週刊READING LIFE vol.188

スマホアプリから学んだ継続の極意《週刊READING LIFE Vol.188 「継続」のススメ》


*この記事は、「ライティング・ゼミ」の上級コース「ライターズ倶楽部」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

2022/10/03/公開
記事:飯田裕子(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)
 
 
数年前から、清涼飲料水会社の万歩計機能付きアプリにはまっている。他にも、同様の万歩計機能付きアプリはあるのだが、定額制に移行させようとするものや、機能が多すぎるものなどがあって、ちょっと使いづらい。その点、清涼飲料水会社のアプリは、自動販売機での購入を促すためのオマケの機能としての要素が強く、シンプルで使い勝手がいい。最近、4,000万ダウンロード達成祭りをやっているから、あれだ、と思う方も多いかも知れない。
 
本来、そのアプリは、特定の自動販売機で飲み物を購入すると、1スタンプないし2スタンプもらえて、スタンプが15個たまると1本がオマケになる、というものなのだが、週(月曜日~日曜日)に最低3万5千歩以上歩くと、1個達成スタンプがもらえる、という機能も付いている。つまり、全く飲料水を買わなかったとしても、毎週達成すれば、15週で1本が無料にはなる。実際は、15週を3周りするとほぼ1年経ってしまうので、よく考えると、これだけでは効率は悪いのだが、コンビニに寄る時間がない時や、ふいに何か飲みたくなった時などに、自販機で飲み物を買ってしまうことはけっこうあるため、一石二鳥のような感覚で使い始めたのが始まりだった。今では、万歩計目当てだったのか、どうせ飲み物を買うならスタンプもためたい、が目的だったのか、よく分からなくなってしまった。それぐらいハマってしまったのだ。
 
週に3万5千歩といえば、1日に5千歩計算だ。だいたい歩幅50センチぐらいと考えてみると、1日5千歩は2キロから3キロぐらいになろうか。意外と大変である。東京の方は、基本的に電車通勤で1時間半ぐらいの方が多いと思うので、在宅勤務でなければ、移動だけでそれぐらいは歩いてしまうだろう。どうせ歩くなら、スタンプもたまった方がうれしい。今私が住んでいる名古屋は、歩きが基本、という場所でもないので、微妙なのではあるが、聞いてみると、やはり、同じアプリを入れている人はけっこういた。
 
どんなふうにハマったかというと、土日にさしかかり、歩数計測期間が終わりに近づいてきた時に、あと3千歩で3万5千歩が達成できる、というような状況だと、近くに散歩に出て、3万5千歩になるまで帰らない、ということをしてしまうのだ。残りが5千歩ぐらいでも、後先考えずにやってしまう。夕方、散歩している犬と行き合うこと20匹、かなり遠くまで歩いて、戻って来る時には暗くなってしまうこともある。時々、気が付くのが夜になり、人があまりいないところを歩いて来ることもある。本当は、毎日5千歩をきちんと歩いていれば問題ないのだが、歩くべきだった所をバスで帰ってきた、などを何回かしてしまうと、意外と達成できない。すっかり忘れて、あと18歩で未達成だった時もあり、そんなことを繰り返すうちに、3万5千歩のノルマをけっこう気にするようになってしまったのだ。私は、このアプリがなければ、強いて週に3万5千歩を歩こうとは思わなかったかも知れないので、その意味では、アプリさまさまだ。さしずめ、馬の前にぶら下がったニンジンといったところだ。

 

 

 

じゃあ、このちょっとしたお得感だけで頑張れるのか、というと、実はそうでもないことが分かった。最近、駅の近くに引っ越したのだが、今度は、あまりに便利になってしまったので、歩く距離が極端に減ってしまい、3万5千歩の達成が、さらに大変になってしまったのだ。
 
前は、駅から1キロちょっとある所に住んでいた。バスも通るところではあったが、本数はそんなにないので、時間が合わない場合は、歩いていた。途中には、犬を飼っているお宅があったり、いつも猫が日向ぼっこをしている花壇があったりして、「今日はいるかな」と眺める楽しみもあり、それなりに楽しく歩けていた。時々、ギリギリに出て間に合わない! という時は、1キロもある道のりにうんざりしたこともあったのだったが、歩いたらスタンプももらえる、というお得感もあって、頑張って歩くことが出来ていた。
 
しかし今は、駅から最短100メートル、ゆっくり歩いても5分ぐらいの所に住んでいる。電車はけっこう頻繁に来てくれるので、今度は、いかに効率よく早く目的地に着くか、の方に関心が移ってしまい、どうやって一日5千歩を達成するかや、週に3万5千歩達成するか、の方には、あまり目が向かなくなってしまった。それに、歩こうと思えば、半強制的に1キロ、という状況がなくなってみると、土日に残る歩数が1万2千歩ぐらいになってしまったりもした。日曜に1万2千歩も残りがあると、6キロぐらい歩かないといけない計算になるので、まあ、達成はムリだ。いくら、スタンプというニンジンが前にぶら下がっていても、挑戦するには、限度というものがある。残りが多すぎて、諦めてしまう。そうすると、歩数も増えないは、スタンプは貯まらないはで、面白くないばかりでなく、健康も損なっているのだろうな、とは思う。
 
健康のために、毎日、自分に散歩やジョギングを強いることが出来る方は、こんなことは悩まない。きっと、朝は少し早めに起きて、近所を20分ぐらい走ってくれば、それで、週3万5千歩は楽勝だろう。本当は、それが理想なのだ。本当は、そうなりたい! でも、私には、忙しさやら何やらで、その精神的・時間的余裕がないような気がしている。朝早く起きる前に、もう少し寝ていたい。コーヒーを飲みながら、ニュースを見て、一息つきたい。そんな感じだ。きっと、こんな人は、私だけではないのではないだろうか。

