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現役アナウンサーが教える 「ナレトレ〜恋する声〜」ナレーションで身につく伝達力

第1回:声と印象はリンクする《ナレトレ~恋する声~現役アナウンサーが教える!ナレーションで身につく伝達力》


2021/06/21/公開
記事:渡辺美香(READING LIFE編集部公認ライター)
 
 
滑舌が悪く「なんて言った?」と聞き返されることがある
声が小さく、レストランで店員さんになかなか振り向いてもらえない
声に表情がなく「淡々としているね」と言われる
人との会話で、言葉がすぐに出てこない……

 
話し方の悩みは千差万別です。
あきらめる必要はないと思います。一言でいうと「慣れ」なのです。
 
話し慣れている人は上手く、話し慣れていない人は器用にできない、ただそれだけの違いです。
もちろん上達の差はあると思いますが、誰でもトレーニングさえすれば今よりもっと伝わりやすい話し方ができるようになります。
引っ込み思案な性格が原因という場合も、口下手なせいで、ますます自信がなくなってしまっているだけなのかもしれません。
話し慣れるためには、とにかく声を出さなくてはなりません。
しかし、苦手は人には、そのチャンスが少ないのです。
逆にいうと、話さなければならない人は、放っておいても話し慣れていきます。どうしても話さなければならない人は話せるようになるのです。
 
では、話すチャンスの少ない人が、どうやって慣れればいいのか、もちろん話し慣れる方法はいくつもあります。
スピーチの練習をする、友達を相手に話を聞いてもらう、テレビ番組につっこむ……
ただ、実際にこれらをトレーニングとして日々続けるのは、なかなか難しいのも現実です。
 
そんな中で、もっとも続けやすく、簡単にできるトレーニングが、実は「声に出して読む」朗読や、音読、ナレーションです。
 
これなら、一人で出来ます。
どこでもできます。
読むものがあれば、それをただ声に出すだけです。
 
アナウンサーが、なぜ、伝わりやすい声や話し方ができるのかというと、話し続けている以上に、読んでいるからです。
ニュースなどの端的な文章を、繰り返し読んでいるうちに、しっかりした話し方になるばかりでなく、要点をまとめて話すコツや、ちょうどいい長さで話すコツなどを。知らず知らずのうちに、身につけているのではないかと思います。
 
ふだんから話し慣れている人も、他人の文章を意識して読むことで、今よりつやのある声になるのはもちろん、自分のクセを修正できたり、新しい表現方法、語句などを身につけたりすることができます。
 
私は、およそ四半世紀にわたって、アナウンサーとして、ドキュメンタリー スポーツ バラエティ、ラジオなどで、実にさまざまなナレーションや朗読を担当してきました。その経験を生かして、これまで、社会人講座やアナウンススクールなどで教えることも多く、そのたびにナレーショントレーニングの威力を実感してきました。
 
「さあ、読んでみてください」とお願いすると、参加者は一斉に声を出し始めます。すると、とたんに、会場の熱量があがりはじめるのがわかります。
自己紹介などでは、あまり大きな声が出せなかった人も、少しアドバイスすると、読むときにはその倍くらいの声で読めます。
ただ「声を出して読む」ことなら、誰でもできるからなのではないかなと思います。
おまけに、とても楽しそうなのです。
 
 
ただ読む。まずは、そこからスタートしてみましょう。
少しずつ、読み方や口の開け方などを意識していくと、表現力が豊かになり、声量や声のツヤまで手にすることができるようになります。コツは、追ってご紹介していきます。
 

レッツ! ナレトレ

 
声は、ほんのちょっとしたことで変わります。
まずは、声のツヤや、明るさがどのように変わるかを、実感してもらえたらと思います。
 
「おはようございます」
という言葉でやってみましょう。
 
1 無表情で発してみる
顔の力をすべて抜いて脱力状態、ぼお~っとした覇気のない顔で言ってみましょう。
 
2 笑顔で発してみる
前歯をむき出すような笑顔で言ってみましょう。
 
いかがですか。まったく声が変わるのがわかったのではないでしょうか。
声というのは、身体という楽器が奏でる音なのです。楽器の吹き口の形が変わるだけで、音は、暗くなったり、明るくなったりします。
暗い表情で明るい声は出せませんし、明るい表情で暗い声も出せません。
表情と声はしっかりとつながっているのです。
 
それでは、再び「おはようございます」という言葉でやってみましょう。
 
3 姿勢を正す
背筋を伸ばし、あごを引いて、目を見開いて言ってみましょう。
 
4 猫背で
背中をまるめて、あごを突き出して、まぶたの力を抜いて言ってみましょう。
 
いかがですか。前者は、ツヤのあるはっきりとした声。後者は、ちょっとかすれた、こもった響きに聴こえたのではないでしょうか。
声の楽器は、もちろん身体全体です。
身体を、縦笛にたとえると、笛がまっすぐでなければ、いい音はでません。このように、姿勢ひとつが崩れても、声という音の響きはすぐかわってしまうのです。
 
このことから、声と印象はリンクするのだとわかります。
 
たとえば、日がな一日パソコンの前に座り、猫背になって作業をしている人は要注意です。声を発する楽器が整っていないので、いい声が出せなくなっている可能性があります。
なぜか、部下や仲間に「怖い」といわれてしまうという人がいたら、一度、表情をチェックしてみましょう。口の両端が下がっていて、無表情なまま声を発していませんか。それだけで、本人にその気がなくても、怒っているように聞こえてしまっていることがあるのです。
 
声の明るい人は、笑顔で、あごを引き、姿勢のいい人です。
つまり、声の印象のいい人は、見た目の印象もいい人なのです。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
渡辺美香(READING LIFE編集部公認ライター)

名古屋のCBCテレビアナウンサー。26年にわたり、テレビラジオで、バラエティからドキュメンタリーまで、7色の声でさまざまな朗読やナレーションを担当。全国41局のアナウンスメント審査で最優秀賞の受賞歴も持つ。現在の担当番組やナレーション TV「まちイチ」「なりゆきアフロ(チャント!内)」、ラジオ「渡辺美香のWhat a wonderful world」「きく!ラジオ」「石塚元章ニュースマン!」など。

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