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今になって英語学習を再開した理由:悔しさから新たな発見まで


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記事:服部達哉(ライティング・ゼミ4月コース)
 
 
妻:「なぜ急に英会話を始めたの?」
 
妻はまた新しいことを始めたの? と言わんばかりの呆れ顔で尋ねてきた。
 
私:「まあ、会社で英語学習の補助を出してくれるように、会社では一定レベルの英語力が求められているんだよ」
 
嘘ではない。が、ほとんどの社員にとって英会話が必要になるようなことは1年を通してほぼ、ない。研究開発部門にいる自分にとって、英語は専門文献を読む時にしか使わないのが現実だ。
 
妻:「でも、日本に住んでいると英語を話す機会なんてほとんどないわよね。日本では義務教育だけでも散々英語を勉強させられたけど、使う機会もなければ、話せるようになった気もしないわ」
 
まったく同感だ。自分の時は中学で英語の授業が始まり、高校、大学でも英語は必修科目だった。
ところが、一般書、小説などを英語で読もうとすると知らない単語が多すぎて読めやしない。英語の映画やTVなんて字幕の有り無しにかかわらず、ほとんど理解できない。単語や表現のレベルでも、聞き取りというレベルでも、到底太刀打ちできるものではないのだ。日本ではこんなに英語の勉強に力を入れ、何年間も学習しているというのに。本物の英語にはほとんど太刀打ちできないことにフラストレーションがあった。
 
妻:「英語話せたらかっこいいよね。私も海外旅行に行った時とか、街で外国人に出会ったらペラペラに会話したいから英会話始めよっかな~」
 
私:「いいんじゃない? 今はオンライ英会話とかいろいろあるしね」
 
見栄っ張りの妻にとっては十分なモチベーションだ、と内心思った。
 
妻:「でも、実際街で道を聞かれてもシドロモドロになるだけで答えられないし、私飛行機苦手だから、海外行けないわ」
 
私:「そうそう。外国人観光客が増えたとはいっても、実際に聞かれることはまずないよね。それに、聞かれても自分もたぶん上手く答えられないかなぁ。海外旅行にしたって、実際に行った人の話だと、今は翻訳アプリがすごいからそれだけで十分コミュニケーション取れるらしいよ。それも英語に限らず、他の言語でも」
 
妻:「そんなに英会話やってるのに答えられないの? じゃあ、時間の無駄じゃない」
 
そう、社交的とは言えない自分の性格からして、コミュニケーションのツールとして英会話学習をしているわけではない。まして、いつ道端で英語で話しかけられるかも分からない時のために英会話学習をしているわけでもない。ならばなぜ自分は急に英語学習を再開したのか?
一つには長年英語を勉強してきたのに英語を話せない、英語が聞けないことに対するフラストレーション、悔しさだ。そんな時、Youtubeで英語が母国語ではない海外のYouTuberたちの英語習得についての動画に出会った。
英語を外国語として学ぶYouTuberたちの英語学習法や実体験が新鮮だった。何より、彼ら/彼女らの英語のペラペラ具合に憧れた。と同時に、最近の学習法、オンラインコースで自分もペラペラになれるかも、と勢いで英語学習を再開したのがキッカケだ。
 
「あなたはなぜ英語を勉強しているの? 仕事で使っているの?」
 
 オンライン英会話コースで、他のコース参加者と話す際、必ず出る話題だ。そのたびに、
 
私:「日本では長年英語を勉強しているのに、ちっとも話せるようにならない。それが悔しくてね。ただ、自分の今の仕事では英語で話す機会は年に1度、海外の人と会議があるときくらいで、日本では日常生活でもほぼ使う機会はないんです」
 
と答えていた。海外からのコース参加者は仕事であったり、移住に伴って日常的に英語が必要であるために英語を習っていた。生活に直結する切実なものばかりだ。我ながら、悔しさだけでそれなりのお金と時間を使って英語学習を再開したモチベーションとしては変わっているな、と思っていた。
 そんなとき、外国語が学習が脳に与えるポジティブな影響についてのYouTube動画に出会った。外国語を学ぶことは、記憶力や集中力を高める効果があるらしい。また、2か国語以上を話せる人は、そうでない人に比べ、アルツハイマー型認知症を発症する年齢が遅いそうなのだ。これだ! 脳に良いことならお金と時間を投資するに値する。
 
私:「例えばね、外国語学習は脳を活性化させる効果があるらしいよ。記憶力や集中力が高くなるらしいんだ。それに、アルツハイマー型認知症の発症を遅らせる効果まであるっていうんだよ。コミュニケーションツールとしての実用性はさておき、脳にいいんだから、これが僕にとって英語学習を続ける最大のモチベーションだよ」
 
妻:「ふーん、そうなの。それは大きいわね。そういえば、英会話している時のあなたって、なんか普段とテンション違うよね。性格違う人のように」
 
私:「そう? まぁ、相手がテンション高いことが多いし、テンション高くしないと英語話せないんだよ」
 
 これは実体験としての気付き。英語話すときは、英語話すバージョンの自分になり、性格が変わるのだ。これは海外の学習者に聞いても賛同を得られ、皆同じような経験、印象があるそうで、新たな発見だ。外国語を話す時は違う自分になれるらしい。
 
 こうして自分の英語学習のモチベーションは固まった。脳に良いから英語学習を続けるのだ。脳トレとしての英語学習だ。それも日本で行われているいわゆる英語教育ではなく、生の英語を学ぶのだ。今はオンラインコースが充実している。AIだってある。英語学習にも革命が起こっているのだ。
 
 
 
 
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2024-07-04 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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