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10,000万回の「ちゃんとしなさい」は、効果なし!!


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記事:東方小百合(とうぼう さゆり)(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
「ちゃんとしなさい!」
このなんとも抽象的な言葉を私は、子どもに何回言ってきただろうか?
 
私の子育ては、自分の思いとやり方を押し付ける統制的な子育てだった。
悪いところをガミガミ言って、直させることが、子供の将来に役立つと
真剣に思っていた。
 
でも、「ちゃんと」って、何?
子どもは、何をどこまでやれば、ちゃんとやっていることになるのか?
 
「ちゃんと食べなさい」
「ちゃんと返事しなさい」
「ちゃんと考えなさい」
「ちゃんとした生活送りなさい」
「ちゃんと勉強しなさい」
 
あ〜、ちゃんと、ちゃんと、うるさい!! と今更ながらに思う。
 
子供が将来、大人になって、生きていくのに、「ちゃんと」ってどれくらい必要なのか?
 
それを自問自答する。
今までも、何回もしてきたことだった。
 
私は、子育てをする中で、いつも忘れてしまうのだ。
 
「元気ならそれでいい」
「子供が、楽しいことしているなら、それでいい」
「ちゃんと」には、意味がない。そう思うのに忘れてしまうのだ。
 
次男には、既往歴がある。
 
髄膜炎
脱水症
食中毒症
起立性調節障害
脳脊髄液減少症
肺縦隔気腫
 
漢字ばかりが並ぶこれは、すべて病名だ。
次男が、かかってきた病気。すべて入院を要する病気だった。
 
こんなにも、既往歴があるとは、驚きだ。
なぜなら、今の元気な次男からは、想像も出来ないからである。
身長183センチ、サーフィンをこよなく愛する18歳男子になっている。
 
次男が10歳の頃
私は、「ちゃんとしなさい」子育てをしていた。
 
それが、ちゃんと出来なくなってきた。
朝、起きれないのだ。
 
起き上がると、目眩やふらつきがする。
ひどい時は、嘔吐までしていた。
午前中は、起きれず、寝て過ごす。
 
しかし、夕方になると元気になるのだ。
夕飯もしっかり食べ、テレビを見て過ごす。
 
しかし、翌朝、同じ症状で、朝を迎えるが、朝だけ、ダメで、夜は元気になる。
「ただ、朝寝ていたいだけでは、ないのか?」
「学校へ行きたくないのか?」
「お友達とうまくやれてないのか?」
親として心配もした。
 
色々と勝手に推測もした。
「ただの怠け者なのか?」次男の仮病まで、疑ってしまったのだ。
 
病名がつくまでに、次男は、入院や通院、検査にたくさんの時間を費やしたが、原因が分からずにいた。
 
ある日、私は、次男の症状とまったく同じだという文章をネット上で見つけたのだ。それは、病院のドクターのブログだった。
 
「この病気だ! 脳脊髄液減少症」
 
母の直感!! すぐに病院の予約を入れる。
私の勘は、当たったのだ。
 
この病気は、ブラットパッチ(自家血硬膜外注射)という治療をする。
自分の静脈血を硬膜と背骨の間にある脂肪組織に注入するのだ。
要は、背中を丸めて、脊髄に注射するのである。
 
その治療後は、2ヶ月間絶対安静になる。
 
「このまま、元気に学校に行ける時が来るのだろうか?」
「運動は、出来るようになるのだろうか?」
「この子の将来どうなるのか?」
不安や心配が、これでもかとやって来る。
 
次男が入院中「ちゃんと病気治しなさい」
「ちゃんとご飯食べなさい」などと、一回も言っていない。
「ちゃんと」なんて言葉は、必要ないのである。
 
ただ元気になってくれれば……。
 
治療もちゃんとした。検査、点滴もちゃんとしていた。
何より、病気とちゃんと戦っていたではないか?
 
何回もやって来る次男の試練。
幸い、どの病気も克服できた。
完治しなかったら、次男の人生は、別のものになっていただろう。
 
健康であることは、それだけで、本当にありがたいことなのだ。
 
日常生活で、「ちゃんと」してないこともたくさんあるだろう。
出来ないこともあるだろう。
子供だけでない、私にもある。
 
出来てないことでなく、健康で、元気に毎日を過ごせることに目を向け、感謝することが、本当は、大事なことなのである。
 
たくさんの病気を克服した次男には、夢と希望がある。
オーストラリアでの学生生活とサーフィンだ。
4月には、渡豪の予定だったが、コロナ禍で、行けていない。
 
でも、次男は、ないものでなく、今、あるものに目を向けている。
希望しか見ていないのである。
 
私にも、希望が見えた。
 
緊急事態宣言の中、思春期真っ只中だった次男とたくさんの話をし、たくさんの時間を過ごせた。
お互い成長出来たのだ。これからも良い関係性を続けていく為に大切な時間だったと思える。
 
次男は、「思春期」を卒業した。
 
これは、私が「ちゃんと」を卒業して
今ここにあるものだけを大切にしたからだと思っている。
 
これからの次男の異国の地での生活は、病気も心配だが、それよりも思いっ切り人生を楽しんで欲しいと思っている。
次男には、輝く未来が待っている。
 
私の夢もひとつ増えた。
苦手な飛行機に乗り、次男の運転で、オーストラリア観光をすることだ。
 
 
 
 
***

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2020-08-01 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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