 

 

 

こんなことを考えると、自分からはなかなか動けない・動く余裕がない人が、無理なく継続する(ここでは、週に3万5千歩を歩く目標を達成し続ける)ためには、一定の条件が必要なのではないかと思う。
 
絶対必要な条件は、歩かざるを得ない状況を、強制的に作った方がいい、ということだ。家から駅までの距離が1.5キロぐらいだと、遠いと言えば遠いけれども、歩けなくはない。バスを20分待つぐらいだったら、歩いてもいいかな、という気にもなれる。これはきっと、近すぎても遠すぎてもいけない。遠いと、今度は絶対にバスに乗るか、自家用車に乗ってしまったりするだろうから、また、物理的に歩かなくなってしまう。駅から1.5キロ圏内、という条件で物件を探すのも大変だし、不便さに泣くこともあるのではあるが、便利すぎて歩かなくなった今、自分に運動を強いることが出来ないのならば、無理に強いるのも手だという気がする。家賃は少しは安くなるし、運動にもなる、アプリのスタンプも貯められるのなら、まあいいかな、とあきらめもつくかも知れない。まあ、近くに引っ越してしまうと、便利なので、また遠くに引っ越すのも気が引けるが……。
 
それに、前のと似ているが、「ながら」や「ついで」で出来る、というのも、大切かな、と思う。健康のためでも、ただ走るために早起きするのはつらい。けれども、通勤のついで、とか、犬の散歩をしながら、だったら、まあ、仕方ないかな、と思えると思う。2つか3つのことを同時にこなす、ということであれば、何となくお得感があり、続けられそうだ。そういう時は、アプリのスタンプ貯めよう、も「ついで」の一つになり得る。
 
ただ、続けると目に見えるご褒美がある(とりあえずスタンプがもらえる)、というのは、そのご褒美がどれだけ自分にとって大切か、と目標達成までの距離(大変さ)とを天秤にかけてしまうことになり、設定がちょっと難しい。私の場合、スタンプ1個(ペットボトル1本無料まで15分の1)では足りないようだ。距離も設定も違うが、半年続けたら、名古屋ウィメンズマラソンの完走者用に用意されるような、ティファニーのペンダントがもらえる、ということであれば、ちょっとは心が動くかも知れないが……。
 
運動つながりでも、少し話はそれてしまうが、続けないとお金がもったいないことになる、とか言うのは、ご褒美の時と一緒で、あまり継続のために効果がない気がする。そう遠くないスポーツセンターへ行って、そこで月謝を払って、ルームランナーを使って強制的に運動しようか、ともさんざん考えた。でも、知り合いも同じことを考えて続けられなかったと言っていたし、自分も続ける自信がない。多分、その月謝が、自分にとって、どれぐらいの価値なのか、にもよってくるのだろうが、先に払ってしまうと、もう払ってしまっているので、買い物をした後のように、ある意味、どうでもよくなってしまうのかも知れない。あるいは、年収の3分の1ぐらい払ってしまっていたら、頑張ろうと思うだろうか……。
 
いろいろな理由で、すっかり歩かなくなってしまったので、正直あせってはいて、こんなことをあれやこれやと考えた。体重も増加してしまったし、健康も損なっていそうなので、まずいとは思っている。つべこべ言わずに、毎日散歩に行くべきなのだろうが……。やってもなかなか続かない私なりには考えているのだ。

 

 

 

それで、これまた最近試し始めたのが、徒歩2キロ圏内ぐらいに用事を作る、ということだ。一駅ぐらいだと、電車賃やバス代を払うのもちょっともったいない。名古屋は初乗りが210円だから、1駅乗ってしまうぐらいなら、健康にもなるし、スタンプももらえるかも知れないし、歩こうか、という感じだ。
 
前は、近くの喫茶店で少しホッとしてから帰宅したりしていたが、少し歩いて行ったところに喫茶店を見つけて、そこも利用するようにしてみた。これも、意外と、歩く距離を長くするのには、効果があるようだ。
 
それから、あまり買い置きしないで、毎日スーパーに行くようにしてみた。人間食べなければ生きていけないし、お腹もすくから、買い出しには行かなくてはならない。毎日行くと、行く時間によっては、おやつも買ってしまうため、正直、健康につながっているのかは微妙な時もあるのだが、「ながら」の散歩にはなるので、まあ、歩けている。
 
私には、これらの対策は、効いている感じで、駅から徒歩1キロの所に住んでいた時程度には、歩数を稼げるようになってきた。コロナ禍ということもあったが、歩かないでいるうちについてしまった贅肉は、すぐには減りそうにはないものの、3万5千歩達成のスタンプが再びもらえるようになったのは、ちょっとした達成感につながっている。
 
3万5千歩スタンプだけでなく、痩せた、とか、人間ドッグの数値が良くなったとか、もっといいお話が出来るように、これからも続けていきたい。そして、他のことにもあてはまりそうなので、「歩く」以外のことにも、応用してみたいと思っている。
 
 
 
 

□ライターズプロフィール
飯田裕子(READING LIFE編集部ライターズ倶楽部)

2021年11月に、散歩をきっかけに天狼院を知り、ライティング・ライブを受講。その後、文章が上手になりたいというモチベーションだけを頼りに、目下勉強中。普段は教師。

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2022-09-28 | Posted in 週刊READING LIFE vol.188

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