チーム天狼院

女を虜にしたいなら「魅力的なクズ男」が最強説《川代ノート》


クズな男はなぜ魅力的に見えるのか?


はい、本日お集まりいただいたクズラーのみなさま、はじめまして。
「魅力的なクズ研究会」主宰をつとめます。会長の川代と申します。どうぞよろしくお願い致します。

せっかく入会していただいた後、誤解を生まないため、はじめにお断りしておきますが、この研究会は決して、いつもいつもだめんずを好きになってしまう、だめんずウォーカーのみなさまがだめんず好きを脱却するための会ではございません。

この会は、「クズな男はなぜ魅力的に見えるのか?」ということを研究するための団体でございます。

ええ、クズ男を愛で、可愛がり、甘やかし、そしてじっくりと好きなだけ観察するための会であって、クズ男を好きになってしまうので永遠に幸せにになれない、という負のスパイラルから抜け出すものではないことを、どうかご了承ください。そのためにお入りいただくおつもりなら、逆効果ですから、この場でご退場下さい。この会はむしろ、クズ男にハマりたい、クズ男に貢ぐことが私の幸せ、という人がこの溢れ出る胸の高まりを互いに吐き出すための場所です。

では、会長挨拶として、私がなぜこの会を設立したのか、その理由をご説明しましょう。

まず、私はもともと「モテる」ということにとても興味があるタイプの人間でした。それこそ中学生、いや下手したら小学生の頃から、どんな人間が好かれ、人気者となり、そして承認されるのかということについてよく考えてしまうのです。意識していなくても、気がつけば「どうしてあの子は愛されるんだろう」「どうしたら人気者になれるんだろう」とついつい物思いにふけってしまうのです。
それはおそらく私があまり目立たず、クラスの中でも地味なタイプであるということが原因の一つとしてあると思います。自分のそばにいる人気者タイプの子への嫉妬のエネルギーが、「どうすれば自分もそちら側に行けるのか」ということに対する探究心へと向いてしまったのでしょう。

気がつけば、自分がモテることへの欲求ももちろんですが、それ以上に「モテる」とはどういうことか、どうすればモテるのか、という謎を解明したいという探究心の方が強くなっていきました。

以来、私はさまざまないわゆるモテ本というモテ本を読み、モテのスキルが書いてあるブログを読みふけりました。様々なコンテンツを取り入れ、そして現実でも男女問わず、どんな人にどんな友達がいるのか、モテる人とはどんな会話をしているのかを観察をすることによって、私の研究は厚みを増していきました。

そんな研究を続けていたある日、ふと気がついたことがありました。

男の「モテ」という要素の中には、多かれ少なかれ、「クズ」的な要素が必要である、と。

 

風早くんタイプと付き合えば幸せになれるという常識


私は大学生の頃から友人にもだめんずウォーカーと呼ばれていて、いつもいつも「なんであんなやつ好きになるの!?」とつっこまれるような人ばかり好きになっていました。

最初にできた彼氏は、友人から「哲学的なクズ」と評されていました。私にデート代を払わせる。バイトをしない。私の誕生日なのに私が食事代を出す。唯一くれたプレゼントはイトーヨーカドーで買ったネックレス。授業にもほとんど出ておらず、だからといってサークルやバイトに夢中になっているわけでもないのに、やたらと「お前は自分のやりたいことを見つけた方がいい」などと説教をしてくるようなやつでした。やたらめったら哲学的なことを言うわりには自分は何も行動に移さない、という、友達からすれば完全にアウトな物件だったのですが、それでも私は彼のことが大好きでした。

その彼と別れたあと、友達には散々「もっとちゃんとした人と付き合いなよ!」と言われ、私は決心しました。次はちゃんと、誠実で、優しくて、ちゃんと働いていて、まめに連絡をくれる人と付き合おう、と。
「そうだ、風早くんみたいな人がいいんじゃない?」と友人は言いました。
なるほどたしかに、と思いました。女性なら風早くんをご存知の方がほとんどだと思いますが、知らない方のために一応ご説明すると、「君に届け」という少女漫画に出てくる男の子です。クラスの人気者で、明るく、屈託がなく、主人公がクラスでいじめられていると助けてくれる。一途で優しく、爽やかで少年らしさもあるのに、純情でエロくなくて、女慣れしていない。でも、女を扱うときに童貞っぽさは微塵も感じさせないという、まさに奇跡のような完璧キャラです。女が「結婚するならこんな人だよねー」とあれこれ指を折りながら数えた理想を全部つめこんだようなキャラクターです。

