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車が盗まれた?! はた迷惑な物忘れと更年期


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記事:HIDE(ライティング・ゼミ平日コース)
 
 
超大規模な駐車場で、車を停めた場所を忘れてしまい、購入した大量の食材を持ちながら数時間さまよった……という話を聞いた。
私も停めた場所をしばしば忘れるため、彼女の不安や情けなさをともに味わってしまった。
 
スーパー、ショッピングモール、高速道路のサービスエリアなどなど、大きい駐車場は苦手で、停めた場所を私は覚えていられない。
子どもたちが同乗しているときは覚えていてくれるので安心だが、子どもの成長とともに頼れる場面も少なくなっている。
 
「駐車した場所に車がないの! どうしよう!!」と、数年前に半泣きしながら家族に電話したこともある。この時は、買い物の途中に他の場所に移動していたことをすっかり忘れていていただけだったのだが、「もしかして盗まれてしまったのか?」と思い込んで大騒ぎした。
 
今でも「車がない!」と思うことばしばしばあるのだが、この件からは、一人のときは駐車場所の写真を撮ったり、目印をメモするようになった。
また、焦るほどに見つけられないことを体験したため、「見当たらないだけだから大丈夫」といいきかせ、深呼吸してからお水を飲むことで気持ちを切り替えている。
 
私の置忘れは、多発する。
とくに、眼鏡と携帯電話は、置いた場所を忘れる度に、「なくした!」と日に何度も騒ぎ立てる。
しかし、眼鏡はなければコンタクトを入れればいいし、携帯はPCから『iPhoneを探せ』で音を鳴らせば何とかなることを知っているので、私自身困ってない。
しかし、子どもたちは若干、いや、かなりイラっとするらしく、「ちゃんと探してから騒いでよ!!」と毎度かなり真剣に怒られている。
 
数年前まで同居していた元相方からは、「お前の不注意は酷すぎる」と迷惑そうに言われていた。この頃は、大事なものを無くしたり、職場の人にもけっこうな迷惑をかけていたため、子どもがメンタルケアでお世話になっているドクターに、「先生、私ってADHD(注意欠如・多動症)だと思いますか?」と相談したことがある。
 
ドクターからは、「不注意によるミスが多いことや、他にもADHDの方にある特性をかなりお持ちのようですが、あなたからは病的なものは感じないので違うと思います」といわれた。正式な検査はしなかったが、その答えに納得した。
 
私の物忘れがひどくなったのは、40歳を過ぎたころからだった。
家庭と仕事のほかに、自分のための勉強を始めたこともあり、毎日フル稼働していた。時間と心に余裕がなくなったせいか、仕事でのうっかりミスも増えていた。
 
40歳を過ぎてからの「物忘れ」の増加なんて、若年性の認知症かも……という不安もふっと頭をよぎったが、女性の場合は「更年期障害でも物忘れがひどくなる」ことを知ってちょっと安心した。
 
女性ホルモンの一つであるエストロゲンは認知機能には深い関係があるため、エストロゲン値が大きくゆらぐ更年期は、気分の落ち込みや不安感など“うつ状態”になりやすく、このうつ症状に伴って更年期特有の「もの忘れも」が増えるそうだ。
 
そういえば、物忘れもひどかったが、心の安定もひどく欠いていた時期だった。
子どもたちのことで生活状況が大きく変わったことや、家族間のトラブルなどが原因だと思い込んでいたが、自分の年齢的な問題も影響しているのか!と思ったため、さっそく、エストロゲンを増やす取り組みをした。
 
自分のために腸内環境を整える食事を用意したり
たまりまくった家事を翌朝に持ち越して睡眠を優先したり
過緊張になりがちな身体をほぐすためのストレッチや瞑想をしたり、
仕事量を大幅に減らしてもらった
 
また、「更年期症状への対策ですから!」と明言して
おしゃれなカフェに行ってみる、
一人でふらりと映画にいったり、
昼からスーパー銭湯にいってみたり、
芝生の上をはだしで歩いたり、大の字に寝転んでみたり……
自分が心地よいと感じること、楽しいことやワクワクすることを、いろいろやってみた。
 
しばらくすると、心のワサワサは減り、物忘れでパニックになることは減った。
 
時間と心の余裕を取り戻したのだろう。
余裕ができたことで、ミスしたときの対処もうまくできるようになり、それらを習慣化していったように思う。
 
エストロゲン値が安定化すればうつ状態になりにくいため、もの忘れも落ち着いていく傾向があるという。
ホルモン投薬に抵抗があるため通院しない選択をしたが、子どもの頃からのうっかり者ゆえ、自分で何とかしようとするサバイバー精神がいい具合に作用したようだ。
 
自分のダメなところを嫌というほど見たが、生活と自分のことを見直すいいキッカケだったと今では思う。
忘れ物への対応法をしっただけでなく、自分を大切にすることの重要さを学んだ。私の気持が安定すると、結果的に、家族への対応が向上し、子どもたちの気持も安定していったのだ。
 
また、物忘れによるミス連発で人に迷惑をかけたかもしれないし、今でも不快にさせることもあるのだろうが、できないものはできないのだ。
助けてくれる人たちへは、心からの感謝を伝え、別の形で恩返ししていけばいい、と思えるようになったことも豊かさだと感じている。
 
「もの忘れも神様からのギフト」だ。
嫌なこともすぐ忘れられるし、うっかり者も悪くない。
 
 
 
 
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2019-08-08 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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