『ガイアの夜明け』漁師と元商社マンの被災地での挑戦/オーガッツ《READING LIFE EXTRA》
被災まもなく、まだ食べ物も満足にないころのことです。
宮城県は雄勝の漁師、伊藤さんはこう言ったと言います。
「家も船も全部流されたけれども、俺は新しい漁業をやる」
その心意気に惚れ込み、住民票を雄勝に移してまで、伊藤さんとの事業にかけたのが、元商社マンの立花さんでした。
伊藤さんが思い描いたのは、「漁業の6次化」。
1次産業の「漁」、2次産業の「加工業」、三次産業の「小売業」
これを自らすべてやり、漁師が直接お客様に商品を届けようというのが、6次化です。
オーガッツは獲ったホタテを加工業者に頼まずに、自ら商品として磨き上げることによって、ホタテの単価を3倍にまで伸ばします。
そういった取り組みが評価され、ニューズウィーク日本版で、日本を救う中小企業100社に選ばれました。
伊藤さんの言葉が、心に強く残りました。
「オーガッツだけでなく、水産業全体でうまくいったときに成功の光が見える」
ちょうど、先ほど、僕は自分で開発した新しい書店のための経理システムで、様々な書店の実態を経理的に丸裸にしておりました。
そこで見えてきたのは、衝撃的な真実でした。
そのシステムにかけることによって、なぜ書店業界が苦しんでいるのか、一目瞭然となりました。
何度試算を繰り返しても、どうやら、間違いではないらしい。
幾度となく、ため息がこぼれました。
一方で、天狼院のモデルは、悪い数値ではない。まあ、試算の段階なので実際はどうなるかはわかりませんが。しかし、他の様々なタイプの書店の、丸裸にされた収益モデルを見るに、何とかせねば、とやはり思ってしまうのです。
もっとも、僕にできることは限られています。けれども、きっと、僕にしかできないことが数多くあるだろうとも思います。
これからは、更に他の書店さんとのコラボレーションの道を探っていかなければならない。そう思いを新たにしました。
もちろん、まずは東京天狼院をオープンさせて、完全に軌道に乗せることが先決です。
これまで通り、オープンにむけて全開で行こうと思っております。
《メモ》
産業の6次化
オーガッツ。
ホタテの単価を3倍に。
ニューズウィーク日本版で、日本を救う中小企業100社に選ばれる。
新しい漁業をやる伊藤さん。
元商社マンの立花さん。
震災を機に生まれ故郷の宮城に戻り、伊藤さんと出会う。
「家も船も全部流されたけど俺は今から新しい漁業をやる」
食べるものもないときに、すごいことを言うなと思った。
オーガッツの立ち上げに加わる。
三陸名産のワカメ。
サンシャイン60の社員食堂。
1日1000人が利用。
ここに三陸名産のワカメを売り込む。ワカメのしゃぶしゃぶ。
「オーガッツだけでなく、水産業全体でうまくいったときに成功の光が見える」
ヤフー、社員数4000人
1日のアクセス数17億pv
売上3247億円(2012年)
二代目トップ宮坂学(45歳)モットーは「爆速」
「事業として復興支援をする。何としてもやる」
ヤフー石巻復興ベース。社員5人を送り込んだ。
長谷川琢也(35歳)
「東北でビジネスをやって黒字化する」
宮坂社長の懐刀。ヤフーのエース社員。
被災地の復興ビジネスを軌道に乗せるまで東京に戻らない覚悟。
宮城県産の牡蠣は12月から価格が下がってくるが、実は、実入りが良くてもっとも美味しいのが春先の牡蠣。
長谷川さんは、東京の料理学校で、春の牡蠣を使った料理を開発してもらう。
カキのリゾット。
それを真空パックにしてレトルト化。
復興デパートメントというヤフーのページで販売。
インターネットを役立たせる。