うんうん、そうだよ、と友人が言っているのを聞いて、高校生の頃、「君に届け」が大流行したときにも、「風早くん大好き!」と周りのみんなが言っていたのを思い出しました。
よくアンアンか何かの漫画特集とかで、「漫画に出てくる彼氏にしたい男キャラランキング」とかでも、一位になっているのを見かけます。

そう、風早くんとは、疑う余地もないほどのモテ男。

そっか、やっぱりモテるのってああいう完璧で、爽やかで、なんでもこなせるイケメンなのかな、と思いました。

そう、思っていたんです。そのときは。

 

クズ「なのに」モテるではなく、クズ「だから」モテる


しかし、私は長年の研究を経て、「風早くんタイプはモテない。なぜならクズ要素がないから」という仮説を打ち立て、そして、この「魅力的なクズ研究会」の設立を決めました。研究会にしようと思ったのは、「魅力的なクズ」とは非常に奥深いものであり、私一人のデータでは研究しつくせない部分があると思ったからです。

これは一概に結論を下すことのできない、非常に奥深い問題です。

風早くんタイプは、リアルではモテない。

どうしてそう思うのか。
理由は単純で、そういう器用になんでもこなすオール5タイプの男がモテているところを、私は一度も見たことがないからです。

きっかけは、私の大学時代の友人に相談されたことでした。

彼はとてもいいやつで、友達も多く、顔もそれなりにかっこよくて爽やかなのですが、いかんせん、彼女ができない。なんで彼女できねーんだろ、俺、とよく私に相談してきていました。

そう言われてみると私もなぜ彼に彼女ができないのか不思議で仕方なく、勉強もできて真面目で、彼女のことはいかにも大切にしそうなタイプだし、面倒見もいいのに、なぜ彼女ができないんだろう、と思いました。

「いやー、押しが弱いだけじゃね?」

ふむ、と考えているところにそう突っ込んできたのは、もう一人の男友達でした。彼は決してオール5タイプではなく、できることとできないことがはっきりしていて、彼女がいるくせに平気で他の女とデートしたりしてしまうようなタイプでした。決して「完璧」とは言い難い。でも、モテる。とてもモテる。

この二人の違いは何なんだ、と思いました。
けれども、ふと気がつきました。

あ、でも私も、もし付き合うならこっちのチャラ男くんの方と付き合うわ。

決して口に出して言えることではありませんでしたが、たしかにこの一見チャラい感じの子の方に、惹かれる。

別にどこがどう、というわけではないのですが、どうしてか、こっちに気持ちがいくのです。

どうしてだろう、と考えました。

だって、こっちのオール5くんの方が、優しいし、気も利くし、マメに連絡くれそうだし、浮気しなさそうだし、デートプランとかちゃんと考えてくれそう。
こっちのチャラ男くんは飽きっぽいし、大事にしてくれなさそう。他の女に浮気される可能性もあるし、わがままだし、わりとクズっぽいところあるしなあ……。

そこまで考えて、はっと思いついたんです。

いや、むしろ、クズ的な要素は、女にモテるということを考えたとき、プラスになるのでは?
別の言い方をすれば、クズ的要素がない男というのは、つまらなく思えてしまって、刺激にならないのでは?

そうです。私の過去の恋愛を振り返ってもそうでした。
せっかく言い寄られても「なんかあんまりタイプじゃないなあ」と思ってデート止まりだったのはだいたいオール5タイプの優しい人で、「もう好き! めっちゃ好き!」となったのはどこか極端にダメなところがあったり、基本的に人間として性格が破綻しているところがあるタイプの人ばかりでした。

いや、それはお前がだめんずウォーカーなだけだろと思われるかもしれませんが、私の周りを見てみても、モテる男というのは大抵、何かおかしな性癖があったり、どうしようもない欠点があったり、酒癖が悪かったりといった何かしらの「クズ」要素があるのです。

クズなのに、モテる。
そう思っていましたが。
あるいは、「クズだから」、モテる、のか?

