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母が「結婚相談所」に通い始めた理由


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:二平 燎平 (ライティング・ゼミ平日コース)

「りょうへいには行ってなかったけど、結婚相談所に通い始めたんだよね。私」

今でもはっきり覚えている。
今年一番、びっくりした。耳を疑った一言だ。

忘れもしない、6月30日(土曜)。
その日を僕は勝手に「母が結構相談に通い始めた日」と呼んでいる。

「りょうへいには行ってなかったけど、結婚相談所に通い始めたんだよね。私」

「そうなんだー! 相手が見つかるといいねー!」
と、軽く相槌を打ったが、結構びっくりしていた。

不安と面白さと様々な感情が僕の心の中に芽生えた。
僕に新しいお父さんができるのか?   

僕も26歳になったから、新しいお父さんができても何も変わらないだろうけど、
気まずいだろうなぁー。というようにまだ見ぬ、新しい父親に不安を抱く笑。
でも、母には幸せになってもらいたいなぁー。と心では思う。

今年から結婚相談所に通い始めた母。

自分で言うのもなんだが、僕の母は綺麗な人だ。
母が若い頃は、ミスコンテストで優勝していたらしい。
誤解を恐れずに言っておくと、僕はマザコンではない。

母は今年で49歳を迎える、美魔女という言葉が似合うだろうか。
繰り返す、僕はマザコンではない。

もう25年以上前である。
僕の母と父はハワイで出会ったらしい。
母曰く、美男美女のカップルだったとのこと笑。

出会って、意気投合し、1年後ほど経つと結婚していた。
しかし、結婚して僕が生まれて、1年足らずで離婚してしまった。

離婚してから、母は非常に苦労をした。
なぜなら、女手一つで僕を育てなければ行けなかったからだ。

幸いにも、母の実家に、僕のじいちゃん、ばあちゃんがいたため、母は仕事に行くことができた。そこで母が始めた仕事が水商売であったのだ。

あなたは水商売と聞くと、どんなイメージを持つだろうか? 
悪いイメージ? 華やかなイメージ? 大変そうなイメージ? 

テレビドラマにもなった女王みたいなものを頭に思い浮かべる人もいるかもしれない。
黒革の手帖というドラマをイメージする人もいるだろう。

僕の小さな頃の母の仕事のイメージは「すごい大変そうな仕事だなぁ」というものだった。
なぜならば、帰ってくるのはとても遅い。帰ってきたらトイレで吐いている。母はお酒が弱かった。お酒がある程度飲めないとできない商売でもある。へんな態度をとるお客さんもいた。

僕が小さい頃は、子供ながら「仕事大変だなぁ」と思って母を見ていた。事実、母も何度も水商売をやめようと思ったらしい。

しかし、母はその仕事を、ずっとやめずに働き続けた。今でも母はその仕事を続けている。職歴も僕の年齢と同じだ。それだけ長く働いている人も周りでは珍しく、地元ではある種、伝説の人になっているらしい。県のお偉いさんや社長さん達がよく母を指名するようで、母はとても売れっ子だ。

母がずっと仕事を頑張ってくれたおかげで僕は、私立の高校と大学まで通うことができた。

大人になって思ったが、女手一つで息子を私立の高校と私立の大学に通わせることは、非常にお金がかかることで、普通の家庭でも大変なことだと思う。相当、仕事を頑張ったんだなと思う。

最近になって、母と飲みに行く機会があり、母がよく言うのが、

「私は大学に行きたくても、行けなかったからりょうへいには、どうしても大学に行ってほしかったんだよね」

「りょうへいが生まれた時に、社会人になるまではなんとしても仕事をやり抜こうと思った」

「自分一人だけだったら、絶対に仕事を辞めてたと思う。りょうへいがいたから仕事を続けられた」

「仕事は辛かった時もあるけど、今は天職に感じる。続けていてよかったよ」

僕は思った。母は強い人だと。
僕は思った。母は僕の為に頑張ってくれていたんだなと。
僕は思った。心の底から、育ててくれてありがとう。と。

そして、これからは、母、自分自身の人生を生きてほしいと思った。いままで僕を育てるために仕事第一に生きてきた母。正直言って、自分のことを考える余裕がなかったと思う。

母はよく言う。「りょうへいを育てるために必死だった」と。

そんな母だからこそ、自分の人生を生き、母には幸せになってもらいたい。
だって、こんなに頑張ってきたのだから

母が結婚相談所に通い始めた理由。

それは、母の新たな人生へ向けた第一歩かもしれない。
新たなチャレンジかもしれない。
母が、自分の人生を生き始めたのかもしれない。

僕は心の底から、母の婚活を応援している。
なぜならば、母には幸せになってほしいからだ。

僕は母が結婚相談所に通い始めた本当の理由は知らない。

ただ、1つ言えることは、母には幸せになってほしいということだ。
だって、こんなに頑張ってきたのだから。

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2018-10-17 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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