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「楽」と「楽しい」が同じ漢字だから楽しくない


*この記事は、「ライティング・ゼミ」にご参加のお客様に書いていただいたものです。

人生を変えるライティング教室「天狼院ライティング・ゼミ」〜なぜ受講生が書いた記事が次々にバズを起こせるのか?賞を取れるのか?プロも通うのか?〜

記事:村人F (ライティング実践教室)
 
 
漢字って酷いことをするなあって思った。
だって「楽」と「楽しい」に同じ漢字を使うんだから。
そのせいで僕はすごく困っている。
「楽」=「楽しい」という呪いをかけられてしまったからだ。
 
よく考えてみたら、この2つは全然違うじゃないか。
例えば「楽」は別の言葉で言い換えると「簡単」だ。
料理ならお湯を入れるだけで出来るカップラーメンがそうだろう。
他にも1分で終わるような仕事など、特に気を使うことなくすんなりと終わらせられることが「楽」と言われる。
 
しかし「楽しい」はどうだろう。
違う言葉で言えば「面白い」が1番近いだろうか。
となるとゲームを10時間くらいプレイすることや、応援していたスポーツチームが勝ったときが当てはまる。
このように比べると意味が全然違うことがわかるだろう。
 
そしてこれが大変な呪いに繋がってしまっている。
なぜなら本当に「楽しい」ことは「楽」じゃないからだ。
 
これはメチャクチャ楽しいだろうなあと思う場面を考えればすぐにわかる。
例えば満員の武道館で歌ったら最高に楽しいだろう。
他にも高校野球の甲子園で優勝しても人生最高と言えるくらい面白い経験になるはずだ。
 
さて、これらのどこに「楽」な要素があるだろうか。
どちらも人生全てを犠牲に捧げなければ達成できないことである。
しかもその歌や野球をやっている時間は辛い。
死ぬほど努力しないといけない。
つまり本当に「楽しい」ことをするには「楽」とは真逆の苦行をしなければならないのだ。
 
それなのに「楽しい」の中に「楽」が入ってしまっている。
こんなひっかけ問題は無いじゃないか!
このせいで僕はずっと「楽」なことを「楽しい」と勘違いしてしまっていたのだ!
 
おかげで僕は常に苦労の少ない「楽」な道を選んでしまった。
1年間努力しないと身につかないことを避けて、今の自分でも出来ることだけをやって生きてきた。
そのせいで今、本当に「楽しい」ことがわからなくなっている。
当たり前だ。
必要な苦労を全然していないのだから。
だから自分の人生にポッカリと穴が開いた感じがずっと続いている。
こんな呪いはないだろう。
本当に漢字が恨めしくて仕方がない。
 
だけど、もしかしたらこれが理由なのかもしれない。
天狼院書店の『ライティング・ゼミ』を2年以上続けているのは。
 
この習い事の特徴は課題提出にある。
なんと毎週2000字や5000字の文章を書かなければならない。
当然ながらこれはとても辛いことだ。
400字詰めの原稿用紙に書く作文ですら大変なのに、その何倍もあるのだから。
僕も未だに書き始めるときは「やりたくないなあ」と頭を抱えながらウジウジしている。
「楽」な要素なんて1ミリもない。
だけどこんな苦行をずっと続けている。
しかも給料がもらえるわけじゃない。
むしろいっぱい払っている。
文字通り苦労を金で買っている状態だ。
なんでこんなことを休日の昼まで寝ている「楽」な生活を捨ててまでやっているのか自分でも不思議で仕方がなかった。
 
この理由はきっと、本当の意味で「楽しい」ことを身体に刻みつけるためなのだろう。
確かに文章を書くことは苦しい。
この2年間ずっと休日の半分は文章を書いて過ごしてきた。
しかもこれだけ頑張って書いても先生から「面白くないですね」なんて一蹴されてしまうこともある。
こいつが5000字の文章で起こったら1日中ヘコみ続けてしまう。
まさに「楽」とは対極にある苦行である。
 
しかし、だからこそ「楽しい」のだ。
講座内で「この文章が最高だった」と紹介された時には書いてよかったなと心から思う。
さらにゼミ生が参加する飲み会で「記事読ませていただきました! すごいですね!」なんてキャーキャー言われた日には天にも昇る気持ちだ。
「ああ苦しい時間を乗り越えて書いてよかった」と感じる瞬間である。
 
このように苦行である『ライティング・ゼミ』を続けることで「楽」=「楽しい」という呪いを少しずつ解いている。
流石に30年勘違いしていたから、まだ簡単な道を選んでしまうことも多い。
だけど2000字や5000字の文章を書き続ける時間は徐々に勘違いを排除してくれる。
なぜなら休日の半分が潰れたり、それだけ頑張っても「つまらない」と言われる辛さを乗り越えるほどの面白い瞬間が訪れるからだ。
この快感は他じゃ味わえない経験である。
だから僕はこの苦行をやめられないのだ。
 
そして、これからはもっと「楽」じゃないことにチャレンジしていきたい。
同じく天狼院書店でやっているプロ向けの写真講座にしようか。
それとも仕事をもっと厳しい内容にしてみるか。
いずれにしても簡単なことは全くない。
辛い時間しか待っていない選択肢だ。
だからこそクリアしたときは最高に「楽しい」はずである。
この瞬間を目指して、たくさんの苦行に挑んでいきたい。
 
 
 
 
***
 
この記事は、天狼院書店の大人気講座・人生を変えるライティング教室「ライティング・ゼミ」を受講した方が書いたものです。ライティング・ゼミにご参加いただくと記事を投稿いただき、編集部のフィードバックが得られます。チェックをし、Web天狼院書店に掲載レベルを満たしている場合は、Web天狼院書店にアップされます。

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