少年ジャンプが教えてくれた思いを育てる重要性
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記事:村人F(リーディング倶楽部)
現代は情報化社会と言われている。
ネットで検索すればあらゆる情報がすぐに手に入る時代だ。
犬の散歩をいい感じにできる公園もすぐわかるし、マンガを面白く描くためのテクニックなんかも大量に出てくる。
そのせいか、物事を始めるときにまず技術論の話からついつい入ってしまうクセがついてしまった。
ほんのちょっと概要を調べたら、どうやったら早くできるのかネットで調べ、とりあえずやってみる。
そんなフローが続いているように思える。
仕事の方法だったらそれでもいいかもしれない。
ただマンガだったり、歌だったり、そういう芸事の領域だと問題が出てくる。
技術論をいきなり見ても、すぐにできないことがほとんどだからだ。
ネットじゃ誰でもできるって書いていることも、全然できなくて悩むことがザラにある。
そしてすんなりできるのはその人が凄いだけで、才能のない僕には無理だという具合に挫折する場合も増えてきているように思う。
こんな状況で、少年ジャンプの編集部が出したマンガの教則本が「描きたい!!を信じる 少年ジャンプがどうしても伝えたいマンガの描き方」だ。
本書も最初は技術論を強めにした本を出すつもりで企画したらしい。
ただ連載陣の先生方に、技術論よりもっと大事なことがあると言われたため、方向性を変えたとのである。
その連載陣の先生が言った大事なことは、
「描きたい」
その思いの重要性だった。
マンガを描くと真っ先に技術論を身に着けようと思うのが普通のやり方だと思う。
しかし、それよりまず描きたいという自分の思いを強く育てることが大事だと言う。
だから、それをしっかり持つことから始めましょうというのが本書の主題である。
この目線で本書を見ると、たしかにプロの先生方はどなたも強い思いを持っていることがわかる。
本の中に、「2ページで終わるマンガを書いてみよう」という初心者向けの練習法が書いてある。いきなり長いページに取り組もうとすると心が折れるから、まず短い話を完結させようという方法だ。
そしてプロの実践例が載っているのだが、2ページなのにどれも面白かったのである。
「銀魂」の作者のマンガは普通に爆笑できたし、美少女に定評のある作者はテーマに沿った女の子を可愛く書いていた。
なにより、2ページの中に「描きたい」と思ったことが大量に詰め込まれていた。
描きたい思いを育てる重要性は、作家陣へのインタビューでも伝わってくる。
呪術廻戦や鬼滅の刃など、ジャンプを代表する大ヒット作を手掛けた方の回答を見てみると、全員が大量の作品に触れていたのである。
マンガを描きながら、テレビで映画やアニメを見るようにしたり、増刊号に載っている作品を全て読んでみたり、とにかく多くのインプットをしていたのである。
これは多くの作品に触れることが、描きたい思いを育てるのに有効だからなのだろう。
このように本書では、技術論より大事な描きたい思いの大切さを強く訴えていた。
これは、おそらくマンガだけに留まる話じゃないと思う。
例えば、英語がある。
TOEICで点数を取れと言われるが、全然勉強する気が起きず、成績も中学生レベルということがよくある。
この原因を考えてみれば、話したいという思いを無視して、いきなり試験勉強という技術論に取っ掛かっていることが原因に思える。
そうなると英語を勉強してもなんの役に立つのかわからないと、やる気が湧かないのも仕方のないことだろう。
そうではなくて「海外旅行にいきたい!」、「外国の人とお友達になりたい!」といった英語を使ってやりたいことをまずしっかり持つことが大事なのだ。
こういう強い目的があれば、自然と力を入れて勉強するのである。
本書はこのことを改めて教えてくれたように思う。
この本を読んで、さすが少年ジャンプは違うなと改めて思った。
ジャンプは多くの少年に夢を与えてきた雑誌である。
それは、夢を叶えた人達を大量に見てきたことを同時に示している。
だからこそ、技術論よりまず思いが大事だと気付くことができたのだろう。
本書はマンガを描きたい人はもちろん、英語や歌など新しいことを始めたくても踏ん切りがつかない人にも読んで欲しい。
「描きたい」という思いを育てることは、全ての物事をやる上で最も重要なことだからだ。
そういったことを教えてくれる本書は、「マンガの描き方」だけでなく「人生の生き方」の決定版といえるだろう。
そして、少年ジャンプには思いを育ててくれるマンガがたくさんある。
これを考えるとジャンプは教科書と言ってもバチはあたらないだろう。
僕も少年ジャンプと共に、「描きたい」ことを育てていこう。
そして、マンガの主人公のように全力で駆け抜けていきたい。
***
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