君と会えたから
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人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜
記事:川口 公伸(ライティングゼミ超通信コース)
僕の好きな作家の一人に喜多川泰さんという人がいます。
僕が仕事でつらいことが続いていた時期にこの人の本を知り、たくさんの影響を受けました。
喜多川さんは塾の先生だということもあり、若い人向けの本を多く書いている作家さんです。
でも、僕が喜多川さんの本に出会ったのは30代半ばになってからのことでした。
それでも、喜多川さんの本から得るものは大きかったのです。
僕が喜多川泰さんの本を初めて読んだのは、『「福」に憑かれた男』という本でした。
この本を知ったのは新聞の広告がきっかけでした。
この本は会社勤めをしていた主人公が父親の書店を次ぐところから始まります。
初めは経営者になるということにちょっと魅力を感じていた主人公だったのですが、経営は全くうまくいきません。
しかし、それは主人公についている見習いの福の神の仕業だったのです。
困難を乗り越えた時に人は大きく成長します。
そしてそこには沢山の出会いがあります。
そんな物語が読みやすく面白く描かれている本でした。
しかもただ面白いだけではなく主人公に共感し、主人公の成長を良かったと思える物語でした。
次に喜多川さんの本を読んだのが『君と会えたから…』という本でした。
僕にとってこの本と出会えたことはとても幸せなことだったと思います。
僕がこの本と出会ったのは偶然のことでした。
その年の年末、当時の上司から図書カードをもらい、行きつけの書店に行ったところ目に留まったのがこの本でした。
普段あまり立ち寄らない棚に、表紙が見える状態で並べられていたのがこの本でした。
何が気になったのかは覚えていませんが、それでも結局この本を読むこととしました。
しかも実はこの時、この本の作者が『「福」に憑かれた男』と同じ作者だということに気づいていませんでした。
この本の主人公は高校生の男子です。
そして、主人公の家も書店です。
やりたいことや目標を見つけられず、ただ漠然と夏休みを過ごしていた主人公の前に一人の少女が現れます。
同級生だというその少女による人生を豊かにするための授業により主人公は変わって行きます。
そして少女の授業は、僕にも大きな影響を与えました。
この本を読んだのは30代も半ばを過ぎた頃のことです。
だから、会社勤めをしていて将来の夢とか目標などと言うものはなくてもおかしくない状況でした。
それでも、今からでも何か出来るのではないかと思いました。
それから、喜多川さんの本を探して読むようになりました。
そして、『「福」に憑かれた男』と『君と会えたから…』が同じ作者によるものだと気づいたのでした。
喜多川さんの本は、基本的には若い人へ向けて書かれた内容のものが多いのですが、読むたびに色々と気づくことがあり、影響を受けています。
それまでの偏った考え方に対して、違った角度からものを見ることに気づかせてくれます。
読んでいく中には「もっと若い時に読んでいたら」と思う本がたくさんありました。
それでも、あの時に『君と会えたから…』という本に出会ったことで仕事をしていてもやりたいことがあって良いと思えるようになりました。
それにやりたいことは一つに絞らなくても良いと思えるようになりました。
物語の冒頭で主人公は成功者として登場します。
そして回想する形で物語が始まっていきます。
現在の主人公にとっては遠い過去の思い出となっている出来事です。
しかし、その夏の出来事があったから現在の主人公がいます。
僕自身、もしも将来何かこれまでと違った形で成功することがあったとしたら、それは『君と会えたから…』と言う本の影響が大きかったと言えるでしょう。
高校を卒業して就職をし、定年まで無事に勤めることが当然のことだと思っていました。
だから、夢や目標は必要ありませんでした。
しかし、仕事を続けていくうちに環境は変わります。
いつしか仕事が辛いと思うようになりました。
定年まで勤めることに対する自信をなくしていきました。
それでも、仕事を辞めることも、休むこともできませんでした。
高校を卒業した時に今の会社で定年まで勤めると言う選択をしたからです。
そんな時に出会ったのが、『君と会えたから…』でした。
この本の中で描かれていたメッセージは、「人生で決まっていることは一つだけ、それはいつか必ず死ぬということ」でした。
逆のことを言えば、それ以外のことは何も決まっていないと言うことです。
だから、どんなことでも出来るのです。
方法や手段は変わるかも知れません。
それでも、やりたいと思ったことは出来るのです。
僕は、『君と会えたから…』と言う本からそんなことを教わりました。
今も僕は仕事を続けています。
しかし、仕事以外のいろいろなことに興味を持つことができるようになりました。
こうしてライティングを学んでいるのもその中の一つだと思います。
『君と会えたから…』と言う本との出会いによって僕の人生も変わったのかも知れません。
***
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