そう、もしかして、女というのは本能的に「クズ」が好きなのでは? という結論に思い至ったのです。

 

恋をするというのは、誰かの穴を埋めたいと思うこと


私は心理学者でもなんでもないのでこれはあくまでも仮説にしかすぎませんが、女にはもともと「誰かを助けてあげたい」という母性本能があって、クズ男はそれを刺激するから、思わず手を差し伸べずにはいられないのでは?

いや、もうこの際女という生き物はこうだとか、そういう一般論はどうでもいいです。私の話をしましょう。私個人の考えを言いましょう。

私は二次元、三次元問わず、「魅力的なクズ」に心惹かれてなりません。もう、仕方ないのです。それは説明しようのない本能からくる欲求なのです。

じゃあどんなクズが魅力的なのか。これはもう「ギャップ」にあるとしか言いようがありません。

普段クズなのに、ダメなのに、優しくしてくれる。大事にしてくれる。いざというとき頼りになる。おっ、意外といいとこあるじゃん、となる。
逆に、普段はちゃんとしてるのに、弱っているとダメダメになる。外面はいいのに自分の前でだけクズ要素を見せる。もう、あたしがいなきゃ、となる。

ほら、わかりますか? この「クズギャップ」エンドレスループにはまったら、もう抜け出せないんですよ。
いいところを見たら、ああやっぱりダメ、ダメかと思いきや、ああやっぱりすごい。

人はおそらく人を好きになるとき、理屈や条件で好きになるのではなく、本能で好きになるのだと思います。

優しい、誠実、お金持ってる、礼儀正しい、浮気しない……。

そういった要素で人を選ぶ人も、たしかにいます。そっちの方が優先度が高い、という女が多いのも事実ですし、たしかにそういう好条件が揃っている人を好きになるのが一番幸せだということもわかります。

けれどもおそらく、人は自分の中の欠けている部分を補おうとして誰かを好きになり、そして、誰かの欠けている穴を埋めてあげたいと思って誰かを愛するようになるんじゃないかと思うんです。

つまり結局、欠けている穴が一つもなく、「なんだ、私いなくてもこの人の人生成立するな」と思わせてしまうような風早くんタイプは、現実世界では、あんまり女を虜にするようなことはないんじゃないか、と。

実際には、めっちゃくちゃエロいことばっか言ってくる風早くんとかはいたらモテるんじゃないかと思います。いや、わかんないですけど。

まあとにかく、そういうわけで私は「魅力的なクズ研究会」を設立したのです。

クズラーのみなさまと、これから「こんなクズが最強」「いや、こんなクズこそ至高」「彼氏を極上のクズに育てる方法」などのトピックを中心に、色々と語っていきたいと思います。どうぞ、末長くよろしくお願い致します!

はい、これにて会長からのスピーチは終わりにしたいと思いますが、何かご質問は?
え? そこまで言うなら今、恋をしている「魅力的なクズ」がいるのか? 愛でる対象がいるのか?

 

あ、これはもう簡単ですよ。もちろんいます。

童貞でニートというクズ要素しか見当たらないくらいなのですが、それでもいいところもあって、最高です。

 

おそ松さんです。

 

 

 

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*この記事は、人生を変える「ライティング・ゼミ《平日コース》」フィードバック担当でもあるライターの川代が書いたものです。
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❏ライタープロフィール
川代紗生(Kawashiro Saki)
東京都生まれ。早稲田大学卒。
天狼院書店 池袋駅前店店長。ライター。雑誌『READING LIFE』副編集長。WEB記事「国際教養学部という階級社会で生きるということ」をはじめ、大学時代からWEB天狼院書店で連載中のブログ「川代ノート」が人気を得る。天狼院書店スタッフとして働く傍ら、ブックライター・WEBライターとしても活動中。
メディア出演:雑誌『Hanako』/雑誌『日経おとなのOFF』/2017年1月、福岡天狼院店長時代にNHK Eテレ『人生デザインU-29』に、「書店店長・ライター」の主人公として出演。
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2018-01-12 | Posted in チーム天狼院, 川代ノート, 記事

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