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メディアグランプリ

取扱説明書だってイメチェンしたい


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:しゅん(ライティング・ゼミ特講)

 
 
「説明調の文章なんて誰も読みたくないですよね。取扱説明書なんて誰も読まないでしょ?」
 
大阪ライティングゼミ1DAYS講座で講師の川代さんは言った。
「はははは」と笑い声があがるなか、私はちょっと複雑な気持ちでそこにいた。
 
いや、私も必要な箇所しか読まない派なので、言いたい気持ちはよく分かる。
 
でも……でも……、取扱説明書にも作ってる人が居るんです!
 
なんてことを思うのは私自身が取扱説明書の作成に関わっているからだ。
正確に言うなら私自身が作っているわけではなく、内容をチェックする役割なのだが。
 
最初に取扱説明書を作ってる人を知ったときは「へー、作ってる人って実在するんだ」と驚いたが、それ以降「取扱説明書なんか読まない」と言う人と出会うと「でもね、そういったものでも作ってる人が居るんですよ。そう言わないとちょっとでも読んであげてください」と啓蒙活動をするようになっていた。
 
ただ、内容をチェックするためには、取扱説明書を始めから終わりまで通して読まないといけない。それも修正するたびに何回も! 正直読むのは眠たくなるし、文章量もあるので苦行ではある。
 
ちなみに、一度少人数ながらアンケートをとったことがある。私は予想もしなかったが「頭から全部読む」派が少数ながら存在するのだ。そういう人たちは「自分の知らない便利な機能があるかもしれないから」という探求心旺盛な理由から全部読むらしい。
 
ライティング講座のワークで取扱説明書を作る側もつらいんです、と言うと川代さんから「この機能は……教えなーい、とかできないですもんね(笑)」と言われ、「ですよねー(笑)」なんて会話をした。
 
家に帰って改めて考えてみた。本当にそうなのか?
 
これまでは取扱説明書とは何か? なんて考えたこともなかった。過去に書かれたものがあり、それに秘伝のたれを継ぎ足すかのごとく、同じような文体で追加する機能や改良された機能の記載を追加してきた。
 
なんで今のこの書き方になってるんだろう?
 
取扱説明書は商品を説明するための脇役であり黒子なので目立っちゃいけない、無難に必要最小限のことがわかればいい、からなのか?
 
だとしたら、まるで目立たないように学生生活を送ろうとしている中学生のようだ。
 
変に自己主張したり目立つことで世間から批判されることを恐れる。
必要なことを無難にこなせばよく、それ以上の冒険は必要ない。
 
いじめっ子に眼を付けられることを恐れて目立たないように過ごしてる中学生のようだ。自分自身の中学生時代を思い出す。
 
だから、多くの人の取扱説明書のイメージは「無難で、おもしろみがなく、説明的で、まじめで、誰も読まない」なんじゃないか? いつまでも抑圧された中学時代を過ごしてていいのか? 夏休み明けに「あれ? 雰囲気変わった?」と言われるみたいにイメージチェンジしてもいいんじゃないか?
 
「いやいや、そんなこと言っても読者は必要な一部分しか読まないんだから、魅力的な文章なんか書けるわけないよ」って、心の中で言い訳を始めたが、「世の中にはショートショートってジャンルもあるし、コピーライティングとか短くて素敵な文章に溢れてるんだ、短い文章や説明する文章だから人を楽しませられないってのは全く言い訳にならないさ」と説き伏せる。
 
じゃあ、夏休み明けに「雰囲気変わったね」って言われる文章ってどんなんだろう? 例えばこんな感じでどうだろう。
 
1. ちょっと偉そうに教えてみる
 
この機能について説明するぜ
いやどうしようかな。あんまり簡単に教えると俺に頼るようになっちまうからな。
 
少しは自分で考えたのかい? じゃあ、5分間考えてごらん。5分経ってもわからなかったらページをめくってご覧。
 
本当に5分考えたのかい?
仕方ねぇな、じゃあ、今回だけだぜ? 一回しか言わないからな。
 
まずこのボタンを押して見てくれ。わかるよな?
そうすると画面に××が表示されるだろ?
そしたら、あれを選んで、もう一度このボタンを押してくれ。
 
どうだい、動いたかい? 良かったな。
 
え? 次はあの機能を使いたいって?
今度は自分でも考えたんだろうな? 仕方ない、教えてやるよ。
 
2. 使う側の視点でストーリー仕立て
 
俺の名前は風見鶏健一。
 
今日、やっと○○を手に入れた。
品薄でなかなか手に入らなかったんだよな。
 
早速使ってみよう。楽しみだ。
 
まずはどうするのかな……そうか、このボタンを押すのか。
そうすると画面に××が表示されるから、あれを選んで、もう一度このボタンを押す、と。
おーー動いた動いた。いいなー、うん。やっぱり買って良かった。
 
次にあの機能を使うには、と。
 
なかなか面白いかもしれない。これなら書く方も楽しいし、読む方も楽しいんじゃないかな?すくなくとも読もうという気にはなってもらえるかもしれないな。
 
いきなりこれまでの取扱説明書をがらっと変えるのは難しいかもしれないけど、どこかちょっとした場所で何かできないか考えてみよう。
 
今回、問い直すきっかけをくれたライティングゼミ、川代さんありがとう。
 
昔からこうだからって思考停止するんじゃなくて、違うやり方、違う方法はないだろうかって問い直すことから新しいものが産まれるんだろうな。
 
ありがとう、ライティングゼミ。
 
 
***

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2018-10-13 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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