私にとって「推し」とは人生というマラソンの「伴走者」
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記事:まつもとみう(ライティング・ゼミ2月コース)
「推し」という言葉が当たり前に聞かれるようになった。
アイドルやキャラクターを応援する「推し活」という言葉も生まれ、多くの人が誰かを推している。
友達と一緒に推すのが楽しいというライトな層から、推しのために働く人、自分の存在意義の全てを推しに見出している人など、推しへの姿勢は多様になっている。
地上にも地下にもアイドルが溢れ、漫画やアニメ、文学にまで「推し」が描かれる。
まさに、一億総「推し」時代だ。
例に漏れず、私にもとある男性アイドルの推しがいる。
多様な推し方がある現代において、私にとって「推し」とは何かを考えてみた。
私にとっての「推し」は、人生というマラソンで前を走る、「伴走者」だ。
私が初めて推しと出会ったのは、なんとなく横目で見ていたテレビの音楽番組でのことだった。
いつもは流し見してしまうアイドルのパフォーマンスに、なぜか目が止まる。
ひとり、めちゃくちゃ歌が上手な子がいるな……。
と思ったらダンスもかっこいい!
顔がありえないくらい整ってる子がいるし、なんなら全員とてつもなく可愛いくないか……?
これが私の推し、なにわ男子との出会いだった。
その日から、なぜか、なにわ男子のことが気になる。
気が付いたらユーチューブでグループ名を検索し、動画を見ていた。
ジャニーズJr.としてのパフォーマンス動画や、番組の映像がたくさんあった。
そして、見れば見るほど、どんどん彼らに心が奪われていく。
また、現代はアイドルがSNSで発信することも当たり前になっており、公式ユーチューブチャンネルで、裏側もたっぷり見ることができる。
パフォーマンスの可愛さとかっこよさはもちろん、彼らの「人間性」に夢中になった。
メンバーの中で最年少の長尾くんは、パフォーマンスやトークはまだ未熟だけど、できることをやろうと思った結果、現場入りの時に必ず大きい声で挨拶をするという話があった。
彼の「おはようございます!」という元気な声が、いつも現場を明るくしている。
彼らのデビューとほとんど同じ時期に、私は社会人デビューをした。
新しい世界に入って行くときの姿勢として、尊敬できるところがたくさんあった。
私もまだ何も貢献できないけど、できることをやろうと、彼を見習って挨拶や笑顔を大切にすることを大切にしている。
他のメンバーもプロ意識が高く、動画を見るたびに励まされ、尊敬し、私も彼らのように毎日頑張ろうと思えた。
そして、ついに昨年の夏、念願だった初めてのコンサートに行くことが出来た。
憧れのなにわ男子が、目の前で、本当に生きてて、動いている……!
まずはそれだけで感動だった。
会場のどこにいても、花道を歩いたりトロッコに乗ったりして、近くまで来て手を振ってくれる。
20秒くらいは目の前にいたはずなのに、無心で見つめているので、体感は3秒。
可愛く元気な曲で笑顔をくれる、かっこいいダンスパフォーマンスに魅了される。
コンサートの時間中、心を奪われ続けて、潤っていくのを感じた。
ついに最後の挨拶。
コロナの流行で思ったように進まず悔しいこともあったのに、ここまで頑張ってくれた彼らに感動の涙……。
彼らが成長していく、同じ時代を共に生きれていることに、心の底から感謝した。
コンサートが終わって、会場を去って行くとき、私は思った。
来年、私ももっと成長して、コンサートに来よう。
もっと成長した推しのパフォーマンスを、成長した私で見に来よう。
入社したばかりの会社で、出来ないことだらけだけど、頑張って食らいついて、成長し続けよう。
私にとって「推し」は、人生という長い無いマラソンで、前を走る「伴走者」だ。推しは、「世界中の人をしあわせにする」という途方もない夢に向かって、日々努力を絶やさない。努力し続け、輝いている姿を見せてくれている。
私は私の夢に向かって、彼らの輝く背中を見ながら、走り続ける。
彼らが前を走ってくれるから、私も力が湧いてくるのだ。
***
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