メディアグランプリ

エッセイが嫌いだった私の世界に芽が出ました


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:山本優子(ライティング・ゼミ集中コース)
 
 
エッセイが苦手です。
 
読むだけでも、得意じゃありません。世間で評価されている有名な著者のものでも、読みづらく感じてしまいます。達者な方が面白おかしくユーモアたっぷりで書かれているものなら、なんとか読めます。
 
なぜ私はエッセイが苦手なのか。それは、どうしても自分語りに思えるからです。芸人さんが言葉巧みに話すならまだしも、他人のエピソードトークを読んでもなあ、と思ってしまうのです。
しかもそれらはたいてい「こんなことに気付きました」的な「いい感じ風」でまとめられます。言ってしまえば自己アピールです。今風に言えば、リア充アピールです。どうしても「すごいだろ!」「いいでしょ!」のスパイスを感じずにはいられません。
 
 
なんだか毒舌になってしまいました。申し訳ありません。書かれている方が、そんなつもりで書いているとは思っていません。おそらくこれは、私の器の小ささによる妬みやひがみからくる感情なんです。
 
エッセイを読むことは、シーソーのように、私の心を上げ下げします。素直さと卑屈さ。憧れと妬み。行ったり来たりして、純粋に楽しむことができません。楽しむどころか、私の卑小な心を刺激します。ちくちく、ちくちくと。刺された箇所にはとげが刺さったまま。比べることでもないのに、上に立たれたようで悔しくなります。自分も何か善きことをすべきではないのかと焦燥感が募ります。
誰かの人生に触れてしまったばっかりに、不安定な心情になってしまうのです。
SNSを見ているのと同じようだといえば、わかりやすいかもしれません。
 
こんな自分がエッセイを書くなんて、もってのほかです。
 
私も人様のことが言えるような立場ではありません。自分のことを語りたい。大したネタはないけれど、リア充アピールして羨ましがられたい!
あさましい心をさらけ出すようで、躊躇します。私のことなんて誰も知りたくないだろうに。聞かせてくれと頼まれたわけでもないのに。そう思ってしまうのです。
 
 
そんな私が、天狼院書店のライティング・ゼミを受けることになりました。サブスクのおかげで映画をたくさん見ることになって、自分も何かしら表現したいと影響されたからです。私は小説をよく読むので、文章が一番身近だったのです。
 
ゴールデンウィーク集中講座を選びました。長期間頑張れる自信がなかったからです。四日間の講義と、九日間の課題提出。課題はテーマ無し、2000字前後、日付が変わるまでにその日の分を提出。
 
これがかなり大変でした。まずは書くことが見つからない。砂漠の中で小石を探すような気持ちです。
「初めての課題は、テーマを決めるのも難しいでしょうから、自分の経験から探すとよいですよ」
とスタッフの方が教えてくださった。
 
エッセイ書くってこと⁈
 
私はおののきましたが、もう逃れようがありません。いや、逃れられるけど、さすがにもったいないし情けない。
 
何を書くか決まるまで、数時間。いや、正直に言うと、半日以上かかりました。なにせ、私の生活には、華がない。波もない。山無し谷無しなのです。
それでも、なんとか自虐的な失敗エピソードを絞り出し、やっとの思いで書き上げました。
二作目も長い時間をかけて苦しみながらも、提出することができました。
 
三~六作目は、フィクションにしました。どうしても自分のエピソードを見つけることができなかったのです。ですが、課題講評で、それはとても難しいことだと教わりました。そもそも実力もないし、2000字でフィクションは難しいと講義の中でも知りました。
 
またエッセイ書かないとダメか……。
 
 
しかし、数回の課題投稿が進むうちに、私の意識は変わってきていました。
 
ほかの受講者さんたちの投稿を読むのが楽しいのです。
 
同じ立場で、テーマをひねり出して書いていることが伝わるからでしょうか? 「いい感じ風」だと思っていた、作中の「気付きました」も、「へー」と素直に読むことができるのです。卑屈さ、妬み、焦燥感も湧いてきません。
 
さらに、展開がうまいなあ、とか、目の付け所がいいなあ、とか、以前なら考えもしなかった部分にも、気が向くようになりました。
 
そう、書く側の視点を持ったことで、エッセイを面白がれるようになったのです!
 
誰かの出来事から、新しい視点や考え方を得ることができる。
誰かの経験から、感動を共有することができる。
誰かと一緒に、自分の言動を振り返ることができる。
 
それはまた、自分の日常を肯定することにも繋がりそうだと気付きました。今まで意識していなかっただけで、普段の生活にも、考えるべきことや面白いことはたくさん転がっている!
 
私の中に、小さな芽が顔を出したのです。エッセイを楽しむという芽が。
これは自分でも、本当に驚きでした。嬉しくなりました。
冒頭のように、あれだけエッセイを嫌っていた人間がです。
 
エッセイを読む力が私に無かっただけなんだ、と気付きました。
 
 
正直まだ、書くことは好きにはなれません。
好きになれるほど、書く力が無いからでしょう。
 
書く力をつけるために、これからたくさん書いて、書き続けなければなりません。この経験で広がった私の「読み書きの世界」で、いろんな芽が出て、花が咲くまで。いつか書くことが楽しくなるように。
 
 
 
 
***
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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2024-05-07 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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