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子育てで大事と思うことは、複数の「箱」を作ること


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:松本 陽子(ライティング・ゼミ平日コース)

私には、小学5年生の息子がいます。

幼少期からこれまでいろいろな時期があり、
その時その時で、子育てについて悩み向き合ってきました。

気が付けば息子は11歳になり、だんだん大人に近づいてくる息子をみていて思うことがあります。
それは、「居場所」という箱をいくか作ってあげることが大事なのではないか? ということです。

息子の将来の夢は「サッカー選手」です。よくある夢だと思うのですが、そこそこの体格とやる気があり、熱心な父親の専門性もあり、区で優勝するようなチームのスタメン選手としてがんばっていました。

聞こえはいいのですが、実際それを支える母親の私からすると日々悩みが絶えません。
平日は毎日学校から帰ってきて、夕方から夜までサッカー練習へでかけます。チームの練習の日もあれば、スクール練習の日もあり、それはそれは毎日学校の後の話なので宿題もあり大変なことです。
土日ともなると、練習試合が入りほぼ休みなどなく練習試合や公式戦などへ出かけます。

もちろん本人の「サッカーがやりたい」という気持ちが強いので、応援するのが私の役目だと思いながら帰宅後の息子の体調をみたり、軽食を食べさせたり、おにぎりを持たせたり……。

そんな、家族でサッカーに没頭している日々の中、
一時期、チームの先発からはずされた息子は、はずされたという事実にショックを受けただけでなく、尊敬している父親に、遠まわしですが「お前はダメ、頭が悪いな」という内容の言葉を何度も浴びせられていました。
父親的には残念という気持ちから、息子にそういう言葉を浴びせてしまったと思うのですが、息子にしたら今までいたチームにも「いらない」と言われ、家族である父親からも「ダメ、いらない」と言われたような気持ちになったと思います。

母親である私は、一緒に辛い気持ちを受けとめ「辛いね、また頑張れば大丈夫だよ」という言葉はかけていましたが、一番認めてほしい「チーム」と「父親」に見放されてしまった感覚だったに違いありません。表情は落ち込みその時期チームの練習でも消極的なプレーが続き、さらに父親をいら立たせていました。

私は「本人も辛いだろうけど、私もそんな息子を見るの辛いな」と思っていました。

数日たったある日、なんとか息子の力になれないかと、いつも下の子をみるため一緒に行ったことがなかった平日のサッカースクールへ行ってみることにしました。
下の子は祖父に頼んでやりくりして、久々に息子のサッカーをみに行きました。

そのサッカースクールの練習を見たことで、私のもやもやしていた心が晴れたのです。

息子がのびのびサッカーをしていました。

レベルの高いコーチたちに、「グー! いいね。グー! いいねー〇〇(息子の名)」
っとたくさん名前付きで褒められている中プレーしていたのです。

もちろん、他の子たちも褒められていましたし、
皆、指導もたくさん受けていました。

涙がにじむくらいうれしくなりました。
息子はここで、たくさん褒められてるし、認めてもらっているんだ、
本当によかったと。

帰りの電車で
「今日は、グループの中のMVPだった。今度は上のグループ狙っていく」
っと生き生きした目で話してくれました。

その調子、その調子。そんなにやる気があれば、またチームの中でもあがるチャンスがくるだろうと思えました。

そこではっと思ったのは、そのスクールに行っていなかったらという怖さです。

もし、息子に「チーム」と「家族」の2つの箱しかなかったら……。
どちらにも否定されて、自分の居場所がみつけられず後ろ向きに取りくんで、
どんどん消極的なプレーになり、さらに評価が下がり悪循環になります。
最悪、サッカーが嫌いになっているかもしれません。

ただ、1つ目の箱の「チーム」は決してダメな存在ではなく息子にとっては頑張りたい場所であり、夢に向かって実力を試せる場所なのです。
2つ目の箱の「家族(今回は父親)」は息子に否定的な父親に落ち度があったのですが、父親も完璧な人ではないということです。

3つ目の「スクール」という箱のおかけで、「自信」と「やる気」をもらって、自分を立て直していける、というのは、とても大きいと思います。

2つ目の箱の、父親については、後日パパ友から、「その言葉かけはいけない」と諭されて本人も反省しているので、声掛けが変わっていくと、息子ももっとよくなると思います。

世の中には、自殺までいかなくても生きにくいと思っている時間を過ごす子供たちもたくさんいると思います。

でも、そんなときにちょっと息つける場所、ちょっと姿勢を整えられる場所があるとないのとでは大きく違う気がします。

小学生の子供の社会は、主に「家族」と「学校」の2つの箱です。あとは「塾」などの習い事でしょうか。
成長するにつれて「部活」や「会社」や「仲間」など多様性のある箱がでてくると思いますが、子供の時期はそうはいかないので、親があえて用意してあげないと世界が狭いです。

少し世界を広げて、習い事、地域の集まり、子供食堂など、
周りの大人たちに多様性を持たせて、風通しを良くしてあげて、居場所という「箱」がいくつかあることが大事なのではないかなと思います。

私も中学校の頃は「家族」と「学校」と「部活」という3つの箱を行ったり来たりしていましたが、どれも居心地の良い「箱」ではなく、やや辛い時期でもありました。もっと外にはいろんな世界があることを、その時の私に教えてあげたいくらいです。

皆さんの小さい頃は、いくつ箱がありましたか?また居心地はいかがでしたか?

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2018-10-31 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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