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その判断ちょっと待ってください


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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:Toshiya Yamada(ライティング・ゼミ日曜コース)
 
 
「すみません、これについて教えて下さい」
「ああ、これはこうすれば良いのだよ」
 
これは良く見かける光景ではないだろうか。先生と生徒、上司と部下、言葉づかいは変わるかもしれないが親と子、兄弟姉妹間でもある。
僕自身もベテランと言われる年代になり、専門分野については聞かれることが増えた。
回答については迷うことは少ない。裏付けとなるのは、蓄積された知識と経験だ。
 
ただ正直に言うが、正解のない問いになると判断に迷うことはもちろんある。そんな時には、上手くいく可能性が高そうだと思う方法に決めることにしている。
 
「それって勘じゃないですか」
と突っ込まれたら
「そうだよ」
と開き直るしかない。
 
それは多少上手くいかなくても、リカバリーできる自信がある分野だから通用する話だけれど。
 
即断即決、効率の最大化、とにかく現代ではスピードが求められる。
 
でも、それほど経験値がない分野ではどうだろう。ちょっとかじった程度の内容について 質問をされたとして的確に答えを出すことができるだろうか。
 
僕は基本的には本当に知らないことは知ったかぶりはしないようにはしているが、答えられる程度に知識があることなら、「こうすれば良いのではないかな」とか「こうだと思うよ」くらいは言っているかもしれない。いや、間違いなく言っている。
 
その場はなんとなく収まるが、でもこれって本当に正しいのだろうか?
 
2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの著書「ファスト&スロー」によると、人が判断を間違える原因は、自分では検討したつもりだが、そこで錯覚が起こっていることに気が付かないことにあるそうだ。
そこで、本書の中では「どうして錯覚に陥るのか? どのようにすれば合理的な判断ができるのかについて解説されている。
 
そしてこの本のタイトルにもなっている、ファスト&スローは、「早い思考」と「遅い思考」の2つの思考システムのことで、意識することなく脳が動くことで答えが出るものが早い思考と言われている。
 
また早い思考の特徴は、すぐに理解しすぐに行動することである。これは、経験によって身に着けることができるし、特定のパターンだと認識できた時にすばやく判断することができる。一方で、信じた事を裏付けしようとする(確証バイアス)、感情的な印象で全てを評価してしまう(ハロー効果)などが起こりがちになるのである。
 
例えばこんなケースである。
① 見たものがすべてだと判断材料がないのに誤解している。
② 情報の表現に引きずられる。
→生存率90%=死亡率10%だが、イメージでは生存率90%>死亡率10%
③ ハロー効果により一つの良い評価が全体の判断基準になる。
④ 好きなものが1つでもあれば好意的な評価をする。
⑤ 日常的な行動や相手の見た目の印象で評価をする。
⑥ 少ない事例しかないのに好みの結果が出ていると好意的に思ってしまう。
⑦ 数字が出てくると影響されて騙されてしまう。(アンカリング効果)
⑧ 最近見たことや起こったことを信じやすくなってしまう。
 
これらのケースを見てどうだろうか。結構な割合で当てはまるのではないだろうか。
(僕の場合は全部心当たりがあった……)
 
逆に意識して脳を動かし答えを出すものが、遅い思考である。つまり、一瞬見たもので
すぐに答えを出すのではなく、「ちょっと待てよ」と一旦立ち止まって注意深く検証したりたりすることになる。
 
つまり、早い思考で答えを出したことについて
「これは間違った思い込みを材料にして判断していないか」
と注意を促す存在なのである。
 
この早い思考と遅い思考を上手く組み合わせることで、より正しい判断ができるようになる。
 
ただし、1点注意が必要なのは、感情的になると「遅い思考」が「早い思考」を擁護するケースが出てくることだ。
 
例えば、
① ダイエット中に、お菓子を見て早い思考で衝動的に「食べたい」と思う。
→遅い思考で、食べても大丈夫な理由を考える。
② 思いがけない臨時収入が入り、喜びのあまり早い思考でブランド品を購入。
→遅い思考で、ブランド品を買ってしまった正当性を探す。
 
このように、結論が正しいことを裏付ける情報や検証はないかと考えてしまうのである。
 
もちろん、何でも細かく検証する必要はない。自分の経験から明らかなことは、スピードを優先したほうが良いこともあるだろう。
でも何でも反射的に判断するのではなく、時と場合また必要に応じて、自分の考え方のクセについて考えてみること。また客観的な事実から判断できているかを、一旦立ち止まって考えてみる事も大切なのではないだろうか。
 
 
 
 
***
 
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2020-11-22 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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