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朝ごはん食べる?食べない?


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記事:sato(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「いっけなーい! 遅刻、遅刻!」
 
慌ててカバンを掴み、ジャケットを羽織りながらトーストをくわえて駅までダッシュ。
 
ベタな漫画のワンシーンだ。
リアルでその光景を目にしたことも無いし、自分でしたことも無い。だが、遅刻を目の当たりにしてもなお、朝食は食べなきゃという意気込みは私も同じだった。
時間が無ければバナナ1本でも豆乳1杯でも、とりあえず何かお腹に入れなくちゃ、一日の活力源だもの。最終手段としてはコンビニで何か買って仕事場で食べる。
 
家庭を持ってからは、家族の朝ごはんはキッチリ作った。ご飯にお味噌汁という和朝食の時もあれば、パンに目玉焼きという洋風の時もある。いずれにせよ朝ごはんは欠かしてはいけないと思っていた。
 
だがある時夫が、朝食を食べると胃が重くて通勤の満員電車が辛いから、会社に着いてから食べることにしたい、と家での朝ごはんから離脱した。
 
中学生の娘は娘で、今日はパンじゃなくてご飯がいいだの、今日は午前中に持久走があるからバナナだけでいい、ガッツリ食べていくと横腹が痛くなるからなどと言い出す。
 
考えてみれば娘だって中学生。小さい頃ならともかく、もう家に食べ物さえあれば自分が食べたいものを見繕って自分の朝食くらい用意できるはずだ。
ご飯は炊いてあるし、作り置きのおかずもある。パンや何かしらの果物もある。ほぼ盛り付けるだけで朝ごはんの一丁上がりなのだ。
そう思い至り、ならば我が家の朝食は各自セルフサービスでということになった。
 
思いがけず家族の朝食から解放され、私も私でその日の気分で食べたいものを食べるようになったある日、ふと、以前からたまにネット等で目にしてちょっと興味を引かれたものの、家族との朝食を考えると無理だなと思っていたことを試してみようと思い立った。
それは『16時間断食』である。1日24時間のうち16時間は何も食べない。残りの8時間の間は普通に食べてOKというものだ。『半日断食』、『プチ断食』などとも呼ばれている。1日だけではなく、生活習慣として続けるのだ。
 
これまでずっと朝ごはんは大事!と叩き込まれてきたが、結構な数のお医者さん達も「不調の9割が消える」、「消化器官を休ませる時間を作る」などと朝食抜きの16時間断食を推しているのを目にして試してみる気になったのだ。
 
生理学的に見て、人間の1日のサイクルは
 
・正午から午後8時まで…栄養補給と消化時間
・午後8時から午前4時まで…吸収と代謝の時間
・午前4時から正午まで…排泄の時間
 
なのだそうだ。
つまり正午から午後8時までの間に食事(昼食・夕食)をし、午後8時から午前4時までは体はそれらを吸収し代謝する。午前4時から正午までは、吸収できなかった余分なものを便や尿などの老廃物として排泄させる。このように体のサイクルは回っているのだそうだ。だから一般的な朝食の時間は排泄の時間に当たるので、新たに食べ物を入れない方がいい。
 
ざっくり理解したところで早速実行に移した。
最初のうちはこれまでの習慣で朝起きるとつい何か食べたい気がした。でもお腹が空いているのかと言うとそうでも無かった。お茶やコーヒーを飲むことで十分やり過ごせた。間食は無しだがお昼と夜は特に制限無く食べたいものを食べることにしていたので、今日は何にしようかじっくり考えて楽しみにしていた。
 
数日続けて気づいたことは、これまでいかにのべつ幕なし食べ物を口にしていたかという事だった。朝食をしっかり食べたのにお昼までの間にお菓子をつまみ、夕食までの間にもコーヒーブレイクと称してクッキーやチョコを食べ、夕食後も目に付いたスナック菓子の袋を開けたりしていた。お腹が空いているわけでは無いのに、目が欲するのだ。起きている間はいつも消化器官が働きづめだったろうと思う。1日3食の場合、消化に使うエネルギーはフルマラソンと同じくらいなのだそうだ。1日3食プラスちょこちょこ間食していた私は毎日フルマラソン以上のエネルギーを消化に費やしていたのだ。
そのせいか寝覚めが悪く、日中もよく眠気と戦っていたが、いつの間にか朝シャキッと起きられるようになり、特に午前中は頭がスッキリしていることに気付いた。
 
最初のうち感じていた空腹感も慣れてくるとむしろ気持ちよく感じるようになった。今までお腹が空く前に何か口にしていたのだ。明らかに食べ過ぎだったと思う。
『腹八分目』と言うけれど、これは食べ物が豊富に手に入る現代日本ではなかなか難しく、『腹十分目』どころかつい食べ過ぎて『腹十二分目』になってしまう。ならば1日1食減らせば『腹四分目』分を減らせることになり『腹八分目』になる、とどこかで目にした理論を思い出して、納得した。
 
そのお陰で体重にも変化があり、
BMI(kg/㎡)=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)
で計算すると、これまでは
 
やせ18.5未満
標準18.5〜24.9
肥満25以上
高度肥満30以上
 
の標準内ではあったが、上昇傾向になっていた。それが16時間断食を始めてからはスルッと落ちて、18.5の当たりでずっと固定している。この辺がちょうどいい体重なのだと思う。
 
今ではこの生活を始めて2年目になるが、朝食に時間を取られないことで朝の時間にゆとりが生まれ、午前中の眠さも無いので頭がクリア、標準の下限の体重をキープ、といいことずくめである。
 
ちょっと体が重いかも…と気になっているあなた、まずは1週間試してみませんか? それで得られる体の軽さに驚いて、その後は無理なく自然に続けられるかも知れませんよ!
 
 
 
 
***

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2020-11-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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