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小学生の頃、先生の「好きな人同士でグループつくって」恐怖症だった私が、大人になってバンドが組めて泣いちゃう話


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記事:新井千尋(ライティング・ライブ東京会場)
 
 
「4〜5人でグループをつくって感想を言い合いましょう!」
 
学校の授業や企業の研修などで、よくある場面。
自由にグループを組んで何かするというのが、子供の頃苦手でしょうがなかった。
 
どうして先生が決めてくれないんだろう……。
席順でいっそ前から順に振り分けるとか、そういう決まりじゃいけないの?
 
グループ分けの時は、いつも心の中で不満が爆発していた。
でも、そんなこと声に出して言えるはずもなく、うつむいていた。
 
小学校で、「好きな人と4人組を作りましょう」みたいな場面がよくあった。
心の底から拷問だった。
 
私と同じグループになった人、つまらなくてかわいそうだ……。
そう思えば思うほど誰にも声がかけられなくて、ただ時間だけ経っていく。
クラスの明るくて人気がある子からどんどんグループが決まっていく。
もう半分くらいグループになってる。
どうしたら良いのかわからなくて、体がかたくなってるのがわかる。
先生が大丈夫かな?という表情をしはじめる。
先生をこまらせちゃう。
あぁ、はやくどうにかしなくちゃ……。
教室を見渡すと、私のほかにもすこしこまった顔をした子が何人かいた。
勇気を出して話しかけてみよう。
ちいさいけど声が出てよかった。
「もしよかったら……私といっしょでもいい?」
うなずき返されて、ひと安心。
それを繰り返して、どうにか4人組を作ることができた。
がんばってどうにかなってよかった。
心と体の疲労が激しい。
学校の先生は、どうしてこんな苦行を笑顔で何度も強いるのだろう。
 
いじめがあったとか、そういうことではなくて単純に自分に自信がなかっただけ。
私となんかじゃ相手がかわいそう。
そんなネガティブな考えに取り憑かれて、グループづくり恐怖症だったのだ。
 
高校でクラシックギターの部活に入り、ギターのコードを覚えた。
L’Arc〜en〜CielやGLAYをよく聴いていたので、エレキギターにも興味を持った。
 
いつかエレキギターを練習して、バンドをやってみたい!
そんなキラキラした夢は、シャボン玉みたいな寿命だった。
私とバンドを組みたい人なんていないよね……。
 
一瞬で夢をあきらめて、エレキギターを買うこともしなかった。
 
周りの友達がバンドをやっているのがうらやましかった。
どうして私はいつもこうなんだろう。
 
そのあとは大学生活や就職活動で、バンド活動への憧れはすっかり忘れていた。
 
グループづくり恐怖症は相変わらずで、企業研修でのグループ分けが苦手だった。
とはいえ、場数を踏んでいたので子供の頃よりはそつなくこなせるようになっていた。
内心ハラハラしながらも、どうにかやれていたと思う。
はたから見たら、緊張しすぎでいわゆるコミュ障には見えていたと思う。
 
新卒で入った会社を辞め、転職先の会社に音楽サークルがあった。
そこで、バンドをやりたかったのを思い出した。
でもエレキギターは弾いたことないし、転職先の知らない人ばかりのところに初心者が飛び込むのはハードルが高すぎる。
自分にいろいろな言い訳をして、またあきらめてしまった。
 
その後、フリーランスとして独立し起業家仲間との飲み会で
「昔、ギターやっていたんだよね」
「バンドやってみたいな」
などと発言してしまった。お酒の勢いというやつだ。
これが私の運命を変えることになる。
 
そう、バンドに誘ってもらえたのだ。
 
私でも大丈夫?
初心者でも大丈夫?
本当にいいの?
 
当時の私は自己肯定感が低くて、かなりネガティブだった。
今思えば、うっとおしかったと思う。わかりやすくいうと、めんどくさい女。
それでもいっしょにやろうと誘ってくれたメンバーには心からの感謝の気持ちでいっぱいだ。
 
そんなこんなでキーボードとエレキギターを買い、練習を始めてあれよあれよとバンド活動が始まっていった。
夢が叶うきっかけは唐突で、叶っていくのは急スピード。
 
バンドのメンバーにも言ったことないけど、初めてステージで演奏した後、感極まって泣きました。
できないと思ってたことが実現したのが信じられなくて、びっくりして泣いたのかもしれない。
今度、バンドメンバーと飲むことがあったら誘ってくれてありがとうを言ってみようかな。
 
実現できるかはさておき、まわりの人に自分の夢を宣言しておくのは本当にオススメです。
 
自分の宣言が、いい方向に連れてっていってくれたらラッキーくらいに構えておけば気楽ですし。
振り返るとバンド以外でも、仕事のビジョンを語っていたら案件の紹介をもらったこともありました。
 
大人になって大きなことを語るのは何だかちょっと恥ずかしさもあるけれど、親しい友達になら打ち明けられることもあると思うから、これからも自分の夢を宣言していこうと思います。
恥ずかしくなったら、お酒の力も借りながらね。
 
 
 
 
***
 
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2022-11-16 | Posted in メディアグランプリ, 記事

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