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なぜ雨女は嫌われるのか


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記事:姫蝶(ライティング・ゼミ 平日コース)
 
 
「私が行くと絶対雨が降るんです!」
 
私の部下に、自称・雨女の20代の女性がいた。彼女いわく、彼女が同僚と魚釣りに行くと、絶対に雨が降るそうだ。
絶対=100%? それは、どういうことなのだろう?
 
 
雨女がいれば、自称・晴れ女もいる。
 
自称・晴れ女の彼女は、私のリハビリ担当の作業療法士だ。彼女は今年、12月上旬にハワイで挙式した新婚さんである。
この時期、ハワイは雨季である。「ウエディングドレス姿で、ビーチで写真を撮るのが楽しみ!」と、彼女は、お天気のことを全く心配していなかった。
 
彼女が帰国したあと、「お天気はどうでしたか?」と聞くと、「私、晴れ女だから、バッチリでした!」と自慢げに写真を見せてくれた。
彼女がハワイに滞在した日の前後は、現地は大雨だったそうだが、彼女が滞在している間は、みごとに晴れたらしい。羨ましいほどの晴れ女パワーである。
 
 
自称ではなく、他称・晴れ女もいる。
 
私の祖母は、親戚から晴れ女として崇められていた、他称・晴れ女である。
今から20年ほど前、私は5月末に挙式したが、挙式当日の天気予報は雨だった。
雨が降ったら、ホテルの庭園で記念撮影ができない。
 
「雨が降ったら、感動も半減するなあ」と、天気予報を見て、私は雨を心配したが、父が「おばあちゃんは晴れ女だから、絶対に晴れるよ!」と自信満々に言い切った。
いったい、何を根拠に? 私は父の言葉にあきれた。しかし、なんと天気予報はみごとに外れ、父の予言どおり、祖母は晴れ女パワーを発揮して、晴れにしてくれたのだ。
「おばあちゃん、すごい!」
 
それ以降も、今は亡き祖母は、晴れ女パワーを何度も私に見せつけた。
 
 
雨女と晴れ女は、何が違うのだろう?
雨を降らすパワー、晴れにするパワーは、どこから来るものなのだろう?
 
ちなみに、私は雨女ではない。別に勝負しているわけではないが、強烈なパワーを持つ雨女が揃うと、負けることがある。
 
滋賀県近江八幡市に職場のメンバーで遊びに行ったときだ。
私の部下には、もう一人、自称・雨女の部下がいて、その日は雨女が2人揃ったのだった。最悪だった。もちろん、みごとに雨に降られてしまった。
「ごめんなさい、私たち雨女だから」
 
先に教えて欲しかった。それなら、行き先を変更したのに。
近江八幡は「水郷巡り」が有名なので、船に乗ったが、雨に濡れ、冷えて風邪を引いてしまった。楽しかったが、とても寒かった思い出だ。
 
 
そろそろ正体をばらすと、実は、私は自称・雪女である。
 
初めて九州の阿蘇山に登ったときだ。
ゴールデンウィーク中の5月上旬だったが、頂上に着いてびっくり! 雪がドカドカ降ってきた。かなり酷く降ってきたので、ほとんど見学する時間もなく、下山しなければならなくなった。
タクシーの運転手も、「5月に阿蘇に降る雪は50年ぶりですよ。こんな日に阿蘇に旅行だなんて!」と興奮していた。強烈な思い出である。
 
また、山口県からの出張の帰り、初めて倉敷に行ったときだ。
翌朝目覚めたら、外は一面真っ白の雪景色だった。在来線も新幹線も遅延し、大阪への帰りは混んで大変だった。
それは何十年かぶりの大雪で、美観地区には早朝から雪景色を撮るために、カメラマンがたくさん集まっていた。私も雪景色を見に行ったところ、カメラマンのおじちゃんたちに取り囲まれ、モデル役をさせられた。恥ずかしかったが、印象深い思い出である。
 
初めて富士山に行ったときも、朝起きたら初雪で富士山が真っ白だった。
また、今年の12月中旬に初めて彦根のホテルに泊まったが、夕方から雪が降り出し、彦根城は初雪で真っ白になった、などなど、私の雪女パワーは絶大である。
 
雪女といっても、凍りつくような怖いイメージではない。
大阪では滅多に見ることができない、一面真っ白の雪景色を見ると、旅はより深く印象づけられる。
私は、自分が雪女であることに、ポジティブなイメージを持っている。
 
 
しかし、冷静に考えてみると、私が雪を降らせた回数は、実は10回もない。
雪が降る時期に旅行に行った日数と、その時期に雪が降る確率を考えると、旅行に行った日に雪が降る確率は、人に寄らず同じだろう。それが偶然、季節外れの雪だったり、何十年かぶりの大雪だったり、もしくは、初雪だったりして、より強く記憶に残っただけかもしれない。
 
同様に、旅行に行った日に晴れる確率、雨が降る確率は、人に寄らず同じはずだ。
 
 
私の周りの晴れ女を分析すると、晴れ女には楽天的な人が多い。
だから、旅行に行って晴れると「私は晴れ女だから」と自慢する。もし、雨が降っても、その日のことは記憶に残らないか、もしくは、「雨女のせい」にするのではないだろうか?
 
一方、雨女には心配症の人が多い。
だから、旅行に行って雨が降ると「私が雨女だから」と申し訳なく思う。彼女たちは「雨」に焦点をあてているので、もし晴れても、その日のことは記憶に残らないのではないだろうか?
雨が降ったことを、自分のせいだと思い込み、「ごめんね、私、雨女だから」と謝るのだ。
 
雨が降ったことをなぜ謝るのだろう? 
雨女パワーで雨を降らせたと、真剣に思っているのだろうか?
 
もし、雨を降らせるパワーを持っているのだとしたら、雨女はあちこちから引っ張りだこだろう。農家は大歓迎するだろう。農家にとって雨は恵みの雨だから、雨女は嫌われるどころか、感謝されるはずだ。
 
 
雨女は嫌われる?
 
いや、違う。それは、「嫌われる雨女」を演じているからだ。
 
 
雨に濡れたアジサイを撮りたいカメラマンにとっては、晴れ女は嫌われるが、雨女は感謝されるだろう。
雪が多い地方では、屋根の雪降ろしは大変なので、雪女は大人には嫌われるが、雪で遊びたい子供たちには好かれるだろう。
 
つまり、「感謝される雨女」になることもできるのだ。
 
雨女であることを卑下する必要はない。
それは、あなたの強みなのだから。
 
 
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2017-12-26 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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