出会いたい相手と出会う第一印象の作り方
*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。
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記事:藤井 美穂(ライティング・ゼミ日曜コース)
「そもそも第一印象ってなんだと思います?」
「え?」
爽やかな笑顔で楽しそうに話す男性カメラマンから向けられた質問に、一瞬戸惑ってしまった。まるで、某番組の頭が大きい女の子のキャラクターに怒られてしまいそうな、間抜けなリアクションだった。
先日、婚活をテーマにしたお茶会に参加したときのことだった。
大人の女性を可愛く見せる写真術を聞かせてもらえるとのことで、婚活中ではないものの、友人が主催していたこともあり、参加させてもらった。
新宿の高層ビルの20階にあるカフェ。土曜日の午前中、一面ガラス張りの空間は、外の光をたっぷり取り込み、心地よい空間となっていた。
そんな中で、私たちのテーブルはちょっと熱気を帯びていた。婚活コンサルタントの女性とカメラマンの男性が今回のお茶会の主催者だ。そこに私と、もうひとりの参加者である、本当に婚活中の、30代と思われる女性が座っていた。
お茶会は、婚活コンサルタントによる会話チェックから始まった。チェックシートに書いてある質問で、当てはまるものにチェックをいれていく。それぞれのシートを見ながら、コンサルタントが初対面の人と話す時に心がけるとよいことを解説してくれた。婚活中の参加者の悩みも聞きながら進められていった。私はそれを聞きながら、「ビジネス交流会で話すより大変だな」と思っていた。その思いは、カメラマンの話を聞いてさらに強くなるのだった。
カメラマンがリサーチしたところによると、やはり、男性側は婚活マッチングサイトなどで、まず女性の写真を見るとのこと。「男性は、写真を見るよね」と、婚活コンサルタントも大きくうなずいていた。
しかし、ここからが問題だ。ただ写真があればいいわけではない。
メインとなるプロフィール写真はもちろん大事で、スタジオで撮影したものより、外の明るく柔らかい雰囲気で、ナチュラルな感じに撮るのがいいそうだ。
(すでに、この時点でかなり注文が入っている気がする……)
まさに、ここが第一印象。第一印象は3ヶ月から半年続くそうなので、頻繁に会うなら挽回&するチャンスもあるが、たいていは初めに見た印象がかなり続いてしまうそうだ。だからこそ、写真は大事、ということだ。
どんな印象を相手に持ってもらいたいかで、選ぶ写真も変わってくる。
そのためには、まず、自分の望む姿をしっかりと考えること、イメージすることが必要だという。
たいてい、「結婚するならどんな人がいいですか?」という、よくある質問のように、どんな相手がよいのかをまずは考えるのではないだろうか。
しかし、実は、自分がどんな結婚生活をしたいのか、どんな人生を送りたいのかがわかっていないと、それに合う相手を見つけることはできない。
そのカメラマンは、プロフィール写真を撮るときは、まずヒアリングをして、未来はどんなふうになっていたいのかを聞くのだという。被写体の想いと共通のイメージを持って、撮影に臨むのだそうだ。
そうして撮ったプロフィール写真を見てもらうのと、まるで免許証の写真を撮るように機械的に撮った写真では、第一印象が変わるのもうなずける。どちらの写真がいいかも、言うまでもないだろう。
メインのプロフィール写真は、第一印象を決めるだけではない。
2枚目を見たくなるか、プロフィール文を読みたくなるか。それもこの1枚目の写真にかかっている。
1枚目の写真の印象がよくなければ、次は見てもらえないのだ。
婚活マッチングサイトでは、複数の写真をアップできるところもあるそうで、その写真の選択も大事である。
メインのプロフィール写真は正面から撮ったもの。そのほかに、斜め横顔や全身を撮ったものは必須。そのほかの写真は、趣味や好み、世界観がわかるものをアップするとよいらしい。
例えば、プロフィール文でスポーツ観戦が好きなことを書いていたら、野球場のスタンドで、ユニフォームを着てメガホンを持ち、楽しく応援している様子の写真なんかがあるとよい。また、料理が好きなら、作った料理の写真だけではなく、作っている時の写真を友達に撮ってもらい、それを掲載するとよいそうだ。
それらの写真が、実際に会った時の会話につながるとのこと。
「なるほど……。これはもうマーケティングだ」と独り言ちた。
結婚相談所では、記録写真のように機械的に写真を撮るところもあるらしいが、お茶会に参加している彼女が登録しているところは、すごくきれいに撮ってくれるそうだ。
ところが、きれいだからよいというわけではない。自分が思っているのと違うタイプの人が来てしまうので、これは見せ方が間違っているということなのだろう。実際に、以前会った男性から、「プロフィール写真と雰囲気が違うね」「お会いすると、もっと柔らかい雰囲気だから、写真を変えたらいいのに」と言われたことがあるそうだ。
バタフライガーデンをご存じだろうか。その名の通り蝶の庭だ。そこは、蝶が寄ってくる花を植えてある。蝶が好きな花は、蝶の種類によって違う。
人間も、好みの人に興味をもってもらえるものを、マッチングサイトに並べておけばいいわけだ。
ところが、人間の場合は花と蝶のように単純にはいかない。なぜなら、自分自身が何の花なのか、どんな相手が自分に合うのかがわからないことも多いからだ。
なので、まずは自分がどんな結婚を望み、どんな人生を望んでいるのか、どんな生活を楽しいと思い、何を幸せと思っているのかを明らかにすることが大切なのだ。
その望む姿をイメージして、写真をそろえたり、文章を書いたりするといいらしい。「望む姿の自分」を気に入ってくれた人が、反応してくれるからだ。
第一印象とは、こんなふうに自分で作るものだと教えてもらった。
果たして自分の望む姿はどんなものなのか。素敵な未来を想像しようと、土曜日の晴れ渡った空に目を向けた。
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