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生理のなくなった人生


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記事:万井綾子(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
2023年6月末に子宮筋腫を根治するための子宮全摘出手術を受けて、約1年、生理のなくなった人生を生きていることになる。
 
これが大変喜ばしい。
 
生理の周期をもとに「仕事に影響が出そうだな」と考える。ちょっとしたお出かけや旅行など、予定を立てようとする時に、無意識に「この辺は生理が重そうだからコンディションが悪いだろうな」と思いながら調整する。
 
こんなことが全くなくなった。QOLがぐっと上がったのだ。
 
不正出血に悩むことも、お腹の張りに困ることも、時折訪れる強烈な偏頭痛も、便秘を気にする回数も、極端に減った。
 
肉体的性別が女性として生まれ育った結果、その象徴となる身体の一部が手術でなくなってしまうことについて、特別な感情を抱く人は多いと聞く。
 
しかし、私にはそんな感情は全く生まれなかった。
 
むしろ長年にわたって私を苦しめてきた病気から解放されて、さわやかな気持ちになっている。もちろん、あくまでも良性の病気である子宮筋腫だから、悪性の病気の場合と単純な比較はできないのだが……。
 
私の生理との戦いは中学2年生のあたりから始まった。腹部を襲うきりきりとした痛みに耐えられず、言葉通り床を転げ回ってやりすごした日もあった。鈍痛で寝込む日もあった。大量の出血があったにもかかわらずトイレに行くタイミングを逸し、座っていたいすを汚してしまったことだってあった。20代から30代にかけては低用量ピルを使って出血量を抑えた。その頼みの綱であった低用量ピルは、妊娠の可能性を考えた時に使用をやめた。そして、また生理に振り回される日々が始まった。
 
あらためて病院を受診すると、卵巣のう腫、子宮内膜症に加え、大きい子宮筋腫があることを指摘された。いずれも生理と妊娠に影響を与える病気だ。
 
私は婦人科関連で2回手術を受けている。1回目の卵巣のう腫を切除する手術の際、私は夫に告げた。子供ができないのはたぶん自分のせいであること、そしてもし子供が欲しければ、離婚して別の人と……という可能性は残されていること。
 
夫からは「元気でいてくれさえすればいい」とだけ返ってきた。
 
その言葉を励みに、1回目の手術から10年の経過観察を経て、私は最終的に、2回目の子宮全摘出の手術を受けることを決めた。
 
かかりつけ医に紹介状を書いてもらって受診した大きな病院で、私は元気よく「手術を受けます! 先生のご都合のいいタイミングでなるべく早く!」と宣言し、1ヶ月後に手術の予定を組んでもらい、仕事やプライベートの調整をして、意気揚々と入院し、手術を受け、退院した。
 
手術は無事成功したのだが、子宮と大腸の癒着がひどく、手術時間は当初の想定をはるかに超えた。手術を担当してくれた医師からは「さぞ生理が大変だったでしょう、頑張りましたね」と声をかけてもらった。たったそれだけのことで、長年の生理との戦いが、報われた気がした。
 
婦人科の受診にためらいがなく、比較的長く病院にかかっていた自分でさえ、約35年にわたって考え、苦しみ、仕事との折り合いをつけ、プライベートにも影響があったくらいなのだ。生理くらいで病院なんか……と思ってしまう人の気持ちは、多少ではあるが、わかる。
 
もし生理に苦しんでいて婦人科の受診に抵抗感があったり、受診したのにいやな思いをして足が遠のいたりしている人がいたら、なんとか婦人科へ足を運んでほしい。そして、適切な治療とつながってほしい。
 
私のケースではたまたま思い悩むことはなかったが、女性にとっては重大な身体的事項である妊娠にも影響してしまう話なのだ。
 
そして、受診や経過観察の結果、子宮や卵巣を取る方がいいと診断されたとしたら……それはそれで、良いことが待っているから、なんとか乗り切ってほしい。
 
生理がなくなった私の率直な気持ちは、こうだ。
 
生理の周期にいちいち振り回されなくて済む!
毎月大変だった出血がなくなってラッキー!
1ヶ月を通じて体調の波が穏やか!
生理用品の在庫を気にしなくて済んで便利! お金もかからない!
PMSにも振り回されない! 情緒が安定!
お出かけや旅行の時に大量出血への対応を気にする必要がない! 楽ちん!
貧血が減った! 少なくとも顔が青白くなることが減った!
あれだけつらかった腹痛が全然ない! すごい!
 
生理がない状態を語っている文章は、ネットで探してもあまり出てこなかった。それなら、私がしっかり語ってみようと思った。
 
生理のない人生、案外悪くないです。
 
むしろ良いことづくめです。
 
生理や子宮筋腫に悩む人が、どうか少しでも前向きな気持ちになれますように。そして、生理のない人生に対して、希望を持ってくれますように。
 
 
 
 
***
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2024-05-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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