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思い出を刻むバッグ、いかがですか?


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:高柳翔子(ライティング・ゼミ通信限定コース)
 
 
「このバッグを今日から目玉商品として売るから」
大量に入荷されてきたバッグたちを目の前に社長は私たち社員に発表した。
赤や紺、オレンジ、ラベンダーなどの様々な色と、レザーやナイロン、スエードと言った様々な素材が使われた、変わった形のワンショルダーバッグだ。
社長曰く、ある女優がテレビ番組で雑誌の切り抜き片手に探し求めて購入したバッグで、他の共演者もそれをきっかけに購入したバッグ。女優が購入して以降はママバッグとして人気を集めていると紹介されていた。社長はこれは売れると期待をもって商品を入荷したのである。
社長の目論見通り、そのバッグは売れた。女優が購入していた赤色のレザー素材のバッグはすぐに在庫がなくなった。他の種類のバッグも品薄状態になった。社長はこれを更に売り上げる為に販促をかけたいと考えていたようだ。出来れば20代の女性に。
正直私にはピンとこなかった。このバッグは20代の女性には売れないだろうと思っていたからだ。20代で子持ちになった友人やママドルと呼ばれる彼女たちはハイブランドのトートバッグをママバッグとして使っている。私から見て、目の前にあるこのバッグは大きいサイズの方でも荷物がたくさん入らなそうに見えた。ママバッグとして使うならもっとたくさん荷物を入れなければいけないのにこんな見た目で大丈夫なのだろうかと思わずにはいられなかった。しかもそもそもその女優自体が私よりも世代が上だ。名前を出したら「古い」と言われるかもしれない。
そこで20代の女性である私も会社の目玉商品として人気があるそのバッグを購入して、旅行で使ってみることにした。
結論から言おう。このバッグは20代の女性にもおすすめである。
まず一番気になっていた荷物。折りたたみ傘や財布、携帯電話にポーチまで入れても余裕がある。ポケットが内側に7つもあるからたくさん物を入れられる。たくさん荷物を入れても全然重くない。ショルダーバッグなのに、肩に負担がかからないのだ。
このバッグを開発したきっかけはバッグの開発者の妻が背中を手術した後、トートバッグに仕事で使う教材を入れて持ち運ぶことに非常に苦労した事だ。それで「背中や肩に負担がかからず、たくさんに荷物が入る鞄」を作る事を目指してこのバッグを完成させていたのだから。私は独身だけど肩こりに悩んでいたし、ついたくさん荷物を入れすぎて鞄が重く感じてしまう時もある。私みたいな人間にもありがたいバッグだったのだ。
カバンを下ろさずに背負ったまま中から荷物を出せるのもいい。旅行に持って行ったときは、旅行の時にも観光ガイドやデジタルカメラ、財布を簡単に出し入れするのに非常に役に立った。
友人と遊びに行くときに持ち歩いても、しずく型のデザインのシングルストラップのショルダーバッグはおしゃれアイテムとして十分に機能する。おしゃれなママがママバッグとして愛用しても機能としても十分に役に立つ鞄だと私も自信をもってお勧めできる。勿論働いている独身女性にもおすすめのバッグだ。
 
……上記の文章は昔私が働いていた職場の事を思い出して、その会社で目玉商品として発売していたバッグについて書いたブログ記事を想定して書いた文章の書き出しだ。その会社は大学を卒業して最初に入った会社で、海外輸入した衣服や小物を販売するネットショップだった。その会社で私はブログの更新を担当していた。
今の自分があの職場にいたら、こう書くだろうと思う。これでも不十分かもしれないが、昔の私はバッグのおすすめポイントだけを羅列して買ってくださいと言う記事しか書いていなかった。バッグは確かに購入して使っていたが、具体的に自分が使ってみた感想も「使い心地が良かったのでオススメです」としか入れなかった。
文章を書くのは好きなので任された時は、何とかなるだろうと思っていた。けれど会社向けのブログを作成するとなると大変だった。他の業務もやりながらブログを更新するとなると、テーマ自体探す事も大変だった。ブログで注目を集めるキャッチコピー本などは読んでいたものの、自分が使うように少し改変して使う程度だった。当然そこから読者数が上がるわけもなく、販促に繋がるわけもなかった。
そもそも私には仕事への情熱が足りていなかった。円安により業績が悪化した事が原因で私はその会社をリストラされたが、それまで私は必死に働いていた。「新人に自分の業務を教える事になったと想定して」業務マニュアルを作成して仕事を覚えるようにする等、会社で働く為に努力をした。だけどそれは自分が給料をもらって、休みの日に遊びに行き続ける為でしかなかった。
そんな私に対して社長は「君が仕事をしているのがお金の為、休みの為だと言うならばこの会社は辞めてくれて結構だ」と入社してしばらく経ってから言った。その言葉に私は心の中でイラっとしていた。皆がお金と休みの為に仕事をしているのを会社が暗黙の了解で受け止めているのに何で私だけそれを否定されなきゃいけないんだと思っていた。
その会社を辞めてしばらくして、私はようやく気づいた。「仕事とは等価交換だ」と。仕事をするのはお金をもらって休みの日に遊ぶ為、と考える事自体は問題ない。だけど誰の為に仕事をしているのかと言えばそれは顧客の為なわけで、顧客の為に良いサービスを提供した見返りとして報酬をもらえるのだと言う事に気づかなかったのだ。
それに気づいてからは仕事への向き合い方が変わった。お金が欲しい気持ちは変わらないけれど、「どうすれば良いサービスをお客様に提供できるか」と言う考え方を持って仕事に取り組むようになった。自分の為にするだけではなくて、相手の為に仕事をすると言う意識を持ちやすくなって真剣に仕事に取り組めるようになった。
最初の会社を辞めてから転職するまで半年以上かかった。その後に入った会社も業績不振で契約終了となったが、私の仕事への意識が変わって努力の評価ポイントも上がった為かすぐに仕事が決まった。その時に入社した職場で6年間今もずっと働いている。
 
購入したそのバッグは仕事をやめて何年も経った今でも愛用している。使い勝手が良いのもあるが、最初の職場での経験を自分の中に刻んでおく為でもある。
何年経っても、たくさんの思い出を刻みながら使い続ける事が出来る「ヘルシーバックバッグ」。ショルダーバッグを探している人、一度検討してみてはどうだろうか。
 
 
 
 
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この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。
 

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2020-08-14 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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