全ての道は筋トレに通じる
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記事:牛丸ショーヌ(ライティング・ゼミ)
僕は世界的に有名な「ゴールドジム」というフィットネスジムに5年ほど前から通っている。
そして、この春からは並行してキックボクシングジムにも通い始めた。
大学生が公務員試験や資格試験に備えて、予備校に通うことを「ダブルスクール」と言うそうだが、その法則にならうと「ダブルジム」と言うのだろうか。
そんな僕が、ジムに通い、継続してトレーニングをしていく中で気づいたことがある。
最近はますますその思いが確信に変わっていった。
「筋トレ」はあらゆることに適用できると。
結局は全てのことは「筋トレ」で解決できると。
筋トレをすることによって、世の中にある「不安」や「悩みごと」の大抵が解決すると本気で思うようになってきた。
「筋トレしてる人」はなぜ筋トレをするのだろうか?
世界のエグゼクティブは朝早起きして、何をしているのかという問いに対して、大抵がランニングと筋トレを習慣にしていると聞いた。
企業のリーダーたるもの、健康を第一に考えるのは当たり前。
ただ、彼らはそれ以外のメリットをいちいち口外せずとも、十二分に理解して取り組んでいるのだと僕は思っている。
僕が筋トレを始めた当初、全くこのことに気づいていなかった。
男たるもの強くありたい、猫背を矯正したい、夏場にSサイズのTシャツを着て、上腕二頭筋をカッコ良く見せつけたい。
これが僕のゴールドジムに通い始めたシンプルな理由。
もともと、格闘技に造詣が深く、護身術を習っていたこともあり、何の違和感なく通い始めた僕はまず、筋トレの奥深さ、難しさに驚くことになる。
鍛えれば、筋肉ってつくものでしょ?
筋肉痛になって、プロテイン飲んで、また筋トレすれば自然とつくんじゃないの?
このような浅はかな考えから始まった僕は、自らの人体実験を通じて、「筋トレ」が世の中のあらゆることに通じていると気づくことになる。
一般的には「筋トレ」は文字どおり「筋肉」を鍛える(トレーニング)ことであり、肉体的な変化が精神面に影響し、結果、メンタル面も強くする効用があると思われている。
一方で、僕はトレーニングを行うプロセスにこそ本当のメリットがあると考えている。
これこそが、筋トレが仕事(ビジネス)にも直結する理由だ。
「健全な精神に健全な肉体が宿る」という格言がある。
この格言の真意は、金持ち、地位、才能など人間の欲求は果てしなく、これらを願うべきではない。これらはいずれも身の破滅をもたらすことになるから、もし願うなら、心身ともに健康であることぐらいにしておきなさい、ということらしい。だが、一般的に周知されている、たくましい精神を持つには肉体を鍛えないとならないという曲解された意味は、文字どおり筋トレにおける表面上のメリットを端的に表している。
筋トレをすると身体が強くなる。
基礎代謝があがる。
免疫力が高まる。
風邪などの軽い病気にかからなくなる。
実際、僕は筋トレを始めてからというもの、高熱を出して寝込んだことは一度もない。
それから、これはまだ実験途中で根拠はないが、「花粉症」も改善された。
筋トレの強度を上げてプロテインとグルタミンを適度の飲むことのより、ほぼ花粉症の症状がなくなった。
筋トレによる免疫力の強化が花粉症に効くのかはあと数年の検証期間が必要だ。
「筋トレ」をやるだけで、健康体を手に入れることができる。
これだけでも、やる意義は十分にあるだろう。
さらに、副次的なものをもたらす。
健康体になると同時に太りにくい体質に改善される。
男性、女性ともに自分の体型を気にしない人はいないはずだ。
ダイエットは老若男女問わず、この10年、常に健康志向の高い日本人の関心ごとだ。
男性はスマートでカッコよい体型になりたい。
女性は細くなり、美しく見られたい。
全て、筋トレで解決できる。
そして、筋トレをして理想の身体になると、人はどういう気持ちになるのだろう?
大抵の人は、やり遂げたことに対して「自信」を得ることができるだろう。
その「自信」はどう波及するか。
例えば、恋愛。
男性はタフな精神力で積極的に女性に告白し、誘うだろう。
女性は美しくなった自分に自信がつき、恋愛活動に積極的になるだろう。
草食系と揶揄されていた男女は積極的に恋愛し、結婚し、やがては少子化問題解決の担い手となるはずだ。
決して大袈裟な話ではない。
健康保険料を抑えることができ、出生率も上がる。
会社は、政府は「筋トレ」をもっと推進するべきだといえるだろう。
悩みごとはどうか。
テストステロンという男性ホルモンがある。
これは筋トレをすることによって増加する。
テストステロンは、快楽を増加し、やる気を促進させる。
悩みごとなんて、あっという間に吹っ飛ばしてしまう。
筋トレ後は、プロテインを飲んで、すがすがしい気持ちで未来に臨めるはずだ。
(ちなみにテストステロンはドラッグではない。あくまでホルモンである)
このように筋トレすることで、健康体を手に入れただけでなく、生きていくうえで重要な精神面の強さも獲得することもできた。
本当はこれ以上、望むことはない。
これだけでも、十分お腹いっぱいである。
それなのに、困ったことに筋トレのプロセスは仕事(ビジネス)でも応用できてしまう。
筋トレを始める場合、現状把握から始める。
大きくしたい筋肉が上腕二頭筋であれば、今の筋肉の状態はどうか。
どれくらい太くしたいのか。
ジムでどのマシンを使えば太くなるのか。
回数はどれくらいが適度か。
強度(負荷)はどれくらいが適切か。
綿密に確認作業を行い、計画を立てる。
仕事でも同じ。
この現状把握(分析)ができているのと、できていないのとでは結果がまるで違う。
目標を設定し、プラン(P)が決まればあとは実行のみ。
決めたトレーニングメニューにした従い、ひたすらトレーニングを積み重ねる(D)。
決して、そのときの気分でメニューを決めないこと。
計画どおりに進めることが重要である。
仕事に置き換えれば、日常の中でのひらめきが重要であるクリエイテイブな仕事もあるが、大局的な意味では大目標に向かって実践してみる。
その後、スパンを区切り、効果を検証してみる。(C)
筋肉は太くなったか。
プロテインの摂取量は足りているか。
自分の理想に近づいているのか。
仕事でいえばこれは進捗状況の点検、確認に該当する。
望んでいる効果がでていなかった場合は、何らかの原因が考えられる。
10回の回数を20回にしてみたらどうか。
30キロの負荷を35キロにしてみたらどうか。
プロテインの摂取量を1日20グラムから30グラムにしてみたらどうか。
明確な原因が分からなくても一歩進むために改善を行い(A)、再び実践する。
仕事でいうところの業務改善である。
お気づきであろうか。
筋トレをやることで、ビジネスマネジメント手法の一つであるPDCAサイクルが完成している。
この一連の流れはPlan(計画)、Do(実行)、Check(点検)、Act(改善)そのもの。
筋トレを突き詰めてやれば、この習慣、思考が身についていくため、そのままそっくり仕事でも適用でき、たくましいの肉体になり、強固な精神力が得られ、さらにこのサイクルを応用すれば、仕事でもうまくいくことになるだろう。
これだけの好循環をもたらすものは他にあるだろうか。
デメリットが見当たらない。
もはや、全人類が筋トレをただちに始めてもよいレベルである。
全ての道は筋トレに通じている。
僕らは「道」を知っているだけじゃなく、歩き出す実践者でなければならない。
***
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