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富士登山は心理テスト。さて今年の私はどう登る?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:西舘志織(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
年に一回、富士山に登ります。
ここ数年続いている夏のイベントで、ゴールデンウイークのこの時期になると今年はいつ登ろうかとそわそわしてきます。
私は特に山ガールというわけではなく(ガールが似合う歳でもキャラでもありませんが)、この年に一回の富士登山以外に山に登るということはありません。別に登山が好きというわけではないのです。
 
はじめは毎年富士山に登っている友人から、「山頂から見るご来光は最高だよ!一度は見たほうがいいよ!」と誘われて何となく参加したのがきっかけでした。
 
初めての富士登山はとにかく辛かった。天候もまあまあで一緒に行った仲間も楽しかったのですが、登ること自体は全く楽しくないんです。とにかくひたすら登るんですよね、8時間位。当たり前ですが疲れてもそこでずっと休んでいるわけにもいかず、とにかくひたすら登るしかないんです。
富士山は初心者の山というらしいのですが、とんでもない! これが初心者の山なら経験者の山ってどうなっちゃうの? って思いながら登っていました。でも周りを見てみると子供からご高齢の方まで、外国の方なんて短パンにビーサンで本当に皆さん楽しそうに私を追い越しすいすいと登っていきます。こんなに岩ばかりでこんなに急な山道を、周りの景色も決して綺麗ではなく変わりばえのしない山道を、なぜそんなに楽しそうに登っていらっしゃるんですか!? 不思議で仕方がなかったです。
ちなみになんとか登りきった富士山の山頂では、太陽は雲に隠れてぼんやりとしか見えませんでした……。
 
それから数年繰り返している富士登山。ご来光を見られる時もあれば見られない時もあります。天候が良いときもあれば悪いときもあります。それでもこりずに毎年登っています。
なんで登るんでしょう。そこに山があるから? それは一体どういう意味なんでしょう。私にはその意味を理解できる深さも登山経験もありません。
ただ、いつも思うのは富士山に登ると自分の性格、その時の自分の考え方の癖のようなものがはっきりと現れてくるなあということです。
まるでよくあたる心理テストのよう。
 
私はあまりものごとを深く考えないタイプです。なんとかなるさあって感じでだいたい進んできましたが、富士登山の時もまさにそう。前にある道をとにかくひたすらまっすぐに登っていく、そして気がついた時には息もあがってへとへとに疲れています。でもベテランの登山家の方はまっすぐではなくちょっとジグザグしながら段差の少ない道を登っていくんです。その方が体に負担がかからずに疲れずに山頂まで登れるんだそうです。負荷がかからずダメージの少ない道をきちんと考えながら一歩ずつ進めているんです。そうなんです! きちんと考えながら登っていらっしゃるんです。
 
それから私は面倒くさがりで何かにとりかかるまでにかなり時間がかかるタイプです。富士登山の時もまさにそう。大変そうな岩や道があったらすぐにたちどまり、とにかくため息をつかずにはいられないのです。「は~、頑張るぞー!」って気合いを入れないと登れないんです。登り始めるまでにいちいち時間がかかるんです。でもそんな私の横を息を切らしながらも黙って一歩一歩登っていく方がいらっしゃいます。そうですよね、どうせ登るんですよね。それだったらごちゃごちゃ言わずにさっさと登る、その方がスマートだしかっこいいなあって心の底からそう思います。
 
無心で登り続けていると(疲れすぎて他のことを考える余裕がないともいう)いつの間にかこんな風に自分を客観的に観察し分析するようになります。そして思います、私って本当にこういうタイプだよなあって。
 
そんな自分のタイプをふまえつつ、どうすれば楽に山頂まで到着できるんだろうとあれやこれやと毎年考えております。美味しいチョコを大量に持っていくのか、はたまたテンションのあがるお洒落な山ウエアを新調するのか。自分を上手にコントロールして疲れた~! とか面倒くさい~! とか思わずに楽しく登りたいものです。
山頂に行ってご来光をみる。その目的に向かって登っているわけです。自分で選んで登っているわけです。どうせだったら楽しく進んだ方がいいですよね。楽しい時は上を向いて、辛い時でも下は向いてもとまらずに。一歩一歩進んでいればいつかは必ず山頂につくのですから。
 
山頂からのご来光は見えても見えなくても、そこに到着するまでの山道を今年の私はどう登るのか。
そんな自分を楽しみに今年も私は富士山に登ります。
 
 
 
 
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この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加いただいたお客様に書いていただいております。 「ライティング・ゼミ」のメンバーになり直近のイベントに参加していただけると、記事を寄稿していただき、WEB天狼院編集部のOKが出ればWEB天狼院の記事として掲載することができます。

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2019-05-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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