスケジュールは概ねそんな感じである。
 
昨年次男が学校で「寝る時間調査」なるものをやったらしいが、八時に寝ているのはクラスで次男ただ一人。「クラスで一番早く寝る人」に認定されたそうだ。次男は「みんなにすごいねって言われて嬉しかった」と言っていた。
 
我が家が八時就寝にこだわるのは単純な理由だ。「寝る子は育つ」からだ。それ以上の理由などない。今どき夜八時に寝かせる家庭があるのか? とよく友人知人に驚かれる。ここにあるぞ。かれこれ十五年続いているぞ。
 
今どきの子どもたちの生活パターンはといえば塾に通う子もいれば、遅くまで習いごとに通う子もいる。親御さんの帰りが遅いご家庭も多い。いずれにしても夜八時に寝るのはなかなか難しい、らしい。我が家で早寝の実践ができるのは、睡眠時間を確保させるために親の方が子どもの生活リズムに合わせた生活をしているからだ。それだけだ。
 
ほかのご家庭にはいろいろな状況があるので一切否定する気はない。
我が家ではなによりも「睡眠時間確保」を大事にしているだけだ。
誰もが同じようにするべきだとはこれっぽっちも思ってもいないし、言う気もない。
我が家の子育て論が正しいとも限らないし、異論反論あってもおかしくない。
あくまでも我が家のこだわりでしかないのである。
 
現在高校一年生の長男も小学校卒業までは「八時就寝」を維持していた。
「もうちょっとテレビ見たかったけどね」という思いを中学生になってから聞いたけれど、別に早寝が不満ではなかったらしい。平日は学校、土日は地域のサッカークラブで忙しかったから「八時に寝ないとおれはきっと(体力が)持たなかったと思う」とさえ言っていた。寝ることの大切さを子どもなりに分かっていたのだと思う。
 
夜八時は息子にとっては寝る時間であるが、私にとっても大切な時間が始まる。「添い寝」だ。
息子二人が授乳をされていた赤ちゃん時代以外は、私が「寝かし付け」を担当していた。もちろん、小学校高学年にもなれば親がいなくても余裕で寝られるのだが、私が息子たちと交流する時間として、そして何より私にとっての癒しの時間として大切にしてきた。
 
長男が一緒に寝ていた頃は次男と男三人で川の字になっていた。今は次男と二人で寝転がり、その日あったことやたわいもないことを語りながら、次男の身体をさすったりときには頭や顔を撫でたりしながら眠りにつくまでの時間を過ごしている。このひとときが私は一日で一番好きなのである。
 
仕事を終え、家事を終えて大好きな息子とゆっくりくつろげる瞬間が何より大切で愛おしい。寝かし付けながら私の方が先に寝落ちしてしまうこともしょっちゅうだ。やり終えていない仕事や家事があっても、この瞬間だけは余計なことを考えずにリラックスして過ごせるからありがたい。
 
この大切な時間はいずれ終わってしまうことが分かっている。長男と一緒に寝る機会はすでに無くなった。次男ともあと一年弱で終わる。毎日当たり前にあったルーティーンがもうすぐ無くなる。子どもたちの成長は嬉しいけれど、今まで一緒に過ごしてきた時間が無くなり、楽しかったことができなくなるのは実に寂しい。でも、息子二人と過ごしたかけがえのない時間は一生私の胸に刻まれ続ける。それだけで十分だ。
 
夜八時に息子たちと潜り込んだ布団が夢の国への扉となって、毎日素敵な時間を過ごさせてくれた。でももうすぐ閉園の時間だ。夢の国で見る花火やパレードを楽しむように、終わりある時間を心の限り楽しみたいと思うのである。
 
息子たちへ。
 
いつか愛する人と巡り合い、親になる日が来たら。愛する子どもたちと夢の国への扉を開けてください。その時に「父ちゃんとこんなことしていたな」と昔のことを思い出してくれたなら、父はきっと嬉しくてどこかで泣いているでしょう。
 
 
 
 
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