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大人の階段なんて存在しないって、誰か教えてくれてもよかったじゃん!階段どころかエレベーターじゃん!《川代ノート》


みなさまこんにちは、川代です。
いやー、なんか最近、びっくりしています。ちょっと気持ちが追いついていけない感じ。
「大人」の階段って、ちゃんと存在するものだと思っていました。
「大人になる」ということは一つ一つ、段階を踏んでいくものであって、徐々に実感を得られるものだと。じわりじわりと自分が大人になっていく感覚なんだろうなあと思っていました。いきなり「子供」と「大人」の境界線を乗り越えるなんてことはなくて、普通に生活をしていて、ふと振り返ってみると「あー、なんか自分、大人になったなあ」と体感する、みたいな。
なのに、最近急に大人になっちゃったな、と思う機会が増えました。非常に増えました。階段どころかエレベーターに乗せられて、一気にギュイーンと最上階まで来ちゃったみたいな気分です、まったく。

結婚ラッシュです。結婚ラッシュがついに来たのです。25過ぎたら一気に来るぞと言われていた結婚ラッシュが、ついに、ついに私のところにも猛ダッシュでやってきてしまったのです。
Facebookを見れば、大学時代の同期が、高校の同級生が、バイト時代の友達が結婚したとか出産したとか、そんな報告ばかり。今でもなんだか信じられません。え、みんなもう人生の伴侶見つけたの? もう親に頼らなくても生きていけるの? っていうか独身時代にやりたいことはもうやりつくしたってこと? 仕事は? 結婚してもバリバリやるから大丈夫ってこと? っていうか貯金は? 結婚できるほどみんなお金あるわけ?
いや、とはいえ私も一度は結婚して離婚しているわけだから、どういう経緯で恋人同士が結婚まで至るのかはわかっているつもりなのだけれど、それにしても、なんだか、信じられません。自分が結婚するのと、周りの友達が結婚するのじゃなんだか違うような気がする。本当、乗りたくないのに無理やりエレベーターにぶち込まれて「はい、あんたのこれから生きて行くステージは大人会場です! もう子供会場は終わり! じゃ、頑張って!」と置き去りにされたような、そんな心細さがあります。いや頑張れないって! 私まだ子供でいたいんだよ! 無理だから! って泣いてもわめいても子供ステージには戻れない。そんな感じ。

それに最近になって、やけに学生時代の友達に会う機会が増えました。たいていは「池袋来て、そういえばさき働いてるって言ってたの思い出して、来てみた」と言ってふらりと遊びに来てくれるのですが、そのときの会話が。会話がもう、なんかもう。

「うわー、めっちゃ久しぶりじゃん!」
「ねー、3年ぶりくらい?」
「元気してる? 今仕事何してるの?」
「普通に会社員だよー」
「そっかー、みんな会ってる?」
「そんなに会ってないかなあ。〇〇の結婚式で久々にみんなを見た」

みたいな! 普通にその会話してるときは何も思わないけど、友達が去ったあとに思い出すとなんか悶絶したくなる。うわ〜〜〜! 今の会話大人〜〜〜!! 大人がするやつ〜〜〜!! 大人になった人たちがするやつ〜〜〜!! みたいな。なんか違うもん。もう「大人」であることが前提として交わされる会話ですもん。1年前くらいまではまだみんな「新入社員」のポジションだったから「仕事大変〜」とかだけど、25になるとみんなある程度仕事にも慣れてきたから話のトピックが「仕事に慣れない、辛い、辞めたい」から「結婚するの?」「転職考えてる」に変わってきたもんね。なんなんですかねこれ。ああもう本当怖い。

なんか本当に、信じられません。今こういう状況に自分がいるということが。
認めたくないし直視したくないけど、自分もう大人なんだなあ、みたいな。

中学生や高校生の頃の「大人」のイメージというのは、スーツを着て仕事して、休みの日にはお料理やスポーツなどの趣味を楽しんで、会社帰りには友達と飲みに行って、神楽坂あたりで恋人とデートして、みたいなそんな感じでした。いつか自分もそういう大人になる瞬間がやってくるんだと思っていたし、はやくそうなりたいなと思っていました。大人って、なんか、楽しそうだと、漠然と。

そのイメージは大学生になっても変わらなかったけれど、大人になることへのワクワクよりももっと、不安の方が大きくなりました。本当に大人になれるのかな。ちゃんと働いて、社会に貢献できる人間になれるのかな。そればかりが心配で、まるで大人になれる気がしなかった。でもきっと何かしらのターニングポイントがやってきて、大人になるときがやってくるんだろうと思っていました。

「大人」の階段というのはちゃんと存在して、それを一段一段とのぼっていけば、自分は確実に大人になれるもんだと信じていました。信じきっていました。

私自身は仕事が忙しいから、仕事仕事仕事! で仕事のことしか目に入っていなかったけど、ふと顔を見上げたら、結婚やら出産やら貯金やら、現実が襲いかかってきます。大人のスタンプを思いっきり押されちゃったような、そんな感じ。

ぶっちゃけて言うと、実は今日の記事では、「周りが大人になっていってすごく焦ってる、自分はこのままで生きていってもいいのかすごく不安」みたいなことを書こうと思っていました。書き始めたときは。

でも、今ここまで書いてふと気がつきましたが、全然、焦りの感情が湧いてこないのです。

私はたいてい記事を書くときは、自分の感情をちゃんと分析するために書いているところがあるので、書いているとすっと感情が可視化されてスッキリして落ち着くことができる、というのがいつものパターンなのですが。

