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読書が苦手だった僕が、ペア読書会で知った本を読むことの本当の面白さ


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

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記事:大塚 久(ライティング・ゼミ2月コース)
 
 
「読書が趣味です」
一度は憧れる言葉だ。僕は読書がとにかく苦手だ。せいぜいマンガを読むくらいで、仕事に必要だなと思って買ったハウツー本やビジネス書などが一度も開かれないまま積み上がっている。とりわけ小説が苦手で、学生の時に教科書で出てきた走れメロス以降、面白いと思ったことが一度もない。本当は本を読みたいのだが、一度読んだところを忘れてしまっていたり、次の行だと思って読んでいたら同じ行を読んでいたりと読むのがとにかく苦手なのだ。
 
でも今では読むのが得意とまでは言わないが、好きになった。
 
好きになったのはペア読書会というものを開催したのがきっかけだ。3年前くらいにオンラインサロンの企画でペア読書会というものを主催した。ペア読書会とはみんなで一緒に同じ本を30分間読み、その後30分間本の感想をシェアするというものだ。みんなで読むので苦手だろうが何だろうが本を読まなきゃいけないし、後で感想を言わなきゃ行けないから内容もちゃんと覚えていなくてはいけない。本を読むときの集中力が一人で読んでいる時と段違いなのだ。
 
正直いうとやりたくなかったが、オンラインサロンのみんなが「面白いからやりましょう!」という流れになり、断るに断れなくなって渋々始めた。しかも時間帯は朝の6時から7時。早起きまでしなければいけない、もう最悪だ。
 
そして初めてのペア読書会。開催した後の感想は「最高」の一言だった。本を読むことが面白いと感じたのはこれが初めてだ。まず朝6時からパソコンの前に集まり、zoomを繋いで無言で本を読む。この光景だけで面白くないか? 朝の忙しい時に何をやっているんだ自分は?
 
そして読み方がいつもと違う。いつもは読んで終わりだけど、今日は後でシェアタイムがある。少しでも先に進みたいし、少しでも覚えておきたいから読むスピードは段違いに早いし、重要だと思ったところは付箋まで貼っている。一度読んだところを忘れたり、同じところを2回読んでしまっていた自分はどこに行ったんだ? これはもう読むのが好きな人なんじゃないか?

1番面白いのがシェアタイムだ。同じ本を読んでいるのに感想がみんな違うのだ。当たり前といえば当たり前なのだが、同じ本を同じ30分、同じ時に読んでいるのに全然違う。同じ30分の過ごし方なのにそこで経験するものがこんなに違う。もちろん同じ感想で共感する部分もあるが、全然違う感想に「その視点があったか!」と新たな気づきがある。一冊本を読んだだけなのに参加した人数分の視点が手に入った気分だ。これがすごく面白い。
 
いろんな視点が手に入るのって、いろんな座席でライブやスポーツの試合を見ているようなもので、正面後方から全体を見るのもいいし、推しの近くで食いついて見るのもいい、たまに横の角度から見て袖に下がる最後まで見るのもいい、これが一回のライブで全部見れたらこんなに楽しい事はないし、何よりコスパもいい。
 
このペア読書会を続けているともう一つ大きな謎が解けた。それはなぜ僕は小説が苦手かだ。
シェアタイムで「著者の人は何でこれを伝えたいんだろう?」という感想がよく出てくる。ペア読書会で読者の視点をシェアすると知りたくなってくるのが著者の視点なのだ。著者の視点はハウツー本やビジネス書だと大体最初の章に「この本を書くのはなぜか?」みたいな感じで書いてある。でも小説にはそれが無い。小説はなぜこの物語を著者が書きたかったか、それで何を伝えたいのかを自分で考えて想像するしかないのだ。それがわからなかったから小説が苦手だったのだ。著者の視点っていうのがあることをペア読書会で気づいたのだ。
それに気づいてから小説を読むのがとにかく面白くなった。今僕の推しの作家さんは吉本ばなな先生と小川糸先生だ。
 
実は本を読むことの本当の面白さって感想を誰かと喋ることなのかもしれない。喋ることで読んだ本の面白さが何倍にも増幅される。そして著者が本当は何を伝えたいのかみんなで考えることができる。それがわかって「だからこれを書いてるのか!」と繋がったときの面白さは半端ない。面白く感じる本ってみんなで考えることのできる余白が多い本なのかもしれない。
 
ペア読書会を始めるまであんなに読むのが苦手だったのに「次は何を読もうかな?」と本屋に足を運んでいる自分がいる。もう読書がやめられない。
 
 
 
 
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2022-03-30 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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