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メディアグランプリ

カウンセリングってウィルス対策のセキュリティソフトと同じなんだ。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:今泉智樹(ライティング・ゼミGW特講)
 
 
「なんだこれは……」
それは、突然の出来事だった。高速道路を運転している時、突然、心臓の鼓動が早くなる。そして、手のひらからは大量の汗。
「な、なに?」
 
そうこうしているうちに血の気が引くような感覚が……
「もうダメだ」
 
そう思った瞬間、サービスエリアの入口が。
なんとかサービスエリアに到着することができ、事なきを得た。
 
サービスエリアでしばらく時間を過ごすと、いつもの自分に戻っていく。「いったいなんだったんだろう?」 それは、僕が就職して1年ほど経った時の話です。学生時代は、体育会のラグビー部に所属し、どんなにきつい練習にも耐えてきた自分。「誰にも負けない」 ずっとそう思って生きてきたのに、まさか自分がパニック障害になるなんて……
 
それから僕は高速道路に乗れなくなりました。高速道路に乗ろうとすると、「またなるのではないだろうか?」そんな思いが湧いてくる。そこから約10年、僕はこのパニック障害と付き合っていくことになるのです。
 
最初は高速道路だけだったのに、だんだんひどくなり、いろんなところでこのパニックが出てくるようになりました。長いトンネル、高い橋、そんな場所を車で通ろうとすると、「またなったら」この言葉が僕を襲ってくる。
 
「またなったら」そう思うと、そわそわし、いてもたってもいられなくなる。そして、またあのパニックに……年月が経つと、さらにひどくなりました。友達の結婚式に出席すると(僕らの時代は乾杯前に仲人さんの長い話がありました)じっと、黙っていなければならない。そんな状況になると、またあの言葉「またなったら」
それから、お葬式やお通夜もすごく嫌になりました。「またなったら」
 
何度も何度も襲ってくるパニックの波。僕はとにかく必死に耐えました。本当に苦しかった。でも、何より苦しかったのは、そのことを誰にも言えなかったこと。そんなことが、他の人にばれたらなんと言われるだろうか?会社にばれたらどうしよう?
「あいつ頭がおかしくなったらしいぞ」そんな風に思われてしまうのではないだろうか?会社を辞めさせられてしまうのではないだろうか?次から次へとそんな不安が襲ってくる。
だから、病院に行きたくてもいけません。もちろん、カウンセリングを受けることもできませんでした。しかし、苦しさはどんどん増していくばかり、
 
カウンセリングを受けることに対して、すごく強く反発している自分。「カウンセリングは病んだ人が受けるもの。だから、僕は違うんだ」今考えると、当時の僕は十分病んだ状態だったと思います。でも、それを自分で認めることもできなかった。
 
今、僕は心理カウンセラーとなり、たくさんの人のカウンセリングを行っていますが、僕と同じようにカウンセリングを受けることに対してネガティブなイメージを持っている方は本当に多いです。
なぜ、そんなことが起こるのか?
 
それはやはり、日本にカウンセリングを受けるという文化がないからだと思います。幼い頃、熱が出るとお母さんは病院に連れて行ってくれたと思います。歯が痛いと言えば、歯医者さんに行ってきなさいと言われたでしょう。でも、どうでしょうか? 「そんなに悩んでいるのならカウンセリングを受けてきなさい」そう言われたことがある人が、この日本にどれだけいるでしょうか? 多分、ほとんどいないと思います。今でもなお、多くの人が「カウンセリングは病んだ人が受けるもの」そう思っている。
 
本当は、軽い症状のときに受けることができたら、そこまでひどくならずにすんだかもしないのに……
 
この小さな島国日本では、小さな国であるからこそ、社会性を大切にして行きてきました。誰かと違うことは、恥ずかしいことだ。みんなと仲良く、行きていかなければならない。小学生の時、教わった聖徳太子の十七条の憲法にも「和を以って貴しと為す」と、他と調和することの大切さを第一条に掲げていました。恥の文化を重んじる日本人。だからこそ、人の目が気になり、自分の心を置いてきぼりにしてしまう。
 
でも、それではダメなんです。もちろん、日本の恥の文化は素晴らしい文化だと思います。周りに気を配り、調和を目指す。あの東北の大震災の時でさえ、列を作って待つことができる日本人。世界の人々から賞賛を受けました。でも、いかがでしょうか? 周りを気にしすぎて、自分が苦しくなる。本当にそれでいいのでしょうか?
 
僕は、あれだけカウンセリングや病院に行くことを拒み続けていましたが、偶然が重なりカウンセリングを受けることができました。10年以上苦しんだパニック障害でしたが、僕の場合、なんとたった一回のセッションで、そこから立ち直ることができたのです。あの日、セッションルームから外に出た時の明るさ、今でも忘れません。「世の中、こんなに明るかったんだ」本当にそう思いました。それくらい、一瞬にして晴れ渡った感じだったのです。
 
あのカウンセリングがあったからこそ、僕は会社員を辞めてカウンセラーになろうと思ったのです。
今、カウンセラーとして活動していてわかったのは、カウンセリングはパソコンでいうと、ウィイルス対策のセキュリティソフトのようなものだということです。今、世の中は、自分を自分で守らなければ、何が起こるかわからない時代になってしまいました。迷惑メールが来るのが当たり前、詐欺なども横行している。だから、インターネットを使うときは、セキュリティソフトを入れて守るのが普通です。実は、僕らの心もパソコンといっしょなのです。このたくさんの情報が溢れる中、心だけむき出しに生きていたら、心は傷ついて当たり前です。だから、しっかりとメンテナンスをしなければならない。
 
カウンセリングは病んだ人が受けるものではなく、自分をよりよく生きるために必要なセキュリティであり、万が一、傷ついた時でも、すぐにちゃんとそこから助け出してくれるツールなのです。だから、もし、悩みがあれば、僕みたいに遠回りをせず、胸を張ってカウンセリングを受けてほしい。カウンセリングを受けることは決して恥ずかしいことではないのです。
 
ひょっとすると、あなたにもカウンセラーという道が待っているかもしれませんよ。
 
 
 
 
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2019-05-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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