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メディアグランプリ

お客さま相談室は会社の顔である


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:三浦加織(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「そこまでする!?」封を開けた私は思わず小躍りした。
メールを打った2日後に思わぬサプライズが届いていたからだった。
 
今週の出来事だ。近所のスーパーに買い物に行った際、ふと山積みになった袋菓子に目を奪われた。
それは、見たこともない可愛いキャラクターが描かれた、聞いたこともないお菓子メーカーのチョコスナックだった。
私は会社にもお菓子の引き出しがあるくらい、スナック菓子が大好きだ。それがネタで会社のオウンドメディアで取り上げられたこともあるので、それなりに詳しいことは自負していた。
それなのに、そのお菓子のメーカーもキャラクターも正直知らなかった。
 
ただ、とぼけた動物を模したキャラクターが大写しになっているその袋菓子は、そのキャラクターの絵も可愛くて、チョコとクリームとクラッカーが一体化したお菓子自体も美味しそうだったので、思わず手に取り、試しに買ってみることにした。200円もしない値段も魅力的だった。
 
帰宅して袋を開けるなり、「かわいい!」と叫んだ。
そこには、可愛いキャラクターの絵がついた個包装が6つ、全部違う種類で入っていたのだった。
さらに封を開けると、チョコレートには様々なキャラクターの表情が立体的に加工されてあり、それにくっ付いているクラッカーにも、そのキャラクター語で全種類違う一言メッセージが書いてあった。
たった200円足らずのお菓子にここまで凝る? というくらい、リッチでニクい演出が施されていた。
そして肝心のお菓子の味も、3袋を一気に食べてしまったくらい、私好みで美味しかったのだった。
 
きっとこれは私が知らないだけで、世の中の認知はそれなりにあるに違いない。
そこで、検索エンジンやTwitterでこのお菓子やキャラクターの名前で検索をかけてみたが、そこまで何かに引用されたりツイートされている形跡はなかった。どうやら、世の中でもそこまで認知が高いとはいえないようだった。
だからなおのこと、この会社が純粋にこのお菓子に愛情と情熱を傾けて製品づくりをし、キャラクターの設定やパッケージに凝り、サイトのコンテンツで盛り上げて、これから知ってもらおうと努力しているんだろうな、と想像してしまうのだった。
 
こんなに可愛いお菓子がまだ世の中に認知されていないなんて!
私は知る人ぞ知るこのお菓子にすっかり魅了されてしまい、この想いを誰かに伝えたくなった。それならば、まずはこの会社の人に伝えるべきだ、そう思ってお客さま相談室宛に、簡単なメールを書いたのだ。
「このお菓子が可愛くて美味しくて一度買っただけなのにファンになりました、これからも応援していますので作り続けてくださいね!」と。
 
ところで、私は自社でSNSの運用担当をしている。
実際、お客さまからのたった一言で、落ち込んだり、反対に勇気づけられることも多い。
ましてやお客さま相談室の方など、毎日様々なクレームや心ない言葉に心を痛めることも多いと思う。
だから、あなたの会社のこのお菓子のファンになりました、という簡単な言葉であっても、担当者1人だけでもいいから笑顔になってくれるといいな、そんな思いからキーボードを叩いたのだった。
 
次の日の朝、1通のメールが届いた。
この会社のお客さま相談室の新田さん(仮名)という方からだった。
「わざわざこのような応援メッセージを頂いたことに感謝しています。そしてあなたの応援の言葉は従業員の励みになります。これからもこの商品をよろしくお願いします」などと綴られてあった。
私がメールを送ってから半日も経たないうちに返答してくださった早さ、また簡単な応援メッセージ一つに対しても律義に書いてくださった、新田さんのフットワークの軽さと顧客を大切にする姿勢に、感激したのだった。
そして私自身も、これからも感動した商品や体験には素直にメールを送ろう、と良い気分にもなった。
 
驚いたのはその後だった。
また次の日にポストを開けると、見慣れない会社から茶封筒が届いていた。
例のお菓子の会社からだった。
開けてみると、差出人は、メールを返信してくれたお客さま相談室の新田さんだった。
「激励のメッセージとても嬉しかったです。従業員の励みになるので皆に見せようと思います。これからも一層がんばります。また同封した品は非売品ですが手元にあったので送ります。これからもよろしくお願いします」という趣旨の手紙が添えられ、例のキャラクターの絵が描かれた、クリアファイルとシールが入っていた。
 
私は200円もしないお菓子を一度買っただけの客で、メールを1通送っただけにすぎないのに。
それに対し、メールを書き、手紙を書き、さらにノベルティまで送ってくださった。
私の1通に対して2通+αだ。コスパが合わない。
メールへの返信、及び、社内への送付確認、送り状の作成、郵送、品物代などを考えると、誰が見ても割に合わないコストだと思う。
しかも、「手元にあったので」ときた。この心遣いが琴線に触れない人がいようか。
 
だから、こうまでしてくださった新田さんの好意に、また、このような好意を善しとしている会社の姿勢に、頭が下がる思いだった。
同じような仕事をしている立場の私は、どうなのだ。
果たして私は、そして私の会社は、お客さまがどのような気持ちでメッセージを送っているかを想像し、それに応えようと本当に考えていただろうか。リスクとコスパばかりを考え及び腰になっていなかっただろうか…。
 
思わずこの会社がどんな企業理念なのか、また求人はあったりするのか、会社概要を見てしまったくらいだ。
たった一度の体験だけで、その会社のイメージが出来てしまう。ましてや求人があったら入社したい、そうまで思わせてしまう、そんな体験をしたのだった。
 
そしてこの一連の体験談をプライベートのSNSで投稿したところ、100以上のいいねが付いた。
これだけでもその会社の良い認知は上がる。その伝搬力は強くはないが、少なくとも価値観が近い私の知り合いには届いたと思う。現に私の同僚は、このキャラクターに親近感を感じ、サイトのコンテンツを見て感想を言ってくれた。
 
私は改めて、一人の社員の行動が、その会社全体の印象を決めてしまう、という体験をした。
お客さま相談室の新田さんのおかげで、私はこの会社を知り、良い会社だと認知し、人に勧めよう、という気持ちになったのだから。
 
今回の体験を通じて、これから自社のSNSに対するコメントを書く際も、その人がどのような立場でどんな気持ちでコメントを書いたのか想像し、「その人がどう、何を返答されたら嬉しいか」、そんなことを考えて発信しようと心に刻んだのだった。
 
お客さま相談室の新田さんが会社の顔だったように、私もSNSでは会社の顔なのだから。
 
 
 
 
***
 
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2020-10-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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