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チーム天狼院

燃え尽き少女の一日。


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:近藤百合菜(チーム天狼院)
 
「あぁ、私、燃え尽きているんだ。」
 
言いようのない気持ちを言語化できたとき、それだけで心が救われたりする。
 
昨日の夜、お風呂に入る気が起きなくって、かといって寝る気にもなれなくて。普段は起きていないような時間まで起きて、ベットに寝そべりながら、スマホを見ていた。「今の自分に有益じゃない情報」を選んで、ただただ、2時間くらい見ていた。
 
「このままではいけない」
 
と、何とか思い直して、顔だけ洗って眠りについた。
 
起きると、時計は午前11時を刺そうとする頃だった。
 
「あれも、それも、これも、やんなきゃ」
 
心が唱える声をかすかに聞きながら、4時間、ベットに横たわりながら、ネットの海を漂った。
 
……私は、いま、色んなことに挑戦している。毎週提出する天狼院の課題、TOEICの勉強、オンライン英会話、イベントの主催、新規事業コンテスト。。まるで、教育ママのように、やることを詰め込んでいる。
 
全部、自分がやりたくてやったことだ。就職活動が終わって、残り一年を有意義に過ごしたい。やれることは全部やりたい。欲張りだっていいじゃないか。
 
1週間に一度か二度、疲れ切って寝込んだり鬱々としたりしたことはあったけど、4月から何とかやっていた。
 
でも、先週の金曜以降、なんだか調子がおかしかった。4日間、やろうと思えば出来たけれど、何もやらなかった。水曜日には何とかいつも通り「やることをこなす」ことに力を傾けられたれど、木曜には少し心の元気が無くなって、そして本日金曜日。私はからっぽになってしまった。
 
とにかくぼんやりする。ベッドの上から起き上がれない。熱をはかってみると、少し微熱がある。何も考えることができない私は、ただスマホを見ているしかなかった。
 
からっぽになりながらのネット航海中、少しずつ救われてた。尊敬している人の素敵な記事を読んだとき。無料公開されていたキングコング西野さんの絵本を読んだとき。多分私は救われそうな記事を無意識に選んで、むさぼるように読んだ。
 
多分ひとつひとつが少しずつ積み重なって、ようやくベッドから起き上がることができた。そして簡単な用意をして、私は外に出た。
 
いつも早足の私は、いつになくゆっくり、でもしっかり、歩いた。目当ては昼食。15:30を過ぎたのに、まだ何も食べていなかったからだ。人間の三大欲求の一つを満たすことで、また前に進めるんじゃないかと、ようやく思えたから。
 
でも、15:30に昼食を食べれるお店は、近くになかった。近くにあるのは、パン屋さんと、コンビニくらい。
 
私はその二つの選択をするのがどうしようもなく嫌だった。そもそもパンよりお米食べたい気分だったし、家に帰って食べることが怖かった。
 
私は目当てになりそうなお店を見つけて、そこまで一歩一歩歩いた。途中で引き返そうとも、違うお店にしようとも思ったけれど、
 
「今自分の意思に背くのは、ダメだ」
 
って、心がそう言うから、そこまで何とか歩を進める。その途中で、
 
「あぁ、私、燃え尽きているんだ」と、悟った。
 
……自分の様子がおかしくなった先週の金曜日は、新規事業コンテストの中間発表があった。
 
新規事業コンテストは、今している事の中で、一番辛い。他のことが手に付かなくなるくらい辛い。自分が考えている案が、アドバイスを貰いに行くたびに打ち砕かれる。一人で応募したから、辛いことを分かち合えない。
 
だんだん、「誰かに自分の案を話すのが怖い」っていう気持ちがむくむくと沸くようになった。
 
「またボコボコにされるんじゃないか」と思うと、誰にも相談できなくなった。友達であっても、「批判めいたこと」を言われると、耳を塞ぎたくなっていた。
 
そんな心もあって迎えた中間発表。審査員の方から思った通りのフィードバックを受け取って、私はそれまで考えていた案から変更した。
 
「なんでまたはじめから?大変じゃ無い?」
 
って声が聞こえてきそうだ。
 
でも、中間発表で100人くらいのリスナーから頂いたフィードバックを読む気がおきなかった。傷つくのは嫌だった。完全に消極的な理由で、私は案を変更した。
 
水曜にようやくその新しい案に取り組み始めたけれど、この案からも途方も無いやらなければいけないこと・ボコボコにされるところがあった。未来に見える長い道のりから、私は目を背けた。あの金曜日に、私の心は燃え尽きてしまっていたんだ。
 
……目当てになれそうなお店は思っていた雰囲気では無く気が沈みそうになったけれど、その隣の隣に気になる喫茶店を見つけて中に入った。
 
店内は、居心地がよいと、一瞬で感じた。背中を曲げた郵便局員さんと、週刊誌を読むおばあさんだけが、店内にいた。
 
「デミグラスソースやタルタルソースまで全て手作り」という言葉に惹かれて、カニクリームコロッケセットを注文した。
 
カニクリームコロッケセットはとても美味しくて、目に涙が溜まった。目当てのお米が食べれたからなのか、手作りの美味しさに胸を打たれたからなのか、店員さんの程よい距離感が好きなのか、分からないけれど。
 
この喫茶店に入ってから、私はこの記事を書き始めた。
 
書いているうちに、郵便局員さんもおばさんも居なくなって、お喋り好きなおばさん二人組や、雰囲気のあるおばあさんや、若い白シャツの二人組や、色んな人が入れ替わり立ち替わり来た。それでも居心地の良さは変わらなかった。
 
優雅に紅茶を注文したりなんかして、私はさっきよりだいぶ心が落ち着いていることを実感している。
 
美味しいご飯を食べて、三大欲求が最高の形で満たされたから。居心地の良い喫茶店でくつろいでいるから。そして文章を書いてるうちに、今の自分を見つめることができて、受け入れることができているから。
 
だからと言って、またフルスロットルは、ちょっと無理かな。少し元気になったからとフルスロットルを出して、つまずくのはよくあることだ。
 
今こうしていて、未来を受け入れた方がさ。未来が良くなりそうだし。だから、私もあなたも、ちょっと待ってよね。
 
≪終わり≫
***

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2018-06-18 | Posted in チーム天狼院

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