3年の命(Part 2)
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:山口畝誉(『超』ライティング・ゼミ)
「あと3年の命だったら何をするだろうか?」
それはとてもパワフルな質問だった。
あと3年の命だったら……そう考えることは、自分にとって何が本当に大切なのかを考えるきっかけを与えてくれた。
アップル創業者であるスティーブ・ジョブスも語っていた。
「自分がいずれ死ぬのだと考えることは、人生において大きな選択をするときに助けとなる最高のツール」だと。
余命が1日だとしたら、やることは明確だ。愛する人たちに感謝を伝える、愛していると伝える。だが、これが3年となると話しは変わってくる。
この世に生を授かって、自分は何を成し遂げるために生まれてきたのか? 本当に欲しいものは何なのか? 使命は何なのか?
そんな質問を突きつけてくる。
3年という時間は長いようで短い。短いようで長い。何か本気で成し遂げようと思えば、成し遂げられるちょうど良い期間かもしれない。
残された時間の中で、本当にやりたいことは何なのだろう?
私はかれこれ20年以上前に、「人生でやりたいこと100のリスト」を作った。リストの中にはたわいもないものもあった。そのリスト一つ一つを常に頭においたわけではないが、知らず知らずのうちにそのほとんどはクリアしていた。
「あっという間の人生」という詩がある。
夢中で駆け抜ける10代
真剣に将来を考え始める20代
人生の分かれ道を迎える30代
迷いながら信じた道を突き進む40代
残り時間を意識して選択する50代
自分を確立し始める60代
どの年代もあっという間に過ぎる
行きたい所があるなら行く
会いたい人がいるなら会う
やりたいことがあるなら全てやる
人生は自分が思うよりも短く
いつ終わるのかわからないから
こんな詩だ。
この詩に出会ったのは4年前。
何よりも後悔したくなかった私は、この詩に出会う前から「今、ここに」に焦点を当てて生きてきた。
行きたい所があるなら行く。会いたい人がいるなら会う……そう思っていた。
今、50代。残り時間を意識して選択する時期にいる。
私は昨年「ビジョン・クエスト」と称するセミナーに参加した。
「ビジョン・クエスト」は、元々はネイティブ・アメリカンが成人になるための儀式だ。一人広野に1ヶ月、誰とも口をきくことなく、自身と向き合う。水とほんのわずかな食料だけを口にして。徹底的に内省する事で、自分の使命は何かを知る。それがネイティブ・アメリカンにとっての儀式なのだ。
私が参加した「ビジョン・クエスト」はその超簡易版だった。それは、ちょうどコロナが蔓延する直前にスケジュールされていた。2泊3日で沖縄の恩納村に飛んだ。
その超簡易版「ビジョン・クエスト」は丸1日かけて自分と向き合う尊い時間だった。誰とも口をきくことなく、沖縄の恩納村の海をぼんやり眺めながら、過去にあったことを思い出し、それをノートに書き綴って過去を手放す。それが済んだら、これからの未来のビジョンを描く。これからどうありたいのか、どうなりたいのか、どうしたいのか……。
あれから1年。思い起こせば、あれがコロナ前の最後の国内旅行になった。
「行きたい所があるなら行く……会いたい人がいるなら会う……」このことがどんなにか尊くありがたいことだったかをコロナは教えてくれた。
スティーブ・ジョブスが語っていたこと。
「自分がいずれ死ぬのだと考えることは、人生において大きな選択をするときに助けとなる」ということをコロナはリアルに突きつけた。
「あと3年の命だったら何をするだろうか?」
この質問への答えの一つは、昨年の「ビジョン・クエスト」で浮かんだ未来。
だから、私は今こうして「超・ライティングゼミ」に出ているのだろう。
書くことは、ビジョンを達成することに通じると信じて。
あなたはあと3年の命だったら何をするだろうか?
***
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