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占いはあなただけの地図だ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:斎藤多紀(ライティング・ゼミ日曜コース)

 
 
 占い師になって10年ほどになる。占い師のもとにくるお客様は、当然何かしらの悩みを抱えている。それを解決して欲しくて、占いをするのだ。しかし、正直なところ占いで100%悩みが解決するとは言えない。むしろ、解決はしないけれど、解放されるといったほうが正しいかもしれない。そして解放されるかどうかも、お客様によるのだ。
 これまで鑑定をしてきて思うのは、お客様には大きく分けて2種類の人がいるということだ。1つは、「私はこれからどうなりますか?」と聞く人。もう1つは「私はこれからどうしたらいいですか?」と聞く人。この2つの問いは、似ているようでまったく違う。前者は、幸運が訪れるのをただ待っている人。後者は、幸せになれる方法を聞き行動を起こす人だ。どちらがより幸せになれるのかは、もちろん後者だ。
 しかし、多くの人は占い師は未来を予言する人だと思っている。みんな、「今は不幸かもしれないけれど、何年何月頃には幸運期になるので、いいことがありますよ」と言ってほしいのだ。確かに、その人の運勢によって幸運期や不運期はあるが、じっとしていたのでは今と何ら変わらないというのが事実だ。
 ただ、だからといって占いが無意味だとは思わない。チャンスが訪れる時期には、自分のやりたいことにどんどんチャレンジしていけばいいし、運勢が今ひとつの時期は立ち止まって今後のことをじっくり考えるといったように、運勢の波をうまく乗りこなしていけばいいのだ。そんな風に占いを活用すれば、人生にメリハリができるし、どうすればいいのか途方にくれることもないと思う。
 占いはその人だけの地図のようなものだ。たとえばゴールが結婚だとしたら、そこへたどりつくまでの道筋はいくらでもある。北の方角へ旅する? 昔の同級生に連絡して紹介を頼む? 身近にいる人を見直してみる? などなど方法をいくつか指示してあげて、選択肢を増やしてあげるのが占い師の役割だと思う。地図を活用して、道を進んでいくのはお客様自身だ。ゴールまで一番最短のコースを進むのか、まわり道をしてもいいからじっくり時間をかけて取り組んでいくのか。それを決めるのは、占い師ではなくお客様なのだ。
 
 これまでこんなお客様もいた。バーテンダーをしている方から鑑定依頼を受けたとき、「今ちょうど新しいチャレンジをするといい時期ですね」と言ったら、その方はすぐに勤めているお店を辞めて、独立開業してしまったのだ。まさかそんなにすぐ大胆な行動に出るとは……と思ってしまったのは無責任かもしれないが、占いは人の人生を大きく変えてしまう可能性も多分に秘めているので、その自覚は持っていなくてはいけないなと改めて思い知らされた。
 
 また、こんなお客様もいた。「今付き合っている人が5人いるのだけど、どの人がいちばん相性がいいですか?」とのこと。鑑定した限りでは、一番年が若く、一番お金がなく、一番頼りなさそうな人が、相性的にはバッチリだった。そのことを率直に伝えたら、そのお客様はその男性を選んで結婚したのだ。今は子どもにも恵まれて幸せに暮らしている。
 占いの活用法として、何でもいいからどうするのか決めてもらうというもアリだ。迷って迷って決められず、結局何もできないのがいちばんよくない。先に占いは地図だと述べたが、たくさんの道がある地図もいいが、1本道しかない地図を渡すこともときには必要だと思う。お客様が一本道をまっしぐらに歩んでいけば、何かしら今とは違う人生を手に入れられるのは明白なのだから。
 
 占いは万能ではない。決して占ってはいけない禁忌事項というのがある。それは、「死期」「ギャンブルについて」「病気に関すること」である。これは占い師としての最低限のルールだと思うが、ときにこれを守らない悪徳占い師もいるので注意が必要だ。
 昔私が占ってもらった占い師は、「あなたの名前の画数を見ると、悲惨な事故で死ぬと出ています」と言った。そして、それを回避するためには、10万円する印鑑を作らなくてはいけないと強くすすめたのだ。鑑定料は3000円とリーズナブルだったのだが、インチキ銭ゲバであることはなはなだしい。同じ占い師にみてもらった他の人の話も聞いたのだが、その人は「あなたの息子はもうじきガンで死ぬ」息子を助けたいなら印鑑を作れと言われたのだそうだ。しかも、「地獄の沙汰も金次第」と言ったというのだから最低だ。
 
 怪しいと思われがちな「占い師」という職業。特に、男性には占いは不評だ。これまで合コンに何度も行ったが、占いの話をしたとたんに、男性たちに嫌な顔をされた経験は1度や2度ではない。とはいっても、迷っていたけど決断できてよかったと感謝されることも多い仕事なので、これからも誇りと謙虚さを持ってこの仕事をやり続けていきたいと、今改めて決意をしている。

 
 
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2018-08-29 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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