今書いてても、なんだかこう、焦りの感情が湧いてこない。不安もも特にない。妙にフラットで、感情の揺らぎがないというか。

なんでだろう、と思いました。すごく不思議でした。だって以前の私なら、絶対に焦っていたはずだから。周りの人たちが自分より幸せそうとか、かっこいい人生を送っているとか絶対に嫌だし、自分が一番がいい。自分よりもキラキラしている人を見ると本当に焦るし、あーそっちにいっておけばよかった、と迷う。それが私だと思っていたのに。

なのに今思い返すと、周りの友達が順調に大人になっていくのを見ても、「うわ〜自分大人になったなぁ」と自分の状況にちょっと引くことはあれど焦りは感じていないのです。全く。

もし以前の私なら25歳で周りのみんながちゃんと落ち着き始めてるのに、いまだに自分は小説家になりたいとか言ってる状況にすごく焦るはずなのですが、それでも何も感じていない。いや、別に周りは周り、私は私でしょ、と思っている。

もうどこに行った私の承認欲求!!! やめて、急に居なくならないで!!! 逆にそのことに焦るわ!!! と思うのですが、でも別に認められたいという気持ち自体が消えたわけではないし。

うーむ、どういうことだろうと考えていたのですが。
もしかしたら、私にとっては、これが「大人になった」ということなのかもしれない、とふと思いました。

どこかに「大人」の切り替えスイッチがあるのだとして、みんなが自分が大人になったと思う瞬間は結婚式のときだったり、出産のときだったり、仕事で成功したときだったりするのかもしれません。でも私にとってはこの、「焦りを感じなくなった」ことが切り替えスイッチだったんだと思います。

もちろん焦りが全くなくなったわけではなくて、むしろ日々「遅すぎる! このままじゃ間に合わない!」とか、「もっと早く仕事できるようになりたいのに!」とか、そんな風に焦ることはあるのですが、周りに対する不安を感じることが、以前に比べて格段に減ったように思います。

そうです。だって一年前の私は、自分が憧れる作家たちがいつデビューしたのかを調べまくって焦ったりしていたのです。
ああ、朝井リョウさんがデビューした年齢からもう私2年経ってる……やばい……みたいな。
あー24のうちにデビューしたかったのに誕生日になっちゃった……みたいな。

私にとっては一刻も早くデビューすることが最大の目的で、そうできないことには自分はいつまで経っても幸せになれない気がしていたのですが、なんだか今は、そういう気持ちとはまた別で、こう、うまく言えないのですが。

「大丈夫、なんとかなる」感。

そう、以前にはなかった「大丈夫」感があるのです。おそらく。

自分が選びたい方に進んでいけばおそらく大丈夫だし、なんとかなるし、きっと乗り越えられるだろう、みたいな予感がしているのだと思います。

それはきっとなんだかんだ、自分が納得する道を選んできたからで、自分自身に対してはまだまだ満足していないし、嫌いなところもたくさんあるけど、人生においては妥協してこなかったから、たぶん「大丈夫」感があるのだと思います。

とはいえまだまだ死にたくなるときもたくさんあるし、今たまたま穏やかな気持ちなだけで明日になったら周りへの焦りばかり覚えているかもしれないけれど。

でも人間不思議なもので、過去の経験や思い出も一度「やってよかった経験」のフォルダに分類されると、その途中にあった苦しかったことや辛かったことも「よかった」に変換されるんだと思います。

「終わりよければすべてよし」じゃないけれど、どんなことがあっても「やってよかった」フォルダに分類する癖さえついていれば、未来に対する不安もエネルギーにできるのではないかと。

重要なのは過去の経験一つでも、自分の選択一つでも、「やらなければよかった」フォルダに分類しないことであって、どんなことであれ毎回「やってよかった」フォルダに分類しさえすれば、たとえその経験が失敗だとしても総合的に見れば「やってよかったこと」になる。

ああ、たぶん今あんまり焦りを感じなくなっているのは、ある程度「やってよかった」フォルダに分類された経験が増えてきたからかもしれない、とふと思いました。

まあまだまだ何も成し遂げていないから、これからいくらでも価値観も世界観も変わる可能性があるのですが、それでも今の段階でこう思えているという点に関しては、自分を「まぁ悪くない」と認めてやってもいいか、と思えるようになってきました。

これからどうなるかわからないけれど、でも、まぁなんとかなるだろ。これまでだって、なんとかなってきたし。

周りが結婚ラッシュを迎える段階でようやく、自分との付き合い方がちょっとずつ、わかってきたようです。

いやー、遅いけど。全然遅いけど、でもまあ納得はしているので、よしとしましょう。

これからさ、もっともっと大変なこといっぱいあると思うけど。
辛いことも死にたくなることも絶対たくさんあるけど、うちらなら大丈夫だよね。うん。

だからね、これからもよろしく頼むよ、川代君!

 

 

 

 

 

*この記事は、人生を変える「ライティング・ゼミ《ライトコース》」講師でもあるライターの川代が書いたものです。
「ライティング・ゼミ」のメンバーになると、一般の方でも記事を寄稿していただき、編集部のOKが出ればWEB天狼院書店の記事として掲載することができます。

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❏ライタープロフィール
川代紗生(Kawashiro Saki)
東京都生まれ。早稲田大学卒。
天狼院書店 池袋駅前店店長。ライター。雑誌『READING LIFE』副編集長。WEB記事「国際教養学部という階級社会で生きるということ」をはじめ、大学時代からWEB天狼院書店で連載中のブログ「川代ノート」が人気を得る。天狼院書店スタッフとして働く傍ら、ブックライター・WEBライターとしても活動中。
メディア出演:雑誌『Hanako』/雑誌『日経おとなのOFF』/2017年1月、福岡天狼院店長時代にNHK Eテレ『人生デザインU-29』に、「書店店長・ライター」の主人公として出演。
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2018-02-22 | Posted in チーム天狼院, 川代ノート, 記事

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